自立心が芽生え親に反抗する反抗期
子どもが自立へ向かって成長し始めるのですが、親に対して悪い態度になってくるのがこの時代です。
親は、そろそろ子ども以外の人間関係を充実させて、子どもの自立への準備を始める時期になります。
全ての人間関係の基本になっているのが、親子関係です。
私たちが生まれて初めて、関係性を築き、身近な存在として生活し、あらゆることを学ぶのは、親子関係からです。
親に徹底的に面倒をみてもらう依存時代を過ごした子どもと親の関係性に最初に変化が起こるのは、子どもが自立心を持ち始めたいわゆる反抗期が始まった頃かもしれません。
親から愛されることを学んだ依存時代を経て、傷つくことも経験し、さまざまな知識も身につき、家族以外との関わりも生まれてき始めると、子どもに自立心が芽生え始めます。
親の意見と対立することも多々出てくるのです。
子どもが反抗期を迎えるこの時代、親が自立で子どもが依存ということには変わりはないのですが、子どもが徐々に依存から自立へ移行を始めるのです。
とは言っても、まだまだ依存の立場の子どもの考え方や行動は、親からすると危なっかしいことも多々あるものです。
ついつい「それではダメだ」とか、「こうしなさい」と、親の考えややり方を、子どもへ押し付けたくなってしまうのですが、それをやればやるほど、子どもは反抗することになります。
この時代に、親の意見を強く押し付けられて、がんじがらめにされてしまうと、その後も、年長者や立場が上の人に対して、反抗的になってしまいトラブルを抱えてしまうことも少なくありません。
また、同じように押し付けられたとしても、「どうせ反抗しても、私の意見など聞いてくれない」と、自分の意見を持つことを諦めてしまうこともあります。
「自分が何をしたくて、何が好きで、どう生きたいのかもわからない」という場合、一概には言えませんが、もしかしたらこの時代に、徹底期的に押さえつけられてしまったのかもしれません。
子どもからすると、「もう親からとやかく言われたくない!」「自由になりたい!」と強く思うのがこの時代です。
親からすると、自分の手元にいてかわいかった子どもが、自分に反抗し悪態をつくようになるわけですから、悲しい時期です。
子どもが成長することは、喜ばしいことなのですが、親の手助けが必要なくなってくることが、少し寂しいとも感じます。
この時代に、親が子ども以外に繋がりのある人間関係を持っていなかった場合、子どもが成長することで、自分の元を離れていくと感じて、そこに留めておこうとしてしまうことがあります。
「あなたは、何もできない」「あなたにできるわけがない」「どうせうまくいかない」そうやって子どもに芽生えた自立心をへし折ってしまうこともあるかもしれません。
親が子どもが自立しようとしていることを受け入れ、押さえつけるのではなく、自立心を認め、成長をサポートしていけると良いのですが、この時代の子どもは、何でもかんでも親を否定することで、親から離れて自立しようとする部分もあります。
ですから、やさしくサポートしようと思っても、子どもに否定されたり、悪態つかれたり、無視されたりと、とんでもなく悪い態度をされるので、腹立たしさを感じることになるのもこの時代です。
そのくせ、まだまだ子どもは自立への移行途中の依存ですから、うまくいかないことがあると親のせいにしたりもしますし、親が責任を負うことも多々あるのがこの時代。
この時代に子どもが学ぶのは、「頑張ること」なのかもしれません。
親から離れて自立していくために、自分の責任は自分でとれるようになるために、さまざまなことを頑張る必要があります。
また親はこの時代に学ぶのは、「見守ること」なのかもしれません。
自分が手出ししたくなっても、子供の成長を信頼し見守ること。
手出しや口出しするのではなく、信頼して見守る。
ただし、助言を求められたり、子どもに危険が及ぶような場合は、手出しや口出しはありです。
まだまだ子どもは依存であり、自立へ移行途中ですが、子どもの考えることだとダメ出しするのではなく、一人の人格として尊重することも学んでいかなくてはいけません。
親子関係の中で、特に関係性が悪くなってしまうのが、この時代かもしれません。
ですが、子どもが反抗期になったら、「自立心が芽生えてきた」と考えて、親の側も小さな子ども扱いするのではなく、子どもが成長していけるように見守ってサポート体制に入るようにしたいものです。
親自身の時間を作ったり、親子以外の人間関係を作っていったり、夫婦の関係性を密にしたりと、自分のための時間がやってきたと考えるといいかもしれません。
子ども側は、今まで親に頼っていたことを自分の責任で行えるように、頑張っていく必要があります。
最初のうちは、頑張ってもうまくいかないことがたくさんありますが、その経験を通して、親がやってくれていたことに気づくこともできます。
ただ、この時代の子どもは、反抗期ですので、素直に親に感謝するというよりは、なかなか難しいかと思いますが、可能であれば今まで親が担ってきてくれたことに対する「ありがとう」を伝えたり、わからないことや不安なことがあれば、親を頼りにするなんてことができるといいですよね。
子どもが自立への移行期であるこの時代は、親子関係は、ロマンス期とは全く様子が違ってしまうでしょう。
親からすると、まだまだかわいい子どもが、自分に対して悪い態度をとってくる時期なので、悲しくなりますし、子供からすると、自分を一人前と認めてくれない親にイライラしてしまいます。
ただ、この時代を通過しないと、子どもは自立していけないわけですから、必要な時代なのだと考えてみてくださいね。
(続)
- 変化する親子関係(1)〜自立と依存〜
- 変化する親子関係(2)〜反抗する時代〜
- 変化する親子関係(3)〜自立と自立〜
- 変化する親子関係(4)〜自立と依存の逆転〜