子育てをしていると、子供の出来ないところや苦手分野ばかりが目に付いて、心配のあまり口うるさくなってしまうこと、ないでしょうか?
けれど、出来なことや苦手なことだからこそ、裏を返すと良いように働き、その子の才能や魅力になることがあります。
弱いところを叩いて強くするよりも、そのままの子供を丸ごと受け止めて、良い方に作用するように働きかけたいですね。
■お母さんが子供に頼ると子供が成長する
お母さんが子供に頼ると、子供がグン!と成長します。
「ん?親が子供に頼る?逆でしょ?」
そう思われた方は
・親たるもの完全無欠であらねばならない
・完璧であらねばならない
・子供に弱味を見せてはならない
そんな風に感じている、超がんばり屋なお母さんかもしれません。
けれど、親とてフツーの人間。
間違えることも失敗することも疲れることも、当然ありますよね。
忙し過ぎていっぱいいっぱいになることもあれば、昔のように好きなことを好きなときに好きなだけしたい、と思うこともあるのではないでしょうか?
そんなときは、ぜひお子さんに頼ってみてください。
お母さんが子供に頼ってみることで、子供の成長に繋がることがとても多いのです。
※この記事は、幼児から小学校高学年くらいまでのお子さんを想定しています。
■お母さん(親)の役に立てることは子供の喜び
私たち人間はもともと ”人の役に立ちたい” という欲求を持っているといわれます。
そして、その欲求を最初に抱くのは親に対して、です。
自分を産んで、愛してくれて受け容れてくれて守ってくれる、お父さんとお母さん。
特にお母さんは、小さな子供にとっては特別な存在。
10ヶ月ものあいだの一心同体の時期を経て、産まれてからも四六時中自分のお世話をしてくれる。
そんなお母さんのことが、子供は大好きです。
そして子供は
「お母さんの役に立ちたい」
「お母さんには笑顔でいて欲しい」
と願っています。
ところが大好きなお母さんに笑顔がなく、余裕がなくてピリピリしていたり辛そうにしていると子供は、自分のせいかな?と思ったり、お母さんのためになにかしてあげたい気持ちになります。
なのでお母さんが疲れてしんどいとき、忙しくていっぱいいっぱいのときは、ぜひお子さんに頼ってみて欲しいのです。
「ママさ、今忙しいからお片付け手伝ってくれる?」
「今日はお母さんとっても疲れているから、一緒に洗濯物をたたんでくれる?」
そうやって頼られることで、子供は
・お母さんの役に立てている → 「自分には人の役に立つ力がある」
・お母さんに信頼されている → 「自分は人から信頼されるにふさわしい存在」
と感じることが出来て、子供の自己肯定感が高まり自信になるのです。
さらにはお母さんに頼られることで、チャレンジ精神も鍛えられます。
お母さんが子供に頼ることは、子供の成長を大きく促すことになるのです。
■子供に頼るときは「ごめんね」より「ありがとう」
「そうはいっても、子供に頼るなんて情けない気がする」
「親が子供に頼ると、子供の負担になるのでは?」
そう感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。
私事ですが、元夫との離婚問題で疲れ果てている時期がありました。
当時、息子は中学2年生、娘小学4年生。
元夫の負債や浮気問題でヘトヘトになりながらも「なんとか立ち直らなければ!」と心理学を学びだしたものの、当時は心理学の講座が19時~21時だったのです。
今のようにオンラインで講座を受けられる環境ではなかったので、講座会場まで足を運ばなければなりません。
自宅から講座のある会場まで行って、帰ってくるまで約4時間。
18時に出て22時に帰ってくる計算です。
「夜に子供を置いて出掛けるなんて、私は悪い母親」
という罪悪感と
「ようやく離婚のゴタゴタから、前を向くきっかけになった心理学を学びたい!」
という前向きな意欲とで、常に葛藤がありました。
講座がある時は、せめてもの罪滅ぼしのためいつもより豪華めな夜ご飯を用意して
「今日は、まあくん(息子)とお利口にお留守番しといて」
