自分を責める時〜できない理由を理解してみよう〜

できない理由を理解してみよう

あなたには自分を責めていることはありますか?自分を責めている時は心が苦しくなりますね。カウンセリングでも自分を責めてしまう話を聞かせていただくことがあります。そんな時はなぜそれができなかったのかを愛ある視点で理解していくことで自分を責めることを緩めるきっかけになることがあります。

■自分を責めている時は心が苦しい

あなたには、今、自分を責めてしまっていることはありますか?

軽く自分を責めているという人もいらしゃるかもしれません。
また、強く自分を責めているという人もいらしゃるかもしれませんね。

カウンセリングではクライアントさんからご自身を責めてしまうという話を聞かせていただくことが多々あります。

そのシチュエーションは様々です。

・失敗をしてしまった
・自分の至らなさや情けなさを感じた
・誰かを傷つけた
・何かから逃げた
・上手く愛せなかった
・期待に応えられなかった
・嘘をついた
・裏切った
・やったほうがいいと思ったことをやらなかった

などなど
自分を責めてしまうシチュエーションは様々ですが、どのシチュエーションでも自分を責めてしまう時は心が苦しくなります。

カウンセリングで自分を責めてしまう気持ちを緩めるお手伝いをさせていただくことがあるのですが、記事という形でもお手伝いできればと思い、今回は自分を責めることについてをテーマに書かせていただきます。

■なぜ上手くできなかったかを愛のある視点で理解する

カウンセリングで、クライアントさんから何かが上手くできずに自分を責めてしまっているという内容のお話を聞かせていただくことがあります。

その時に、なぜ上手くできなかったのかを愛のある視点を持ちながら自分を理解していくことをテーマにすることがあります。

例え話を使ってこのことを説明しますね。

パートナーを傷つけてしまった!
と自分を責めている女性がいたとします。

お付き合いしている彼が仕事が多忙となり、二人で会う時間が思うように取れなくなり、そのことで女性の不満がたまり彼に怒りをぶつけてしまったとします。

その時に彼から言われるのです。
「会えなくてさみしい思いをしてるとか、もっと会う努力をしてくれてもいいんじゃないとか、君の言うことは自分のことばかりだ!会うことが難しくなったくらい仕事に終われている僕の体調を心配してくれるとかはないの?君との会話には僕のことを思ってくれていることが感じられなくて悲しいよ」

それを聞いた女性は、はっ!とするのです。
彼の言うと通り自分のことをしか考えなかったと。

そして自分を責めるのです。
彼を傷つけてしまったと自分を責めるのです。

そんな女性がいたとします。

そんな時に、なぜ上手くできなかったのかを愛のある視点を持ちながら自分を理解していくことをカウンセリングのテーマにしていくことがあります。

この場合だと、なぜ自分の不満ばかり主張してしまい彼のことを考えてあげられなかったかを掘り下げていくわけです。

掘り下げていくと彼女は彼に依存していたことが見えてきたとします。
なぜ依存していたのかも掘り下げていくと、彼女の今までの人生での体験が関係していることが分かってきたとします。

彼女は子どもの頃、仲のいい友達から裏切られたことがあり、そこから長らくの間、人を遠ざけていきてきました。
人を信頼できず、ずっと親密感を遠ざけて生きてきました。

また両親との関係も上手くいっておらず、彼女の人生には、さみしさと孤独がありました。

彼女は彼と知り合い、長らく彼女の人生になかった親密感を彼との関係で感じることができました。
今までの孤独が癒やされていきました。

彼以外との関係では親密感を感じられる関係がなかったという事情がわかってきました。

こういう事情が分かってきた場合、
その孤独だった頃のことをフォーカスして、お話を聞かせてもらうことがあります。

すると
涙を流しながらお話をしてくれることがあります。
本当はさみしかった、孤独はつらかったと涙を流しながら話してくれることがあります。

涙がでてくるということは、まだ癒えきれていない過去の寂しさ、孤独が残っている印なんですが、このようにして過去を振り帰る時間をとることで、ご本人も話をしていて初めて癒えきていない感情があることに気づくことがあります。

そして気づきが深まっていきます。

この寂しさや、孤独があったから、彼が仕事で忙しくなって会えなくなった時に、また寂しくなっちゃう、また孤独になってしまうと不安になってしまい、感情的になってしまったんだと。

こんなふうに自分の心の中で何が起こっていたのかをより深く理解していくんですね。

そうやって理解していくと自分を許しやすくなっていったりします。

「心の中にこんなにも長年間に蓄積した寂しさや、孤独があったんだなぁ。
それもあって、また寂しさを感じることや孤独を感じることが私は本当に嫌だったんだなぁ。
だから、もう寂しい思いはしたくない、もう孤独を感じたくないと私は感情的になってしまったんだなぁ。
こんだけ寂しさや孤独を心に抱えていたら感情的に不安定になったのは仕方がなかったのかもしれないなぁ・・・。
次は感情的に不安定にならないように、癒えていないさしみさや、孤独を癒やしていこう。
そうやって彼のことを考えてあげられる自分に変わっていこう!」

というふうに、
自分への理解が進むと、彼のことを考えてあげることが上手くできなかった自分のことを許してあげようという気持ちにいたることがあったりします。

許せると自分を責めることが止まっていきます。

++++

あなたにも、何かが上手くできなくて自分を責めてしまっていることはありませんか?

上手くできたほうが良いのかもしれないれど、上手くできないにはおそらく何らかの理由があるんだと思います。

その理由を愛のある視点で理解してみてはいかがでしょうか?
自分責めを緩めるきっかけになるといいですね。

(続)

心理学講座4回シリーズ/同シリーズ記事はこちら
  1. 自分を責める時〜できない理由を理解してみよう〜
  2. 自分を責め続ける〜自分にひどいことをしている認識の欠如〜
  3. 結果以外の部分も見て自分を責めるのをやめていこう!
  4. 自分を責めるのをやめることが誰かのためになりませんか?
この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。