「相手は断れないかもしれない」と思うから頼れない
●相手は無理して引き受けるかもしれないという発想
頼ることを(助けを求めること)が苦手という方とお話をしていると、その理由として、頼ると相手に負担をかけてしまうんじゃないかと思って遠慮をしてしまうというお話を伺うことがあります。
なるほど!
負担をかけてしまうでは?と思うと遠慮してしまう気持ちは私なりですがわかります。
負担があるのか?負担がないか?の二択のカテゴリーにわけて考えると負担はあるかもしれません。
しかし、多少の負担があっても力になりたいと気持ちのほうが強い場合もあるでしょう。
負担があっても力になりたいと思う人はいるのでは?
そのことを尋ねると、そういう場合もあるかもしれないとこと。
しかし、相手にとって負担が多きく都合が悪くても無理して引き受けてしまう人もいる。
都合が悪いのを隠して、無理して引き受けてくれることになった場合は申し訳ない、その場合も大いにあると思うので頼りにくいとのこと。
皆さんはこの内容を読んで疑問に思うところはございませんでしたか?
疑問はでてこず、「そうそう、分かるなぁ」のみ思われた方は、もしかしたらあなたにも今回の記事のこの後にでてくるテーマはあなたにも関係あるかもしれません!
●投影の法則が働いている
上記の内容を話している頼むのが苦手と言われている方は、相手も負担が多きく都合が悪いのであれば断るだろうという観点が薄く、断りたい気持ちがあっても無理して引き受けるかもしれないという観点が強い考え方のようです。
よくよく尋ねると、ご自身が頼られると、頼られたことが負担が大きくご自身にとって都合が悪くても断るのが苦手ということが判明したりします。
ご自信が断るのが苦手で、本当は断りたくてもそれを言えず、無理して引き受けてしまうように、他の人も断れない気持ちを隠して無理して引き受けてしまうんじゃないかという発想をしてしまっているのです。
これは心理学では投影といいます。
ご自身の心の動きを他の人も当てはめてみているのですね。
このような話をしている時に私は、「頼られると断れずに引き受けてしまう人ももちろんいますが、頼られて都合が悪ければ断れる人は結構いらっしゃるみたいですよ」とお伝えすると「本当にそうなんですかね・・・断れずに無理する人が多いんじゃないですかね???」という反応をいただくことがあります。
ご自身の投影の発想からなかなか抜けでれないくらい投影の心理が強く働いてしまう人もいらっしゃいます。
●テーマは信頼!
このタイプの方は、頼ることが苦手を克服するために、“相手は都合が悪ければ断る権利があり、それができる力があることを信頼する”ことがテーマになります。
そして、それを信頼しやすくする為に、ご自身が都合が悪い時は断れるようになることをテーマとしましょう。
そうすると投影の心理に変化が生じて、相手も都合が悪いと断れるであろうということを信頼しやすくなりますから。
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しかしながら、中には頼られると都合が悪くても断るのが苦手というタイプの方もたしかにいらっしゃいます。
だけど、断れない気持ちを隠して無理して引き受けてしまうんじゃないかということを気にされている方は、そのことに繊細になってあげれる配慮の持ち主でもあります。
断れない人の気持ちがわかる才能です。
ですので断りにくい人への配慮に意識をまわせる能力もあるでしょう。
例えば、何かしら頼ることがあっても「もし都合が悪ければ無理しなくていいんで手伝ってもらっていたことがあるんだけどお願いしてもいいかなぁ?少しでも都合が悪ければ、これっぽっちも遠慮せず手伝えないって言ってね」などなどのように、相手が断りやすい配慮をすることに気を回すこともできるでしょう。
その為、もし断りにくいタイプの人がいても、そのような配慮をしてあげることができれば、無理して引き受けるという可能性も減るかと思います。
そんな配慮ができる自分も信頼してもいいかもしれません。
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今回のケースに当てはまる方は、断りづらいのでは?と思うのは自分自身の投影であり、相手は都合が悪ければ断る権利があり、それができる力があることを信頼して、人に頼ることをチャレンジしてみてはいかがでしょう?
そして断りづらい人も世の中にはいるけれど、自分にはその人への配慮ができる能力があるので断りやすくできることを信頼して人に頼ることをチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
何かのヒントや、参考になれば幸いです。
(続)
- 負担をかけたくない自立の人 〜負担をかけない為に頼ると考える〜
- 頼るのが苦手〜自分をダメさを感じるのを避けたい心理のケース〜
- 相手は断れないかもしれないから頼るのが苦手というタイプの人
- 頼ることは肯定的な感情を感じさせてあげられるチャンス