問題に意味があると気づいた時にわかる「自分が変われば世界が変わる」という視点
前回は、この問題が一人でやらず誰かと共に進んでいくことを学ぶチャンスだとしたら、というお話をさせていただきました。
デッドゾーンの原因である、誰にも頼らず一人でがんばり続けたことを手放していく意欲を持って、誰かを頼る、助けを求めることができるようになった時。
カウンセリングの中で、ここまで進んだ方とお話をさせていただくと、皆さん言われるのが
「どれだけ自分が我慢して、がんばろうとしていたか、やっと気づいた」
「一人の力だけでやろうとしていたか、それに無理があったことがわかった」
こんな思いです。
単に気づいただけなのにも関わらず、本当に楽になったと言われます。
だからといって問題や苦しい状況が大きく変わってない場合もあります。
それでも、
「苦しい気持ちをここで聞いてもらえる」
「一人でやらなくても、誰かに頼って、一緒に考えてもらえる」
この感じだけで、本当に楽になれるのですね。
例えば、浮気などでパートナーと離婚や別れの問題になって苦しんでいる方とカウンセリングでお話しさせていただいた場合。
話し始めの時は、苦しみのまっただ中にいて、パートナーへの恨みつらみを抱えていることが多いです。
今の苦しみは相手のせいになっているのですね。
普通に考えたらそう思うのは当たり前です。
ところが、この連載で書かせていただいたようなお話を私からさせていただき、自分の中で気づきが生まれてくると、相手を責めていたところから、自分の方に意識が向いていきます。
そして
「この問題は相手のせいではなく、誰にも頼らず一人でがんばり続けた、自分の生き方が生んだのかもしれない」
そう思えた時に、デッドゾーンから抜けていく大きな一歩を踏み出したことになります。
この気づきこそ「この問題が意味、学び、成長のチャンス」を実感した時なんです。
相手や状況が変わらない限りこの問題は解決しないと思っていたところから、自分の心を変えることでこの問題を解決していけるかもしれない、と自分自身の力を信頼できるように感じられるからです。
もちろん、段々腑に落ちていくものだし、時には相手のせいにしたり、自分を責めたりという感情の波にのっていきながら、の話ではありますが、このことに気づいているというのは本当に大きな力になるのです。
「自分が変われば世界が変わる」という言葉がありますが、それはこうした意味を表します。
相手は変えられなくても、自分は変えられるかもしれない。
しかも、その変え方が、誰かを頼る、助けを求めるというやり方だとしたら。
今まで自立しすぎてきた人にとっては、発想の逆転、と言えるかもしれません。
だからこそ、今まで自分がやってきたことが全て無駄になってしまうような気がして、このやり方をやりたくない!と感じることが本当も多いんです。
前回、お伝えした「誰かのために役に立てなくなるかもしれない」という思いも重なって、抵抗が出てくることがあるんですね。
もし、そんな風にこのやり方に抵抗がでてきたら、「そんなやり方嫌だ!」「やりたくない!」に正直になりましょう。
いい意味での開き直りをしてるのだ、と思って感じてみます。
やりたくないことは、絶対やりたくない!と素直に感じながらの方がやりやすいのです。
◇「ビジョンを描く」というやり方
最後に、デッドゾーンを抜けていくための方法をもうひとつお伝えいたします。
苦しみを抜けるのに有効なのは、抜けた後のゴールを思い描くこと。
ここに行きたい!こうなりたい!という具体的なイメージがあれば、ゴールに向かっていくモチベーションになります。
先の例の続きで書かせていただくと、今、夫婦問題で苦しんでいる二人には、付き合ったばかりの頃や、結婚したばかりの頃が必ずありますよね。
その頃、二人でどんな夫婦になろう、とか、どんな人生を歩みたいか、とかを語り合った記憶はありませんか?
それを思い出して、紙に書き出してみる。
そして、今の新しいバージョンに書き直したり、加筆したりする。
もし、そんなことを語り合った記憶なんてない!と言われる場合は、これからの二人の幸せを思い描きます。
ポイントは、こんなところにあります。
・私が幸せを感じるのは、どういう時?
・自分が「ワクワクドキドキ」するのはどんな時?何をしてる時?
・どんな自分に成りたい?どんな二人になりたい?
・二人でやりたいこと、行きたい場所は何?
なかなか思い浮かばないときは、モデルになる人や夫婦を探してみてください。
著名人、芸能人でもオッケーです。
最初は、夢物語のように感じるかもしれません。
でも、心の中になりたいイメージを描くことは、とても大切なこと。
スポーツ選手がイメージトレーニングを取り入れているように、有効な方法のひとつなんですね。
何より、こうなりたい、とビジョンを描くことで、気分もよくなり、心が楽しく、豊かになります。
このやり方を進めていくためにも、やっぱり、誰にも頼らず一人でがんばり続けたことに気づいて、それを手放していくことが大切です。
このお話は、私自身が通ってきた道でもあります。
だからこそ、デッドゾーンを抜けていく
そんなお手伝いをさせていただきたいとと私はいつも思っています。
今回の記事がお役に立てたら幸いです。
(完)
- パートナーシップのデッドゾーンを抜けるために大切な「この問題には意味がある」という視点
- デッドゾーンを抜けるために取り組む意欲を取り戻す3つの視点
- 誰も頼らず一人でがんばり続けたから燃え尽きたのだとしたら
- 自分が変われば世界が変わる~幸せなパートナーシップを取り戻すために~