愛されるために作ったルールとは?
◆「愛されるためには〇〇しなければいけない・〇〇してはいけない」=恋愛のルールになる観念
私たちには、親に愛されるために作った観念があります。子供の行動心理は「どうしたら親に愛されるのか?」からスタートしています。なぜならば、子供は親にも見捨てられたら生きていけないからです。そのため親に愛されるための言動が多くなります。
子供の頃の私たちは、感情そのものだった時代があります。良い悪いの区別がついていないので、たくさんの欲求がありました。子供は「こうしたい、こうしたくない」という素直な気持ちがあるだけで、良い悪いのジャッジがありません。
では、良い悪いの区別はどこで学ぶかというと、親の発言や顔色から学んでいきます。「これをすると親に怒られるんだな。これをすると親に褒められるんだな」と親を見ながら、して良いこと悪いことを学んでいきます。
そして、その経験から「親に愛されるための観念」をもつようになります。
たとえば、欲しいものを欲しいと言わないと、いい子だねと愛される。したいことをしないで我慢をしていると、よく我慢ができたねと褒められる。遊びたいけれども大人しくしていると、ラクで助かるわと喜ばれる。勉強なんてしたくないけれども、テストでいい点を取ると頭を撫でられる。
それはとてもうまくいくのです。それをすれば親から愛されるので、愛されるための成功法則にもなっていきます。
みなさんは、親から愛されるための観念は、どんなものがあるでしょうか?
「愛されるためには〇〇しなければいけない・〇〇してはいけない」に当てはまるものがあれば、書いてみましょう。
私にはこんなものがありました。「愛されるためには、言う通りにしなければいけない」というものです。
なぜこの観念をもったのかなと思い出してみると、父の口癖が浮かんできました。「親に口答えをするな。俺がダメと言ったらダメなんだ。子供は親に従えばいいんだ」と。
お父さんに愛されたかったら、お父さんの言う通りにしなければいけない。私はこの観念がかなり強固にありました。そんな私が、進学をする、就職をする、結婚をするなど、人生の大きな決断をするときに、どうなったと思いますか?
そう、いちいちお伺いを立てるわけですね。なんでも相談をして、お父さんの顔色で判断するようになるんです。私は歴代の彼氏を全部お父さんに紹介をしました。だって「お父さんがダメと言ったらダメ」なんですから。
ここで皆さんに知っておいてほしいことは、親から愛されるために作った観念は、大人になってからの恋愛でも使いやすいルールになるということ。
私の例でいうのなら、「彼の言うことはなんでも聞かなければいけない」「彼がダメと言ったらダメ」と彼の顔色を見て、自分のふるまいを決めていくようになるのです。
皆さんはどうですか?こうすれば愛されるというルールを、パートナーに愛されるためのルールとして使い続けていないでしょうか?
◆観念の書き換えをしてみよう
では、実際に観念の書き換えをしてみましょう。
先ほど書いていただいた「愛されるためには〇〇しなければいけない・〇〇してはいけない」を使ってやってみたいと思います。
- 自分が書いた観念を眺めてみましょう。そして問いかけます。「この観念は私を幸せにするだろうか?」と。
- もし「これは私を幸せにしない」と思うのであれば、書き換えてみましょう。コツがひとつだけあります。それは「してもいいし、しなくてもいい」とゆるく書き換えること。
<書き換え前の例>
「愛されるためには、なんでも言う通りにしなければいけない」
<書き換え後の例>
「愛されるためには、言う通りにしてもいいし、しなくてもいい。相談することがあってもいいし、自分で決めることがあってもいい。相手に合わせてもいいし、合わせないことがあってもいい」
こんな感じです。「そうしてもいいし、そうしなくてもいい」くらいのゆるさで書き換えることがコツなので、やってみましょう。
人はどうしても知っている自分に戻りたがります。大きく書き換えようとすると、「自分らしくない」「いつもと違う」と感じて抵抗が出やすくなります。
そのためには「こうあるべき」という思い込みを、「こうでもいいし、こうでなくてもいい」という選択肢がある状態に書き換えてあげると、抵抗感が出にくくなります。
観念とは「こうあるべきだ」という強い思い込みなので、一択しか選べない考え方なのです。なので、選択肢がある状態にゆるめてあげると良いわけです。
(続)
- 思い込み、こだわり、決めつけ、見えない心の鎖を外そう
- 観念はあなたの癒すべき心の傷を教えてくれる
- 親に愛されるために作った観念は、恋愛のルールになりやすい
- 「どうせ自分は〇〇だ」観念から自分を解き放つための実践編