「ちゃんと宿題もして、食べたあとはお片付けもしといて!」
なるべく罪悪感を感じないように言うべきことだけ言って、そそくさと振り切るように出かけていたのです。
息子はもう中学2年生で寂しがることはなかったのですが、娘はいつも玄関まで見送りに来てくれます。
「ママ、早く帰ってきてね」 寂しそうに言う娘。
当時の私はそんな娘に ”頼る” などという発想は一切なかったのですね。
・離婚してしまった不甲斐ない親
・子供に寂しい思いをさせてしまう不出来な親
・そのうえ子供を置いて、自分の好きなことをしようとする悪い母親
当時は本気でそうやって自分はダメ母、身勝手な母だと自分を追い込んではピリピリしていたのです。
今から考えると、講座は週1回だったのでそこまで自分を責めることはないだろうと思うのですけどね笑
そんなとき
『自分のしたいことをすることは、周りの幸せでもある』
心理学の講座でそう習ったとき、師匠の平(カウンセリングサービスの母体である神戸メンタルサービスの代表)に当時の私の状況を聞いてもらいました。
「私は心理学を習いたくてこうやって19時からの講座に出ているけれど、子供を置いてくることに罪悪感を覚えます。自分のしたいことをしているけれど子供の幸せになっている気がしないのですが…」
「そこは罪悪感じゃなくて感謝やな。今日帰ったら ”あなたがしっかりお留守番してくれるから、ママはしたいこと出来るわ、ありがとう”って言てあげてみ。「ごめん」じゃなくて「ありがとう」。子供は君の役に立ちたいんや」
むむ?子供が親の役に立ちたい?役に立つべきは子供ではなく親ではないの?ダメ母で申し訳なさしか感じていないのに、ありがとうですと?
もうね、頭の中が「?」だらけです。
カオスです。
しかし、師匠に言われたように帰ったら「ありがとう」を伝えよう!そう決めて家路を急ぎました。
玄関のドアを開けると、いつものように娘は走って出迎えてくれます。
「ママ―、お帰りぃー!」
いつものように玄関まで出迎えてくれる娘。
よくわからないまま、師匠に言われた通り
「お利口にお留守番してくれてありがとう!しっかりお留守番してくれるからママ助かるわ~~」 と伝えてみると・・・
娘の顔がパァ~ッと晴れやかに。そして満面の笑顔に。
この時の笑顔は、今でもしっかり覚えています。
そして、師匠の言った「子供は君の役に立ちたいんや」がスッと腑に落ちたのです。
「ホントだ…!」
しかも、既に私は子供たちを頼っていたのですよね。
けれど、親たるもの子供に頼ってはならぬ、弱味を見せてはならぬ、と素直にお願い出来ていなかっただけなのです。
■子供に感謝すると力になる
「ごめんね」と言われると、言われた方はすごく悪いことされているような気になったり謝るくらいなら最初からしないでよ、みたいな気持ちになるかと思います。
けれど「ありがとう」は、自分の行為が人の役に立っていることを感じられる言葉で ”私には人を喜ばせる力がある” ということの証になります。
素直に ”信頼できる力のある子” として頼ってみると、子供はしっかり応えてくれます。
「ありがとう。あなたのおかげで助かる」 そう伝えてからの娘は、私が心理学を学ぶことにとても協力的になって 「もういいから早く行って!遅刻するよ」 とまで言うように笑
一般的に母親は、どうしても家族の中で犠牲的になりがちです。
「私さえ我慢すれば丸く収まるわ」
「子供のためには、私が頑張らなければ」
そんな子供への想いは素晴らしいのですが、我慢ばかりしているお母さんやツラそうなお母さんを見て、子供が罪悪感や無力感を感じているとしたら、本末転倒ですよね。
お母さんの子供への愛は深いですが、子供もお母さんを愛していて役立ちたいと願っています。
是非、お子さんを頼ってお子さんからの愛を受け取ることで自信を育ててあげてください。
もちろんしっかり目を見て「ありがとう」も伝えましょう。
ビックリするくらいグン!と成長してくれますよ。
次週は、那賀まきカウンセラー がお届けします。
どうぞ、お楽しみに。