あなたの心が教えてくれること

じつはウブだということがバレることを恐がっていた彼女は・・・

こんばんは

神戸メンタルサービスの平です。

先日、ある女性のクライアントさんから「彼氏ができました!」といううれしい報告をいただきました。

つきあって3カ月ほどとのことですが、超ラブラブで、早くも結婚の話も出ているそうなのです。

もちろん、つきあいはじめのロマンスの時期はだれだってラブラブなわけですが、このまま無事、ゴールインしていただければと祈ってやみません。

彼女は私立の女子校で、エスカレーター式に中学から大学まで行ったお嬢様です。

女子校だったこともあり、高校時代までは男性とおつきあいすることはなかったそうですが、大学のころからは、コンパや友だちの紹介で出会ったいろいろなボーイフレンドとおつきあいしてきました。

ところが、彼女の恋はいつもうまくいかなかったのです。

彼女はとてもまじめなおうちのお嬢さんで、しかも、きょうだいは女性ばかりの3人。

すべて彼女と同じ女子校で、しかも、キリスト教系の学校だったのでとてもまじめだったわけです。

彼女はボーイフレンドができても、「半年間はけっして体は許さない」と決めておつきあいをしていました。

なかには、彼女にとってほんとうに理想のタイプといえる人もいたのですが、二人の関係がどれだけ情熱的になったとしても、彼女はこのルールを厳密に守り、男性からの誘いをかたくなに断り続けたのです。

最初のうちは、男性も理解を示してくれたようです。

しかし、二人の間がどんどん親密になり、いちばんロマンチックな気分になる3カ月過ぎぐらいからは、いつもこのことでケンカが絶えなくなってしまいました。

ケンカするたびに、彼女は、「やはり男性は私の体だけが目当てなんだ‥‥」と考え、一方、男性側は「ほんとうに自分は愛されているのだろうか?」と彼女への疑いを深めていきました。

そして、双方が「もういい!」となって、男女関係が終わることが多かったようです。

彼女は、今年で24歳。

まわりの人からはちょっと派手めに見られるほうで、そんな自分が処女のままだということが、新しいコンプレックスになっていました。

そもそも、男性とのつきあい方について、彼女が前述のような考え方をもっているなどということは、彼女に親しいごく一部の人しか知りませんでしたし、まして、何人ものボーイフレンドとおつきあいしたことある彼女がいまだに処女だとは、だれも知らないわけです。

彼女はもちろん、女子校育ちの“耳年増”ぶりを発揮して、まわりの人たちと話を合わせることはできたものの、なにぶん体験が伴わないわけです。

しかも、自分がじつはウブだということがバレることを恐がっていますから、ますます恋愛に奥手になってしまっていたのです。

そんな彼女にこの夏前に出会いがあり、彼からの猛アタックを受け、久しぶりに男性とのおつきあいが始まりました。

そして、少しして彼が彼女の体を求めてきたとき、彼女は「6か月間はけっして許さない」といういつものルールの下に、彼を拒絶したわけです。

すると、彼は彼女にこう聞いてくれたというのです。「自分の心に嘘はついていない?」。

こんなふうに言ってもらったことは一度もなかったので、動揺する彼女。その彼女を見ながら、彼はさらにこうこう言ったそうです。

「ほんとうに“もう少し時間がほしい”とか“まだまだ決められない”とか、きみが心からそう思っているなら、それでいいんだよ。でも、僕の心は、きみがいま僕ともっと親密になりたいと思っているように感じる。なのに、なぜ、拒絶するの?」。

その言葉を聞き、彼の顔を見た瞬間に、彼女は子どものようにわんわんと泣いてしまったです。

そして、彼女曰く、「パンツを脱ぐより恥ずかしかった」そうですが、これまでの自分の考え方、いまだに経験がないことなどをすべて彼に話したのです。

彼は、彼女の話のすべてを、うなずきながら聞いてくれました。

そして、「ものごとの見分けがつかない時代ならば、それは大事なルールかもしれない。でも、きみはもう大人だよ。どんなことであれ、経験することを恐がっていたら、人生は前に進まないじゃないか」と、やさしく言ってくれたそうです。

その日は彼はなにもせず、彼女を家まで送ってくれたそうですが、彼女曰く、「その夜から、もう、彼に抱いてもらいたくてたまらなかった」そうです。

そして、冒頭のラブラブな話に戻るわけです。

このケースとはまったく逆に、一見、ものすごく誠実そうな彼に見えていながら、なぜか、あなたの心が危険信号を発することもあるものです。

といっても、だれでも最初からそんなアンテナを持っているわけではありません。

それで、私はよく女性のみなさんに、「ショッピングと恋は、失敗するたびに目利きの腕が上がる」と言ったりしています。

では、来週の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。