「期待に応えなければ居場所がなくなる」という恐れを越えるために大切なこと

世の中にはいろいろな仕事がありますが、どんなお仕事でも「お客さま」であったり「クライアント」が存在しますね。
それらの要望に応えられるかどうかは、大なり小なり、ついて回ってくるものなのかなと思うのですね。
人から良い期待をされることや、それに応えようと頑張ることは「やりがい」にもつながると思うのですが、カウンセリングでお話をお伺いしていると「期待に応えられなければ、仕事を解雇されるのではないか」「居場所がなくなるのではないか」という恐れを感じすぎて、潰れてしまう方も少なくないようです。

たとえば・・
理不尽で無茶苦茶な要望でも、断ったら「使えない人だ」と思われて見切られるのではないか。
一回失敗したら、もう、挽回することができないだろう。

もちろん、業界や会社、状況などによって、いろいろ事情はあるとは思うのですが・・もし、そんな感情ばかりを感じながら仕事をしているとしたら、心も体もヘトヘトに疲れてしまいますね。
人によっては、仲間と足を引っ張りあってしまったり、ご機嫌取りばかりしている自分に嫌気が差して「自分って何をやっているんだろう」と虚しさを抱えてしまうということも・・。

この「期待に応えなければ居場所がなくなるのではないか」という心理のルーツは人それぞれ違うと思うのですが、幼少期の体験からきていることも少なくありません。

たとえば、私たちは子どもの頃、お父さんお母さんのことが大好きです。
両親が自分のやったことや自分を見て、笑ってくれたり喜んでくれると「自分は大好きな人にとって良い存在であり、役に立てるんだ!」と感じますし、望む反応が返ってこなかったりすると「こんな自分はダメなんだ、意味がないんだ、愛されないんだ」と無力感や劣等感を感じたりします。
そして、あまりに無力感や劣等感を感じすぎると「認めてもらうために」「自分が役に立つ存在なんだと証明するために」「愛されるために」両親の顔色を伺う、期待に応える、人よりも優秀であるよう頑張る、ということをはじめたりするんですね。
そのパターンが社会に出た時に「職場の上司」「組織」「世の中の人」に投影し、必要以上に恐れを感じてしまったり、頑張りすぎてしまうという形で出てきてしまうことがあるんです。

こういうときには、よくやってきた自分や、大切な人にとって良い存在でいられたらいいなと思う健気さを認めた上で「恐れ」ではなく「貢献」の意識を持って仕事に取り組んでみると良いと思うのですね。
つまり、あなたの存在や行動を「これをやっているから認めてくれるよね」という取引のように使ってしまうのではなく、「目の前の人を喜ばせたい。役に立ちたい」という貢献として使っていくのです。

たとえば、どれだけ自分が「こんな、誰でもできる簡単な仕事に価値があるのだろうか」と思うような仕事でも、ひとつひとつ丁寧にやってみる。
上司から会議に使う資料のコピーを頼まれたとしたら。気持ちよく会議ができるよう、きれいにコピーをしてあげよう。そんな意識でやってみる。
会議に出て他のチームが報告しているとき「どうしよう、自分も成果を出さなければ置いていかれる!」という恐れがでてきたとしたら「うなづいたり、反応したりして、できるだけそのチームが報告しやすい雰囲気を作ってあげよう」「この会議がいいものとなるよう、いまの自分ができることをしよう」という貢献を選択してみるのです。

人によっては「えー!それって、自分が損するばっかりじゃないの!」って、心がザワザワしちゃう方もいらっしゃるかもしれませんね。
それも無理もないことなのですが、実は、それこそが無力感や劣等感の罠。
「私は役に立たないだろう」「認められないだろう」と自分をちっぽけに扱っていることででてくる「恐れ」だったりしますから
「自分はよくやっているし、なにかの役に立ててるはず」「いま、自分ができることで周りに貢献しよう」と、ちょっぴり切り替えて「貢献と信頼」でつながってみるといいのですね。

見えないところでの貢献ができる人というのは、同じように貢献の意識を持っている人から信頼されますから、結果、長期的に良い関係を築いていくことができたりします。
自分の中から湧いてくる愛に触れているので、そんな自分のことをすこし誇りに思えたり、周りからの評価も受け取りやすくなり、自己価値も回復してくることも多いようですよ。

期待に応えられないと悩む方というのは、周りを笑顔にしたい、役に立ちたいと思う、貢献の意識がとても高い方です。
周りの人の望んでいることや、欲しいものに気づく力も十分に持っていらっしゃいます。
きっと、あなただからこそ気づくことができる、与えられるものがあると思いますよ。

よかったら、お試しくださいね。

参考になれば幸いです。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛、対人関係の改善、自分が本当に望んでいる人生へのシフトチェンジへのサポートを得意とする。 特に「さびしさを笑顔に変えるカウンセリング」をテーマに掲げ、30代女性の生き方、恋愛・婚活サポートを精力的に行っている。 高い共感力を活かした「共に考え、併走する」カウンセリングスタイルが好評。