上司からの指示がないと動けない。
自分の頭で考えて、先読みして行動することができない。
自分から動くという意欲が感じられない。
こういった状態にある人のことを「指示待ち」などといいますね。
部署やプロジェクトを任される立場になると、いろいろな人と協力していくことを余儀なくされると思いますが、こういった指示待ち人間に対してイライラしてしまったり「あんなやつ、あてにしたって仕方がない」と意識的に戦力外にしてしまうことも少なくないようです。
こういう問題が起きると、個人的な性格の問題にしてしまいがちですが、「指示待ち人間」はあくまで状態。
周囲の関わり方や対応で変化する可能性もあったりします。
今日は、自分の同僚や部下などが指示待ちで困っている、そんな方に向けて「上司側のマインドを整える」方向から、紐解いてみたいと思います。
*今日は「上司が部下の仕事に口出しをし過ぎてしまう」ケースについて
「仕事なのだからやってもらわないと困る」という気持ちはごもっともだと思うのですが、コミュニケーションの基本として、一方的にこちらの要望を伝えたところで、相手に聞く耳がないと受け入れてもらえませんよね。
ですからまずは「相手の立場に立って考えてみる」つまり、指示待ちになってしまう理由を探るのが有効です。
たとえば、
・いままでやっていた仕事を部下に任せることになったけれど、心配でたまらない。任せられない。
・部下が失敗しないように、つい、手助けをし過ぎてしまう。
・部下が代わりにやってくれた仕事に対し、不備ばかりが目につく。
・打ち合わせをしている際に、部下の意見は見通しが甘いと感じ、却下してしまうことが多い。
・自分が指示を出していないことをされるとイラッとする。
こういうときには、もしかすると「部下の仕事に口を出し過ぎている」状態にあるかもしれません。
もちろん、自分の目の届かないところで勝手な判断をされてしまうのも困りますよね。
上司が部下をしっかり育成したり、監督をすること、「この方向性でいきましょう」とリーダーシップを取ることは大切なことだったりします。
でも、あまりに口出しをしてしまうと「君は、こうしてくれさえすればいいから」という「コントロール」として伝わってしまい、「会社にとって、自分は単なるコマのひとつなんだな」とやる気をなくしてしまうこともあるかもしれないのですね。
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部下に口出しをし過ぎてしまう心理的理由は人それぞれですが、上司自身の不安感からきているケースも少なくないようです。
たとえば「自分より部下のほうが評価されると、自分の居場所がなくなるのではないか」「このプロジェクトが失敗すると、自分が降格してしまうのではないか」などという不安や恐れから、無意識に部下をコントロールしてしまい、部下の意欲を削いでしまうような結果になってしまったり、責任ある仕事を任せることができなくなってしまうのです。
つまり、自分に対する自信のなさが、周囲に影響を与えている場合が多いのですね。
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こうやって書いてしまうと、責任感のある優しい方ほど「自分は最低で未熟な上司だな」と感じてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが・・そうではありません。
実は、このプロセスは、あなたが、いままでの仕事によく取り組み、能力も人間性も成長したからこそ、自分の価値を改めて受け取り直し「次のステージにチャレンジする」というタイミングがやってきているということでもあるのです。
部下を見守りながら自分の仕事を任せていき、自分は自分で新しいチャレンジしていくことが必要になっていることが多いのですね。
*「もし、いま、自分が新たにチャレンジすべきことがあるとしたら、それは何だろう」と考えてみる
このプロセスにいらっしゃるときには、自分のための時間を作って、上記の問いを自分自身に投げかけてみてくださいね。
どれだけ小さなことでも構いません。ぜひ、思いついたら実際に行動に起こしてみてください。
それは、部下の関わり方を変えるというチャレンジかもしれませんし、自分自身がやったことがない分野へのチャレンジかもしれません。
自分が、迷いながらもチャレンジをし始めたとき、あなたが部下に与える影響力が変わります。
とくにこのパターンをお持ちの方というのは、周囲から「あの上司には敵わないな」と尊敬されている方がほとんど。
そんなあなたの前向きなエネルギーが、いままで指示待ちだった人たちの良い刺激となり、お互いに向上し合う関係を築くきっかけになることも多いですよ。
よかったら、参考にしてみてくださいね。