「ありのまま」でいい~完璧主義の罠を手放す~

楽しく会話をしたいと思いながらも、人と話しをすることが面倒でしかたがなくないと感じることがあります。

つい人と会話することに消極的になり、逃げてしまうと、ますます自分の会話能力に自信をなくして、対人関係そのものが億劫になってしまいそうです。「面倒臭い」と感じるときは自分が「完璧主義の罠」にはまっていないかどうかをチェックしてみてください。

「相手を傷つけまい」「不愉快に思わせてはいけない」「楽しませなくてはいけない」と思えば思うほど緊張して、なかなか会話を楽しめないもの。あなた本来の繊細さや優しさ、思いやりは相当なものなので、「あなたと一緒にいて楽しい」という気持ちを「ありのまま」のあなたの笑顔で表現することを大事にしてみてくださいね。

◎リクエストを頂きました◎
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初めまして。私は人が好きだと思っていました。今は人を好きになりたいと思っています。以前と比べて人に対して好きという考え方が変わったのは、自分のことをきちんと見るようになってきたからだと思います。私は、今は、あまり人が好きではないのです。というのも、私は会話をすることが面倒で仕方がないのです。楽しく会話したいという欲求はあるのに、いざ会話をすると面倒だなと思ってしまって会話をおろそかにしてしまいます。会話の勉強をして積極的に話そうと努力しているのですが、心の深い部分が拒否している感じがします。どうしたら会話を楽しみ、積極的になれるでしょうか。
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リクエストをありがとうございます。

人を好きだと思っていたけれど会話を面倒に感じていることに気づいたので、きっと「今はあまり人が好きではない」のだろうと自己分析をされていますが、会話を楽しめないことを残念に思っていらっしゃること自体が、「人が好き」な証拠ではないでしょうか。「人が好き」だからこそ、他の人とのコミュニケーションを楽しめないことで悩むのです。

人と会話を楽しみたいのに、心の深い部分が拒否しているとしたら、ハートを開くことに抵抗がありそうです。ご自分の気持ちを誰かに知られてしまうことに対して不安や怖さがおありでしょうか。私たちは、人にわかってほしいのにわかってほしくないという矛盾する気持ちをもつことがあります。

とても繊細で優しい方に多いのですが、一番ピュアで美しい自分の心を見せてしまうと、ふとしたことで傷つきそうで怖いし、それ以上にすごく恥ずかしいと感じます。

それほど自分の心を人に見せるのが恥ずかしかったり、怖かったりすると、他人の気持ちにもどうしても繊細になります。自分のちょっとした話の振り方や、反応のしかたが相手を不愉快にするかもしれない、傷つけるかもしれないと思うととても怖いし、神経を使います。気を使いすぎてヘトヘトに疲れてしまうのではないでしょうか。

また、子供の頃に、自分がまわりの人を十分に喜ばせてあげられなかった、家族を笑顔にできなかったのではないかと思っていらっしゃるならば、誰かがあなたと一緒に時間を過ごすことを楽しいと思う、ということに自信をもてないかもしれません。実際には、これは誤解で、ただ、あなたがどれほど人を楽しませたい人か、ということを物語っているのにすぎないのですが。

人を喜ばせたい、楽しませたいという気持ちの強い子供は、大人が大人の事情で疲れた、深刻な顔をしていても、自分の力不足だと感じます。自分がそばにいるだけでは人を笑顔にできないと思い込んで、必要以上に頑張って相手を楽しませなくてはいけないと自分にプレッシャーをかけます。でも、これは「完璧主義の罠」かもしれませんよ。

「相手を傷つけてはいけない」「相手に不愉快な思いをさせてはいけない」「相手を楽しませなくてはいけない」などの「こうであるべき」という「自分に対する期待」は必要以上に自分にストレスをかけます。向上心はいいのですが、つい「完璧」をめざしてしまうと、本当は楽しいはずのことも、「うまくいかない」フラストレーションばかりを感じて、ちっとも楽しくないです。面倒になるんです。

そんな「完璧主義の罠」にはまると、「ちゃんと会話をする」ことにばかりとらわれて、「人と共にいる」ことの楽しさを感じられなくなります。

おそらく、もともとが繊細で優しい、ピュアな方だと思います。ご自分が感じておられることを「ありのまま」に言葉にされるだけで、ご一緒におられる方にとっては心地よいものだと思います。相手を「楽しませたい」気持ちがあるからこそ一生懸命に会話を磨きたいと思われるのですが、ここは、「完璧なエンターテイナー」を目指すよりも、ご自分も一緒に「楽しむ」ことを目標にしませんか。

あなたが相手の笑顔を嬉しく思うように、相手もあなたの笑顔が見られると嬉しいはずです。ちょっぴり恥ずかしいかもしれませんが、「ありのまま」のあなたで、「あなたと一緒にいられて嬉しい」という素の気持ちを笑顔で表現してみませんか。リラックスできると、自然とハートを開くこともできるようになるでしょう。

(完)

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