今年も残すところ、あとわずかになりましたね。
私はこの時期になると、スケジュール帳の1月のページから順番に開いてみるんです。
「こんなこともあったね。この一年、私がんばったんじゃない? 怖かったけど、チャレンジもしてきたよね。」
すっかり忘れてしまっていることもあったりして。だからこの一年の自分のこと、もう一度ちゃんと見てあげるんです。
私はこの12月に、カウンセリングサービスの感謝祭で、初めて講演をさせていただきました。
講演依頼のメールを見たときは、驚き過ぎて「えええーーっ」と声が出てしまったくらい。
まさか自分が感謝祭で講演するなんて、思ってもみませんでした。
初めて私が感謝祭に参加したのは5年前のことです。
心のことに興味を持ち始めてはいたけれど、心理学を学ぶことになるとはまだ少しも思っていない、一人のお客さまとして参加をしました。
あのころの私には、「自分が何者なのかわからない」という漠然とした思いがあって、それがどこから来るのか、まったくわからないでいました。
人の顔色を伺ってばかりいて、自分の思いを表現することができませんでしたし、人と自分を比べて自己嫌悪して、ひどい言葉を自分にたくさん突き刺していました。
光の差さないモノトーンの世界に、ただ漂っているような感覚でした。
「何のために生きているんだろう」そんなふうに思っていたんです。
そんなときにたどり着いた感謝祭。
カウンセラーさんたちはとても輝いて見えました。
自分とは違う、真逆の世界にいる。イキイキして、キラキラ輝いて見えました。
感謝祭で、カウンセリングサービスの母体が神戸メンタルサービスだということ、そこにはカウンセラー養成コースというものがあることを知りました。
そのカウンセラー養成コースの無料説明会に参加したときのこと。
「自分の分解掃除をしてください」という言葉に、自分のことが何かわかるかもしれないと、私の心に希望の光が差したことを覚えています。
あれから5年。自分の分解掃除を続け、本当の自分を見つけること、そして受け入れることに向き合ってきました。何者なのかわからなかった自分のことも少しづつわかっていきました。
人の顔色を伺う、人見知りしてしまう、自分の思いを表現できない…それは、「自分がどうしたいのか」ではなくて、「相手が何を望んでいるのか」で行動していたから。その相手というのは、私が幼かったころの父のことでしたし、母のことでした。
相手の望んでいることばかりを気にしていましたから、自分が何を感じているのかは重要ではありませんでした。
そうやって自分の感情はないがしろにして押し込めて何十年も過ごしてきましたから、自分が何を感じているのか、どうしたいのかがわからなくなってしまっていたんです。
自分の意思がないから、ただ漂っているように生きていて。
そんなことをずっとしてきたから、自分が何者なのかわからなくなってしまっていたんですね。
心のことを学んでいくと、「だから私ってこうなっているんだ」と、この自分のストーリーに気づくことが増えていきました。
父や母のことを思って、自分の気持ちを感じないように我慢していたのは、父に笑っていてほしかったからだったし、母の手を煩わせたくなかったから。
私の中に、両親への愛があったのを見つけられたんです。
自己嫌悪ばかりしてきたけど、本当の私の中には愛があるんだと思えるようになっていきました。
そうやって、時間をかけて少しづつ、本当の自分を探して見つけることをやってきました。
気がつけば、人の顔色を伺ってしまう、人見知りをして自分を表現できなかった私は、カウンセラーになっていました。
5年前感謝祭に初めて参加している私に、
「ねぇようちゃん、5年後の感謝祭であなた講演するんだよ」って伝えに行ったら、どんな反応をするでしょうか。
きっと「うそー!信じられないそんなの!」って言うに決まってます。
こうも言うかもしれない。「じゃぁ、どうしたらそんな風になれるの?」って。
今の私ならこう答えます。
「別の自分に変わりたいってずっと思ってきたけど、そうじゃなかったみたい。本当の、本来のあなたを見つけて、本当のあなたを外に出してあげることが大切なんだと思うよ」って。
本当の自分って、私たちの中にずっとあるものです。
本当の自分に気がついてあげて、受け入れてあげられたら、あの5年前の感謝祭で私が見た、イキイキとキラキラ輝いているカウンセラーさんたちのようになれるんだと思うんです。
本当のあなたでいられることが多くなればなるほど、自分の存在価値を感じられるようになっていくのではないでしょうか。
私は今、自分と同じように悩んでいる人に希望の光を差すために生きていると思えるんです。
私のカウンセラーになってからの流れは、どんどん加速していって、どこにたどり着くのか自分のことながらわかりません。
でも、どこにたどり着くのかわからない、本当の自分を探す旅を、これからも楽しみたいと思っています。