無理な恋愛をしていませんか?

毎回無理を重ねていると疲れ果ててしまいます

こんばんは

神戸メンタルサービスの平です。

恋愛がうまくいかないいちばんの原因は、どうも、感情に対して正直ではないところにあるようです。

飼い主とたわむれているときの子犬は、いかにもうれしそうにしっぽを振りますが、あなたはおつきあいをする前に、大好きな人の前で、その子犬と同じような態度を見せることはありますか?

まず、ありませんよね。「べーつにぃ」という、気のないふりをあえてしてしまったりするものです。

それでも、まだ、好きな気持ちを隠しているだけなら、さほど問題はないのですが、好きな気持ちを隠すために、「なによ、あんなやつ!」と、心とは裏腹に悪い態度をとってしまうことも多々あるようです。

また、心理学では“補償行為”と呼ぶのですが、自分が「嫌っている自分と正反対の自分」に見えるように演出することで、なんとか嫌われないようにしようとすることも私たちにはよくあるようです。

たとえば、自分はネクラでつまらない人間だという思い込みをもっている人は、とにかく、明るくて楽しい人間に見せようと、一生懸命にふるまいます。

そして、それがパートナーに評価されたとしても、あなたの手に入るものは、「よかった。暗い私がバレずにすんだ」というこれだけです。

どんなにがんばっても、無理をしても、達成感や満足感は得られず、唯一、手に入るのは、「嫌われずにすんだ」、「バレずにすんだ」という一時しのぎの感情だけなのですね。

もちろん、毎回、毎回、無理を重ねていると、疲れ果ててもきます。

そうすると、こんどは、「もう、こんな無理な恋愛はしたくない」とか、「どんなにがんばっても私は愛されない」といった思いが出てきて、苦しい恋愛になっていってしまいます。

先日、ご相談をいただいたクライアントの女性は、ものすごく情熱的で、好きな人ができると、24時間でもその人のことばかり考えてしまうようなタイプでした。

ところが、これまでにつきあった人から、「重い」とか「しつこい」などと言われてきたので、今度の恋愛では、できるだけクールに装ったり、自分の時間も大事にしたいなどと彼に伝えたりして、いままでのパターンから脱却しようとしていたのだそうです。

すると、彼も「そうだよね。仕事も恋愛もプライベートも、上手にバランスをとってこそ大人だよね」などと答えましたので、彼女はますます自分を殺した恋愛をすることになっていたのです。

そんな恋愛をしていると、たとえば、彼が今週、どこに行き、だれとなにをしていたのだろうといったことが気になって仕方ありません。

といって、それを根掘り葉掘り聞いてしまったら、元の木阿弥です。

そんな状態に耐えながら、クールにクールにおつきあいを続けて6カ月、なんとかうまくやれていると思っていた矢先に、なんと、彼女は彼から別れ話を切り出されてしまいました。

その理由は、「きみとでは、情熱的な恋愛ができそうもないから‥‥」というものでした。

想像していただきたいのですが、それを聞いた彼女が、どれぐらいくやしがったことか‥‥。

そして、別れるにしても、最後に一つ聞いておきたいと、彼の好みの恋愛のことを質問してみたところ、じつは彼も彼女同様、できれば、べったりとした恋愛をしたいタイプだったというのです。

つまり、彼も彼女も、情熱的な恋を求め、いつもいっしょにいたいと思う二人だったのですね。

にもかかわらず、彼女がクールな恋愛路線をつくってしまったばっかりに、彼女に嫌われたくないと思った彼は、それに合わせた恋愛をしていたようなのです。

そして、半年間、彼もがんばってはみたものの、彼曰く「ヘビの生殺し」の恋愛で、耐えられなくなって、別れを切り出したというわけです。

当然のことながら、彼女は別れるぐらいなら、と、本来の自分のことを彼に伝えました。

しかし、それは彼の怒りに油を注ぐ結果となってしまい、結局、二人は別れてしまうことになったのです。

そして、彼女がこの恋愛から導き出した結論は、「私の恋愛は、私のスタイルで貫かないと、後悔しか残らない」ということでした。

私たちは、好きな人に嫌われたくないとどうしても相手に合わせる恋愛をしがちです。でも、じつは、あなたがしたい恋愛にぴったりのパートナーを見つけることこそが、幸せな恋愛への道だと思いませんか?

あなたが、どんなあなたであっても、そのあなたを「かわいい」と思ってくれる人こそが、あなたの理想のパートナーなのですよ。

では、来週の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。