あなたにもあるかもしれない罪悪感ブロック
◆あなたは今、どのくらい幸せを感じていますか?
罪悪感は「自分は誰かを傷つけてしまった」というような自覚のあるものから、親から引き継いだ負のパターンのような無自覚なものまでたくさんあります。
ひとつ確かなことがあって「罪悪感が強いと、自分が幸せになれないような選択を無意識的にしがちだ」ということなのです。
「え?無意識ならば、自分でも気がつけないから、どうしようもないよね?」という救いようのない話になります。
そうなのです、まったくそのとおり。でも、そんなときのための心理法則があることを、皆さんはご存知でしょうか?
「私たちの無意識は、心の中にある状態と外側にある状態を一致させたくなる」。つまり、あなたの現状を見れば、それが明らかになるということです。
では、みなさんはこの質問に答えてみてください。
「あなたは今、どのくらい幸せを感じていますか?」
もし幸せをあまり感じられていないのだとしたら、それは「罪悪感ブロック」があるせいなのかもしれません。
なぜ私は、こんなにも自分に幸せを許せないのだろう?
なぜ私は、こんなにも幸せになれない恋愛ばかりをしているのだろう?
なぜ私は、こんなにも努力が報われない環境にいるのだろうか?
なぜ私は、こんなにも自分を酷使するのだろうか?
なぜ私は、こんなにも自分を休ませないのだろうか?
罪悪感があると、わざわざしんどいほうを選んでみたり、過酷な状況に身を置いたり、自ら幸せから遠ざかろうとすることがあるのです。
なにか嬉しいこと、ラッキーなこと、幸せなことが起きたとしても、自分は悪い人間なのでそれを受け取るわけにいかないのです。(←これが心のなかの状態です。)
すると、せっかく来たチャンスを逃したり、突然ジャマが入ったり、自らぶち壊してみたりということが起こるのです。(←これが外側に起きる状態です。)
こんなふうに無意識的に「自分の心の中と外側の状態を一致」させてしまう。罪悪感は「嬉しい、楽しい、幸せ、安心」などの感情を感じないようにブロックをしてしまうのです。
さらには、幸せに直結するような「愛、豊かさ、成功、喜び、自由、解放」などを受け取ることを許そうとしません。罪悪感は、幸せにならないように、自分の足を引っ張るための感情だと言われているのです。
◆自分は幸せになってはいけないと思う人へ
罪悪感は私たちの日常のなかにあります。たとえば、恋人に別れを告げた、浮気をした、不倫をした、好きでもない人と身体の関係をもった、自分の言葉で誰かを傷つけた、自分のミスで誰かに迷惑をかけた、クレームをもらった、仕事でなにか失敗をした、遅刻をしてしまった、嘘をついた、など。
罪悪感は「自分が悪いことをした」と思う時に、必ず感じている感情です。でも、その感情を感じることは耐え難いので、どんどんその感情を抑圧していきます。
たとえるのならば、散らかった部屋のゴミを無理やりクローゼットに押し込んで、「どうだ!部屋がきれいになったぞ!」と言っているようなもの。表面的には見えなかったとしても、その感情が消えて無くなっているわけではないのです。
なので、罪悪感があると、その罪滅ぼしとしての罰だけはちゃんと受けるという事態が発生するのです。それが「なぜこんなことが起こるのだろう?」「なぜこんな目にあうのだろう?」というような、自分の足を引っ張るような出来事として現れることがあります。
つまり、罪悪感はとても自罰的な感情なのですが、自分で足を引っ張っておきながら、「なんでこんな目にあわなければいけないのか」と被害者のポジションで感情を感じやすくなるのです。
罪悪感というのは、もともとは「自分が悪いことをした」「自分は誰かを傷つけてしまった」というような加害者のポジションにいるときに、本来であれば感じやすい感情です。
なので、自分が罰を受けているような被害者のポジションにいるときに、それが自分の罪悪感からの仕業であるとは、なかなか気が付きにくいのです。
それこそが抑圧された罪悪感が作りだした「罠」にもなっていて、幸せにならないよう、じつに巧妙に足を引っ張っているわけです。
つまり、自分を許さないのも自分であり、もっと重い刑を与えるべきだと思うのも自分であるということになります。あまりにも罪悪感が強い人は、一日のうちでいい気分で過ごしている時間のほうが少ないなんてこともあったりします。
カウンセリングでは、イメージワークを使った瞑想でそうした罪悪感を癒していくことがあります。簡単ではありますがご紹介しますので、エクササイズだと思って試してみてはいかがでしょうか。
- そっと目を閉じてみましょう。あなたは誰に罪悪感を感じていますか?
- イメージのなかで今日はその人に謝ってみましょう。(例:幸せにできなくてごめんね。喜ばせてあげられなくてごめんね。一緒にいられなくてごめんね。)
- 最後にその人の幸せを祈ってあげましょう。
こうしたエクササイズは自分と向き合うためのチャレンジになりますが、根深い罪悪感についてはカウンセラーと一緒に取り組むとより良いでしょう。
(完)