私が二人目を妊娠する前の話です。
二人目不妊で悩んでいました。そのぐらいなかなか授かりませんでした。しかし途中、実は規則正しくきていた生理が来ない時期がありました。
妊娠チェッカーでうっすら線も出て。
「やった!妊娠かも!!」
その矢先に、出血。
診断を受けてはいませんでした。命が宿ってくれていたのか、確認はできませんでした。助産師さんの友人にそのことを話すと
「流産しちゃったのかもしれないね。赤ちゃんがもしおなかにいてくれたとしたら、幸せだから大丈夫だよ。お体を、大事にしてあげてね」
と、話してくれました。
私は泣きました。でも、当時の私は、1人目育児に毎日必死でもありました。
「しょうがない。毎日、やることやらないと」
と、自分自身に言い聞かせていました。でも、妊娠を期待したぶんの喪失感はかなり大きかったです。知らないうちにおそらく、ものすごく自分を責めていた時期がありました。
そんな経験があるからか、今、私はカウンセリングでいろいろなご事情から
「赤ちゃんの命がお空にかえりました」
というお話を伺う機会ことが少なくありません。
■身が裂けるような痛みや苦しみ
どのようなご事情があったにせよ、赤ちゃんがお空にかえる経験は、どれだけ親御さんにとって、悲しく、身が二つに裂けるほどの痛みや苦しみを感じるのか。カウンセリングをしながら、クライアントさんの感情をクライアントさんも、私自身も感じて、お互い涙が止まらなかったこともあります。
どれだけ、本当は赤ちゃんに会いたかったのだろう。
どれだけ、本当は、赤ちゃんを抱き締めたかったか。
赤ちゃんとの生活がもしできたとしたら、どれだけ、楽しかっただろうか。
親御さんが誤解から、無意識に、どれだけご自身のことを責めていらっしゃるのか。そして、その痛みや苦しみさえも
「どうしようもなかったから」
と、蓋をしてしまうことも少なくないと、私は感じています。
・ご自身を、責めないであげて、ほしいのです。
心というものは、目に見えません。でも、その痛みや苦しみ。目に見える体の怪我だとしたら。どれだけ、傷だらけになっているのでしょうか。息をするのも、やっと……というほど、本当は傷ついて、いらっしゃるのかもしれません。蓋をすることが、必要である場合も多いのだと思います。ただただ、ゆっくりと、暖かくして、ただただ体を休むことが必要なのかもしれません。向き合うつもりが、自分を責め続けてしまうことも、少なくないからです。
■目の前に、その傷だらけの自分がいるとしたら……
時が満ちて、
「この悲しみの出来事に向き合い、癒す時期がやっときた」
と、感じていらっしゃるのだとしたらです。
こんなふうに想像してあげてみてほしいのです。目の前に、当時の、傷だらけの自分がいるとしたら。今のご自身はどうしてあげたいですか。本当に本当に優しい言葉を、自分にもし、かけてあげるとしたら…。本当は何て伝えてあげたいですか。
「辛いよね」
かもしれません。
もしくは
「いっぱい責めて、ごめんね」
かも、しれません。
「本当に、辛いよね。私、辛い。悲しい」
なのかも、しれません。
「私は、精一杯、頑張ったよ。今は、ただただ、泣いていいから。無理してきた。今はもう、とにかく無理しないで、泣くだけ泣いていいよ」
なのかもしれません。
・言葉はなくても、いいのかも
「言葉じゃなくて、あの当時の私を、抱きしめてあげたい。本当に辛かったから」
そんなふうに、お伝えくださる方も、いらっしゃいます。
今はただ、
「ご自身を責めることなく、ご自身の痛みを、悲しみを、喪失を、ただただ涙してあげる」
が時間が必要なのかもしれません
1人で抱えるには、辛い大きな出来事でもあると思います。
■私たちはみな、大切な人を幸せにしたいと願っている
「赤ちゃんがお空にかえった」
というお話しするのも痛みが強く、苦しいときもあるかと思います。そんなときは、無理をなさらないであげてください。そして、必要なときがきたら。どうか、一人で抱え込みすぎないであげてほしいなと、思います。
例えば、パートナーや親御さん。お近くにもし経験者の方がいらっしゃればその方。もちろんカウンセラー等、どなたかに頼れるのであれば、頼ってあげてほしいなと、私は本当に願ってやみません。
なぜなら、私たちはみな、大切な人をただただ本当に幸せにしたくて、笑顔にしたくて、自分自身も幸せにするために、命をかけて地球にやってくるからです。きっと、今、あなたが生きながらに、この身が裂けるような痛みや苦しみをたった一人で抱え込んでいる姿をしていたとしたら。身近な人も
「気づいてあげなくてごめん」
かもしれませんし、
「辛かったら、いつでも頼ってほしいのに!」
と、思ってくれているのではないかなと、思うのです。
「大切な人を、幸せにしたい。笑顔にしたい」
それは、ご自身も、同じなのだと思います。だからこそ、この出来事で、本当に苦しまれているし、痛み、悲しみのなかにいらっしゃるのだと思います。
そして、大切な人を幸せにしたい、笑顔にしたいと、思っているのは、おなかに宿った赤ちゃんもまた、同じなのだと私は思っています。
・おなかに宿ってくれた赤ちゃんの願い
「パパとママのもとに来て、楽しかったよ。ママのおなかの中、とってもあたたかくて、安心感でいっぱいだった。でもね、今回は、お空に戻るね。そのことで、どうかどうか、苦しまないで。せっかくパパとママに会えたんだもん。私を、傷や痛みのシンボルにせずに、私がパパとママの幸せな姿を、お空で楽しみにしているということがどうかどうか、パパとママに伝わりますように。パパママ、愛してるよ!」
そんなふうに、無条件の愛のまなざしで、赤ちゃんは言ってくれているのではないかなと、私は思ってやみません。
みなさまの何かのお役に立てることがあれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
来週は、小川のりこカウンセラーです。
どうぞお楽しみに。