”がんばらない”がどういうことか分かりません。

相談者名
kaho1224
30代後半正職員。
私は幼少期から周りの大人に「他の子が1頑張ればできることをあなたは10努力しないとできない」と言われ続けてきました。実際にそうでした。
なので、自然と、精一杯努力して頑張ってやっと認められる、という認識が当たり前になりました。
今の職場(3年目)がとてもハードで、体を壊すことが多くなりました。
一度起き上がれなくなり1ヶ月休職させてもらったこともあります。
職場では、「いつも120パーセントを目指していたら、そりゃ体壊すよ」「あなたは全力すぎる、もっと力を抜いていい」等言われます。
ですが、どうすればいいのか分かりません。
今の職場は、会議や講演会の司会をすることが多く、そこに来られた方々のことを思うと、「”来てよかった、いい時間だった”と思ってくれたら嬉しい」と言う気持ちから、自分にできることを全力でやろう、と頑張ってしまいます。
それは私にとって当たり前のことです。
が、結果、翌日は体全部に砂がつめられたように重く、朝起き上がるまでにかなり時間がかかり、耳が詰まったようになります。そのまま休んでしまうことも多いです。
今の職場はマルチタスク主義で、睡眠薬等を服用しながら働いている同僚もいます。
やりがいはあり、講演者からは「あなたの転職ですね。あなたの魔法にかかったようにすごく楽しい時間だった」「あなたの司会がとても上手で分かりやすかった」と言葉を頂くこともあり、頑張ってよかったとその度に思います。
ですが、心の中には「早く辞めたい」「穏やかに生活したい」「このままでは心が死んでしまう」というSOSもずっと鳴り響いています。
『来週には、辞めさせてと言おう』と思いながら、この3年間やってきました。
このまま、休日は寝込み、なんとか起き上がって仕事に行き、また倒れ…の繰り返しの人生を送るのは、私の送りたい生活ではありません。
夫は「辞めていいんだよ」と優しく言ってくれます。私もゆっくりしたいです。
上司には「あなたのしんどさは業務の問題というより、あなた自身が原因」と言われます。
私は退職し、週3くらいのパートに切り替え、穏やかに生きたいという思いがあります。
私はHSP型HSEが顕著です。
このまま辞めても、同じことを私は繰り返すのでしょうか?
私なりに頑張っても余裕のある生活を目指すほうがいいのか、今の職場で“頑張らずに頑張る”方法を見つけるほうがいいのか。混乱しています。
誰か助けてほしいです。
カウンセラー
すのせさちこ
kaho1224さん、初めまして。
ご相談いただき、ありがとうございます。
今回担当させていただきます、すのせさちこと申します。
どうぞよろしくお願いします。

kaho1224さんは、”がんばらない”がどういうことか分からないくらいオートマチックに頑張り過ぎてしまうのですね。

幼少期から周りの大人に「他の子が1頑張ればできることをあなたは10努力しないとできない」と言われ続けていれば、頑張りすぎる癖が染みついてしまっているのも無理もないと思いますが、心の中で「早く辞めたい」「穏やかに生活したい」「このままでは心が死んでしまう」というSOSがずっと鳴り響いているのに、頑張りすぎる自分を止められないのは相当しんどいですよね。

頑張ることでお客様が喜んでくださり、仕事にやりがいを感じているだけに、辞めたいけど辞める決心がなかなかできない部分もあるのかもしれません。

今の職場で体を壊しやすくなったということは、以前はいかがだったのでしょうか?
仕事で頑張り過ぎてしまうけど、体の不調はなく、「私なりに頑張っても余裕のある生活」を過ごせていたのでしょうか?

もしそうであれば、kaho1224さんが望んでいらっしゃるような「退職し、週3くらいのパートに切り替え、穏やかに生きたい」という方向へ動いても良いと思います。

今の職場はマルチタスク主義で、睡眠薬等を服用しながら働いている同僚もいらっしゃるようなので、職場環境的にハードなのは間違いなく、今の職場にいる限りkaho1224さんは“頑張らずに頑張る”方法を見つける方にエネルギーを注げないのではないかと思うのです。

幸いにして旦那様はkaho1224さんの状況を理解し、「辞めていいんだよ」と言ってくださっているわけですし、今のお仕事を辞めて、まず心身の健康を取り戻すことを私はお勧めします。

その上で、頑張り過ぎて心身や生活に支障をきたすようなら、頑張りすぎる自分を変えていくことにチャレンジされるといいと思います。

とはいえ、「早く辞めたい」「穏やかに生活したい」「このままでは心が死んでしまう」という心のSOSに気づきながらも辞める決心がつかないのは、前述したように仕事にやりがいを感じている部分もあるでしょうし、周りに迷惑をかけると思って辞められない部分もあるのでしょうね。

加えて「このくらい頑張らないと私には価値がない」と思っている部分もあるのかもしれません。
幼い頃から「他の子が1頑張ればできることをあなたは10努力しないとできない」と周りに言われ続けていれば、そう思ってしまうのも無理もないのですが、「このくらい頑張らないと私には価値がない」は誤解なので、そこは書き換えていきましょう。

少なくとも「他の子が1頑張ればできることをあなたは10努力しないとできない」と言われていたのは子供の頃であり、今のkaho1224さんはそうではない、ということは確かです。

職場で、「いつも120パーセントを目指していたら、そりゃ体壊すよ」「あなたは全力すぎる、もっと力を抜いていい」等言われるということは、今のkaho1224さんは人の10倍頑張らないといけないわけじゃないことはお分かりになりますよね?

”がんばらない”がどういうことか分からないということですが、kaho1224さんが「ここまでしないといけない」と思っていることの一つでも二つでもやらない選択をしていくのが”がんばらない”ということです。

kaho1224さんが「10やらないとお客様に喜んでいただけない」と思っているとしたら、それを9〜1に減らすこと、といえばわかりやすいでしょうか?

今のkaho1224さんは、9〜1に減らしたとしてもお客様に喜んでいただける仕事をなさっているのですが、「10やらないとお客様に喜んでいただけない」と自分が思っているので、やることを減らす選択ができない状態なのだと思います。

「やらなければいけない」と思っていることをやらないのは、すごく怖くて勇気がいることですが、まずは何か一つでもやらない選択をしてみることが、”がんばらない”ということです。

「9〜1に減らしても大丈夫なんだ」という経験を少しずつでも積み重ねてほしいと思います。

”がんばらない”の第一歩として、今の会社を辞める選択をなさってもいいと思いますよ。

そして”がんばらない”自分でも大丈夫と思たら、また今の職場に復職したり、同じ業種に就くという選択もありますので、まずはご自分の心身の健康を取り戻してくださいね。

kaho1224さんが心穏やかな人生を送れることを祈っています。
ご相談、ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大学卒業後、地元企業に就職し、デザイン・経理・総務・秘書・営業事務等の業務を経験。不惑にしてカウンセラーを目指すために転職。離婚も含めた人生経験をベースに、楽になる物事の受け止め方を提案する。生き方やライフワーク、メンタルヘルス、パートナーシップ全般の問題を得意とする。