“主語”がありますか?(私と子どもとの境界線)

私がかなり若い頃、よく言われた言葉があります。
「え? 誰が?」
「え? 何の話??」
と聞かれることです。

私には主語がなかったんですよね。
あれ、これ、それ。
取ってくれる? 空いてる? 見てくれる?

それは、出会った頃、主人にも良く注意されました。
今でも時々自分で気づくことがあります。
でも私のように、ついつい主語を使わず話す方って案外多いようです。

自分と誰かの境がなくなってしまっていると、こんなことが起きやすいです。だから私も以前問題だらけだったのですが、ただ、これはちゃんと意識しておかないと、親子関係においては癒着の関係にもなってしまうことなんですよね。

■癒着のお話

・癒着とは

簡単に言うと、親と子どもの境がわからなくなってしまう状況をいいます。
子どもが成長する過程において、親には心配してしまうことがどんどん増えてきますよね。

・友達が出来るのだろうか。
・勉強についていけているのだろうか。
・ゲームのし過ぎじゃないだろうか。
・何度言っても聞かなくて、この子は大丈夫だろうか。

親ですから多少の心配は、どの親御さんも感じることだと思いますが、ただ日々の子どものことで、親が頭を抱えるほど心配してしまったり、子どもに振り回されているような毎日になってしまっていると、子どものことなのに、自分の悩みとして取り扱っているかもしれませんので、少し気を付けた方がいいかもしれません。

・子どもを思うが故、大切にするが故のこと

子どもに愛情を注ぐ。
それは親として自然な行動で、子どもがこうあって欲しい、こうならないで欲しいと思うことも、当然だと思います。
でもそうやって日々子どものことばかりに目を向けてしまうと、私たち親は、時にいい子に育てなきゃ、ちゃんと育てなきゃと、自分にもいい親であり、ちゃんとしなきゃいけないと思ってしまう場合が少なくありません。
そうなると、子どもに正しい道を歩ませるために、正しさを追求してしまうことってあると思います。すると自分もそうやって頑張っている分、子どもにも頑張って欲しいと望んでしまうのね。これではお互いに疲弊してしまいます。

・正しい子育てはない

何が子育てにおいて正しいのか。
どうするのが正解なのか。
そんなのどこまで追求したって、きっと分からないと思います。
皆それぞれに生きて来た環境下での学びがあるし、そこで頑張って来た過程もありますからね。子育てって、本当にそれぞれのやり方があって当然なんだと私は思います。

ただ、子育ての多くは、自分の子ども時代に経験した親子関係が見本になっていたり、その逆で、自分はこうだったから、子どもにはこうしない、こうはなって欲しくない。こうならないようにと、子どもを守るやり方だったりするものなんですよね。
でも本当に大事なのは、

今、子どもが幸せかどうか。

というところではないでしょうか。
子どもが悩んでいて親に頼るのなら、そこはしっかりと寄り添ってあげて欲しいものですが、子どもは悩んでいないけど、親である自分が誰よりも悩んでしまっているのなら、それは、時に見守るということも必要なんだと思います。

 

■自分と子どもは違う人間

・必ずしも似るわけじゃない

子どもは多少親に似ますね。
だけど、全く違うものを好み、違う生き方をする子ども当然います。
お母さんのお腹から出て来ても、一緒に暮らしていても、やっぱり自分とは違うひとりの人間なんですよね。

我が家は、2人ともスポーツが嫌いじゃない夫婦で、むしろ私の方はスポーツしかしてこなかったような人間ですが、息子は完全なインドア派です。
私に好き嫌いはありませんが、息子はめちゃくちゃあります。私も主人も学校で目立つ子ではなかったですが、息子はリーダーシップタイプです。

親を見て親の考えの中育っていても、やっぱり違う人間なんですよね。

・主語を使って意識づける

だからこそ、親も、子どもは自分と違う人間で、違う生き方なんだという、その境をしっかり持っていた方がいいと思います。

「お母さんはこう思うよ。」
「お母さんがこうしたいんだけど。」
「あなたはこうだったの?」

主語を使って、はっきり自分の意見として言うこと。
これは、一般的なコミュニケーションとして、大事なことでもあるんですよね。相手に自分のことを分かりやすく伝えるということであり、自分がどうしたいのか、どうありたいのかということも、自覚しやすくなりますので、意識して使って欲しいと思います。

私自身が昔ずっと主語を付けず話してて、何を話してるのか分からない。誰のことを言ってるのか分からないなど、本当に酷かったから、自分が子育てする時にかなり意識しました。どうしても子どものことって、親は自分ごとのように感じて悩んでをしやすいため、今回記事にさせて頂きました。

このお話が、子育て中の皆さんにとって、少しでもなにか日々に活かせる文章であれば小川は嬉しく思います。

9月23日(金)は、高塚早苗カウンセラーです。
どうぞお楽しみに。

[子育て応援]赤ちゃんの頃から、思春期の子、そしてそんな子どもたちに関わる親とのお話を6名の個性豊かな女性カウンセラーが、毎週金曜日にお届けしています。
この記事を書いたカウンセラー

About Author

アルコール依存症の父からの虐待経験、学生時代のいじめから、恋愛依存、不倫や風俗を経て、自分を抑え付けるような結婚生活後、8年で離婚。その後自分に向き合い、今は穏やかに生きる。 過去のあらゆる経験をもとにして、恋愛関係、家族関係を得意とし、お客様と共に成長するスタイルを取る。