新しい観念を受け取るために
◆観念を解くための実践編
観念の心理について4回シリーズでお届けしてきました。今回は最終回として観念を解き放つための実践編です。
今回は自己否定的な観念についてのあぶり出しをしてみましょう。少しお時間をとって書いてみましょう。たとえば次のようなものが自己否定的な観念になります。
「どうせ私は〇〇だ」
「私は〇〇にはなれない」
「自分には〇〇がふさわしい」
「仕事とは〇〇だ」
「結婚とは〇〇だ」
「どうせ私は一生貧乏だ」「私はお金を稼げない」「自分には一生独身がふさわしい」「仕事とは苦しいものだ」「結婚とは苦労だ」などが出てくるかもしれません。
これらの観念を解き放つための方法を3つほどご紹介します。
●自分がやりたいことをすでにやっている人と関わる
まずひとつめは「自分がやりたいことをすでにやっている人と関わる」です。いわゆる「憧れの人」と関わってみることをいいます。
お金を稼ぎたかったらお金持ちの人と仲良くなる、憧れのパートナーシップをもっている人に話を聞きに行く、人気者になりたかったらそういう人と友達になってみる。
「自分とは違うから」なんて思わないでほしいのです。だって同じ人間だから。この人たちも最初から上手くいったわけではなくて、きっと観念の枠を壊してきた人なのだろうと。
そういう目で見て、そういう人と関わるうちに、だんだんと制限の枠が外れてくることを感じられることでしょう。「そうか、こういう生き方もあるんだな」と。
そういえば、子供がなりたい職業のトップ3にランクインするのはYouTuberですが、子供には「ああなれない」という観念がありませんから、簡単にビジョンにしてしまうわけですね。
●自分とはまったく違うタイプの人と関わる
ふたつめは「自分とはまったく違うタイプの人と関わる」です。
正確にいいますと、まったく違うタイプの人とは関わりにくいので、無理して関わらなくてもいいのですが、ぜひ興味をもっていただきたいのです。
自分とはまったく違うタイプの人のことを「シャドー」といいますが、あなたが抑圧したり禁止している要素をもっている人である可能性がとても高いのです。自分とかけ離れた人と関わることは、じつはもっとも観念を壊しやすいといわれています。
「もしかしたら、この人は私がもつことを許していないものを、当たりに前もっている人なのかもしれない」という目で見てほしいのです。ほんのわずかでもいいので会話をしてみると、その一端に触れることができるでしょう。
私たちは案外、自分と似た人と付き合うことを心地よく思うものです。ときには思いきってその枠から出てみると新しい発見があるかもしれません。
●イメージを使って手放す
最後にイメージを使う方法もご紹介します。
先ほど書いた観念のどれかをギュッと掴んで、手に握るようなイメージをしてください。これが今、自分にふさわしいと握っている、セルフイメージなのです。
あなたの手の中にあるのは、あなたのセルフイメージです。長い間、あなたはそれを握りしめてきました。
もしそれをあなた以外の人からもらったとしたならば、その人はきっとあなたのことを守りたかったのです。あなたは私のようにならないでね。そう言い伝えることで、あなたを守りたかったのです。
もしそれがあなたの傷ついた経験から作ったのであれば、その観念はそうやってあなたのことを守ってきたのです。冒険しないことで二度と傷つかないように、あなたを守ってきたのです。
この観念は長いことあなたのそばにいて、あなたのことを守り続けました。あなたの役に立ちたかったのです。
でも、もしこの観念が古くなっているのだとしたら、今のあなたには必要がないのであれば、もう似合わなくなっているのであれば、手放してもいい頃です。
あなたがその手に握っている観念に、感謝の気持ちを伝えてください。「今まで私を守ってくれてありがとう」と。
そして、その手をそっとゆるめてください。すると、握り締めた言葉があなたのもとから離れていきます。あなたの手にはもう何もありません。もうしがみつかなくても良いのです。
もしよかったら考えてみましょう。「手放したこの手に、私は何を手に入れようかな」と。
「私は〇〇してもいい」
「私は〇〇になってもいい」
それを言葉にして何度も繰り返してみましょう。心に刻んでください。これが、あなたの新しい観念になります。
あなたが思うままに思うことを。これがふさわしいのだと受け取りましょう。
(完)
- 思い込み、こだわり、決めつけ、見えない心の鎖を外そう
- 観念はあなたの癒すべき心の傷を教えてくれる
- 親に愛されるために作った観念は、恋愛のルールになりやすい
- 「どうせ自分は〇〇だ」観念から自分を解き放つための実践編