■抑圧していた感情に気づくことは素晴らしい
いただくご相談で
「自分が子供を持って、親への不信感や怒りが出てきて辛いです」
というお話しを伺うことがあります。
一般的によく耳にするのは
「子を持って、初めて知る親のありがたみ」
というものですね。
それとは真逆である、親への不信感と怒りのお話しですから、人にはなかなか話しにくいものかと思います。
けれど、勇気を持って話してくださいます。
ずっと我慢して抑圧してきた感情に気づくことは、心の奥底に溜まっていた澱を綺麗さっぱり洗い流せるということなので、今は辛くとも素晴らしいことです。
気づけなければ手の打ちようがないですけれど、気づけば対処のしようがありますものね。
長年溜まっていた澱が洗い流されると、心が軽くなりおおらかな気持ちで過ごせるようになります。
私たちは過去に起こった事実を変えることは出来ませんが、その事実をどのように捉えてどう感じるのかは、変えることが出来ます。
■私の子育て、母の子育て
子供ってこんなにも可愛いいものなんだ。笑顔を見るだけで癒される。
でも、この子が病気になったら私も辛い。この子のためなら、なんでも出来る。
子の親として、私はそんな感情を持つのに母はそうではなかったようだ。
母は、どんな気持ちで私を育てたのだろう。なぜあんなに、私を否定して冷たく当たったのだろう。
理解できないし、不信感と怒りしか出てこない。
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子育てをしているときにふと、自分と母親とのことを思い出すことってあるかと思います。
優しい思い出ばかりで、親に感謝の念を抱けるといいのですが、嫌な思い出ばかりが出てきたとしたら辛いですよね。
子供ってこんなに可愛いのに、私は可愛いと思ってもらえなかったんだ。
どんなことをしても子供を守らなければと思うのに、私は大事に思ってもらっていなかったんだ。
いろんな思いが巡るかと思います。
親への不信感や怒りを感じると、抱えたままでいるのは辛いですよね。
そんなとき、その感情をどう処理すればよいのでしょう。
■感情にフォーカスしてみる
「あんたは、おばあちゃんにそっくりで可愛くないね」
「学年で一番トロイんじゃないの?」
子育てする中で親からのそんな言葉を思い出すと、怒りと共に憎しみにも似た感情が出てくるかもしれません。
子供ってこんなにも可愛いものなのに、なぜ私を可愛がってくれなかったのか?
なぜ、否定的なことばかり言って私を認めてくれなかったのか?
嫌な思い出ばかりが次から次へと出てきてどうしようもない。
そうすると不信感、疑い、憎しみ、敵意、怒り、恨みなど、とても嫌な感情が湧いてくる。
親に対する不信感や怒りの感情が浮上してきたときは、とても気分が悪いかと思います。
けれど、感じる感情に良い悪いはありません。
優しい人や良い子をしてきた人は、親に対してネガティブな感情を感じるだけで自分をとんでもない悪人のように感じてしまうことがあります。
それほど、親を思いやったり認められたかったりと、自分の本当の感情を抑圧して置き去りにして来られたのでしょう。
もし自分を悪人のように感じるとしたら、親に対して負の感情を感じるということと、親を攻撃するということは違う、ということを認識してくださいね。
ただあなたの中にその感情が在る、ということだけです。
その感情だけにフォーカスしてみましょう。
今、強く出てきたがっている怒りや悲しみの感情を止めずに感じてあげよう、そう自分自身を受け止めてみましょう。
そうするとその苦しい感情は、暴れていた怪獣が納得して大人しくなったかのように落ち着いてきます。
■大人の目線で親を見る
子育てをしていると、本当にたくさんの壁にぶつかります。
お腹に子を宿したときから親になる不安は感じるし、子供が産まれてからは戸惑うことばかりで自分を責めることも一度や二度では済みませんよね。
子供が成長するとともに母としても人としても自分の不完全さを思い知る、みたいなことも多々あります。
けれど、そんな風に壁にぶつかったときに自分の親を理解できることも多いのです。
親も自分と同じように不完全な普通の人間だったのです。
なので、親への不信感や怒りを処理するには 『大人の目線で親を見てみる』 ということも大切です。
自分に余裕がなくて、上手く子供を愛せなかったとき
「あのときのお母さんも、お祖母ちゃんとの同居でストレスが溜まっていたのかも」
「お父さんの浮気問題で余裕がなかったのだろうな」
と、親を理解するチャンスでもあります。
大人の視点で親を見てみるのは、あなたが親への苦しい感情を手放すのに効果的です。
まとめると、親への不信感や怒りなどネガティブな感情を処理するには
・親に対して感じる感情をジャッジせず、ただ感じる
・親を大人の目線で親を見てみる
ということになります。
「モヤモヤはするけど、親にどんな感情を持っているのかワカラナイ」
「自分では処理しきれない」
という方は、ぜひカウンセリングをご利用ください。
心に溜まった澱を洗い流すお手伝いをさせていただきます。
家族の中でお母さんという存在は太陽のようなもの。
それくらい大きな存在です。
お母さんは、とても影響力があるのです。
あなたの心がクリアになって子育てを楽しめますように。
来週12月30日(金)の掲載は、お休みさせていただきます。
今年もご愛読いただき、ありがとうございました。
どうぞ、良いお年をお迎えくださいね。
新年が明けて1月7日(金)は、那賀まきカウンセラーがお届けします。
どうぞ、お楽しみに。