自分を責め続ける〜自分にひどいことをしている認識の欠如〜

自分にひどいことをしている認識の欠如

自分を責め続けてしまうことはありませんか?自分にひどいことをしているという認識がないことが自分責めが続く要因になってしまっているケースがあります。他人に言ったら、縁を切られてしまうようなひどい言葉を自分に対して使っていませんか?それに気づくことが自分責めを辞める一歩になります。

■自分を責めるのをやめられないのはなぜ?

カウンセリングではクライアントさんから自分を責め続けてしまうという話を聞かせていただくことが多々あります。

自分を責めている時は、心が苦しくなるのですが、なかなか自分を責めるのをやめらないというお話をお聞きさせていただきます。

自分を責めるのをやめられず続けてしまう理由は様々なのですが、そのなかには自分に対してひどいことをしているという認識の欠如が、自分を責めることを続けてしまっている要因になっているケースがあります。

■自分にひどいことをしている認識はありますか?

例えば、
ある方がご自身を責めていたとします。

その人は、
片思いの人に嫌われたかもしれないと思ってしまう出来事がありました。
嫌われてしまったかもと思うと、とても不安な気持ちになりました。

その時に友人が一生懸命励まそうとしてくれたとします。
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ」と励ましてくれるのです。

しかし、不安でいっぱいっぱいになっていたこともあり、励ましてくれる友人に「人ごとだから大丈夫だよとか気楽なことが言えるのよ」と辛らつな言葉を言ってしまったとします。

友達にひどいことを言ってしまったと気づき、翌日、友達に謝りました。
友達は「気にしなくていいよ」と言ってくれます。

言ってくれたのですが、友達にひどいことを言ってしまった自分のことを許せません。
自分を責める気持ちがわいてきます。
そこから毎日自分を責めるのです。

そんな方がいたとしましょう。

このようなお話を聞かせていただいた時に、
「自分を責めるモードになっている時は、どんな言葉で自分を責めてしまうのでしょう?」
そんなご質問をさせていただくことがあります。

そんな質問をしたところ、こんな答えが返ってきたとします。
↓↓↓
「私のことを思って励ましてくれていたのに、私はその気持ちを無下にしてしまった。私は最低だ」
「自分のつらい気持ちばかりを見ていて、友達の気持ちを見てあげてなかった、私は精神的になんて幼い人間なんだ」
「私のことを大切に思ってくれていた友達に傷つけることを言ってしまった。私はホント、クズだ」
「自分のことばかりで、本当にダメな人間だなぁ」
という言葉で自分を責めていると教えてくれたとしましょう。

こんな話がでた時に私は、このできごとを他人に置き換えて考えてもらうことがあります。

「もし、あなたのお友達が片思いの人に嫌われたかもしれないという出来事があったと考えてみてもらえませんか?
そして、とても不安な気持ちになったとします。
その友達を親友が励ましてくれたとします。

だけど、不安でいっぱいいっぱいになっていたそのお友達は親友に”人ごとだから大丈夫だよとか気楽なことが言えるのよ”と言ったとします。
明くる日、誤ったところ親友からは、気にしなくていいよと言ってもらったとします。
だけど、親友に言ってしまったことを気にしている、自分を責めていると、あなたに打ち明けてくれたとします。

あなたは、そのお友達にどんな言葉がけをしますか?

人の気持ちを無下にして最低な奴だなぁでしょうか?
精神的に幼いぞ!でしょうか?
ホント、クズな人間だなぁでしょうか?
あなたってダメな人間だねでしょうか?
何て言葉を友達にかけます?」

というようなことを聞かせていただくことがあります。

すると、
「そんなひどいことは言いませんよ」
というようなお答えが返ってくることが多いです。

「なぜ言わないんでしょう?」

「だって、そんなこと言うと友達が傷ついちゃうじゃないですか。ただでさえ不安な状況の時にそんな追い詰めるようなこと言うとかわいそうじゃないですか」

「そうですよね。
ひどいことだし、傷つけるし、可愛そうですよね。
そんなひどいことをご自身には言っていたとか、
自分を傷つけることをしていたとか、
自分に可愛そうなことをしているという視点ってありましたか?」

と、
尋ねると・・・

「なかったです。人に置き換えて考えてみると、自分にひどいことしていたなぁと気づきました」

というような、
自分にひどいことをしている認識や感覚はなかったと言われる方は結構いらっしゃいます。

自分にひどいことをしている、
自分を傷つけることをしている、
自分に可愛そうなことをしている、
という認識がないと、
ひどいことをするのは辞めよう!
傷つけないでおこう!
可愛そうなことをはしないであげたい!
という発想もでてこないので、自分を責める続けやすくなってしまうことがあるようです。

自分にひどいことをしている、自分を傷つけることをしている、自分に可愛そうなことをしているという認識って大切なんです。

■自分にやさしい言葉をかけてみては

そんなやりとりをした時は、
「では、あなたならそのお友達なんて言ってあげますか?」
とお聞きすることがあります。

「そうですね・・・不安でいっぱいいっぱいだったんだからしょうがないよー。自分をそんなに責めなくていいよ・・・ですかねぇ」

「その言葉を自分に言ってあげるといいかもしれませんね」

そんなことをお伝えさせてもらうことがあります。

自分にひどいことをしていると気づいた時は、ひどい言葉を浴びせる代わりに、自分にやさしい言葉をかけてあげてくださいね。

(続)

心理学講座4回シリーズ/同シリーズ記事はこちら
  1. 自分を責める時〜できない理由を理解してみよう〜
  2. 自分を責め続ける〜自分にひどいことをしている認識の欠如〜
  3. 結果以外の部分も見て自分を責めるのをやめていこう!
  4. 自分を責めるのをやめることが誰かのためになりませんか?
この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。