私たちが親になると、やることってどうしても多くなってしまいますね。
あれもこれもそれもやらなきゃ。だってやる人は私しかないんだし。
そうやって多くの親後さんが、たくさんのことを一人で抱えて頑張っています。
確かにそうせざるを得ないことだってたくさんあるし、しんどくても頑張らなきゃいけないことだってあります。
だけど、そればかりだと、楽しむことや、遊び心からはどんどん遠のいてしまい、子どもともっと楽しく過ごしたい想いとは裏腹な毎日になりかねないですよね。
今回はそんなお話です。
■お母さんの罪悪感のお話
・私は悪いという気持ち
久しぶりに友達とご飯に行った。
今日は頑張ったから、自分のための買い物をした。
ずっと行きたかった映画に行った。
そうやって独身時代の頃はまだいろいろと楽しめていたと思います。
だけど母親になると、時々こんなことを言われることがあります。
「あなたはいいわよね。」「今のお母さんは楽だよね。」
独身時代からのお友達かもしれません。
ママ友からかもしれません。
私たちの親、もしくは母親世代の人かもしれません。
言った側にとっては、会話中の一言に過ぎないことが多いと思います。
だけどそういう言葉を聞かされてしまうと、私たち親ってどう思うでしょう。
なんだか悪いことをしているような感覚になりませんでしょうか。
これが罪悪感という感情なんですよね。
すると言った人に対して申し訳ないという気持ちと、同時にその人に対して怒りも出ちゃうものです。でも一方で自分がなんだか親としてちゃんとしてない気持ちにもなるかもしれません。
だけど人ってね。
根っこは本当に優しくて、悪い人になんてなかなかなれないものだからさ。
怒りが出る度合いだけ、瞬時に自分にも思っちゃうの。
「ああ、でもやっぱり私が悪いんだろうか。相手に怒りを感じてしまう私が、それだけきちんと親をしてないんだろうな。」
そんなふうにね。
・罪悪感が自分を楽しませないようにする
「あなたはいいよね。」「あなたは楽そうね。」
私たちはこういった言葉を聞かされると、自分だけが楽をしてて、いろいろ贅沢をしているような、手を抜いているような、そうやって責められているような感じになってしまいますから、多くの方があまり気分は良くないと思います。
「贅沢なんだろうか。楽し過ぎてるんだろうか。」
って。
そしてどこかの誰かと比較が始まります。
「でも確かに私は他のお母さんより楽してるかもしれない。」
「でも確かに私よりも苦労して、きちんとして、遊びに行くような暇なんて全くないくらい、しっかり主婦して頑張っている人はいるだろう。」
とかね。
するとどうなるでしょう。
私もあんまり楽しいことばっかりしちゃダメだ。
もっと頑張らなきゃいけない。もっとしっかりやらなきゃいけない。
悪いことをしたという罪悪感があると、自分にバツを与えるかのように楽しむことをあまり自分に与えないようにしちゃうの。
■罪悪感で楽しめない人たち
・嫉妬してしまう思い
「あなたはいいわよね。」
ではなぜ、時に人は、誰かにこんな言葉を言ってしまうのでしょう。
一つは羨ましさ。嫉妬です。
嫉妬という感情は、自分には手に入れられないと諦めてしまっている時に出てしまう感情です。でも一方ではそれを持っている人に憧れがあるのですが、自分には手に入らないと思う分だけ相手が輝いて見えちゃうの。
だから、マイナス感情で相手を輝かないところに落とすかのように言っちゃうんですよね。
でもそうすると多くの言われた人が、相手の思惑通りに気持ちが落ちちゃうので輝いては見えなくなります。そうすると、
「ほらやっぱりね。あなたも楽しめないでしょう。」って言った側の人たちの言葉は証明されます。それは、その人たち自身が感じている罪悪感。
悪い人間は、楽しんだらいけないのよ。
って証明です。
・楽しめない人たち
「あなたはいいわよね。」
それは一つは嫉妬から。そしてもう一つは言った相手が、人生を楽しむということに罪悪感を持ってしまっているということです。
先ほども言いましたが、罪悪感があると人は楽しむことが出来ません。
楽しんじゃいけない、だって私は悪いヤツだから・・・って。
だから、私もそうやって我慢して来たんだから・・・・、
「あなたもするべきじゃないのよ。」とばかりに、
「あなたはいいわよね。楽よね。」と言っちゃうんですよね。
そうやって自分の罪悪感で、人も罪悪感を持たせてしまう。
そんな自分のことを、言った側も嫌いです。
そして言われた側も、申し訳ない気分になって相手にも怒りを感じて、でも自分も責めてしまって、そんな自分が嫌いになります。
ここから抜けるためにはどうするのがいいのでしょうか。
■自分の人生だから、いつだって堂々と楽しめばいい
・人の罪悪感に振り回されないように
楽しむことも、
楽することも、
悪いことではないですよね。
だけど、どこかで自分が悪いヤツだと思ってしまったら、そんな楽さや楽しさや、自由で嬉しい気持ちも感じちゃダメだと禁止してしまった人は、なかなか自分を楽しむことに許可が得られません。
だけどあなたが楽しめる人ならば、その人の前でこそ堂々としていたらいいんです。
「あなたはいいわよね。」と言われたら、
「そうですね。ありがたいですね。私は好きなことをさせてもらっています。」
それでいいんです。
否定することもなく、反論することもなく、
おかげさまで、ありがとうございます。
そんな姿勢でいいんです。
すると、相手も「ほらやっぱりね。」と証明することが出来ませんし、あなたが堂々と言われることで、
私ももしかしたら、楽しいことをしてもいいんだろうか…
と考えることもあると思います。
あなた自身が何より罪悪感を持たなくても済みますよね。相手の罪悪感に巻き込まれることはなくなります。
そしてね。
あなたが自分の好きなことを楽しむことで、これはお子さんの良い見本になります。
親が罪悪感を持ちすぎてしまうと、どうしてもそばにいるお子さんは、自分も我慢しなくちゃいけないと感じちゃいます。
楽しむこと = 悪いことをしていること
にならないようにしたいですよね。
このお話が、子育て中の皆さんにとって、少しでも楽になる記事であれば小川は嬉しく思います。
12月16日(金)は、高塚早苗カウンセラーです。
どうぞお楽しみに。