復縁

相談者名
KA
5年間お付き合いしていた彼(ゼミの先輩で、告白は私からです)と同棲をきっかけに昨年8月にお別れをしました。今年の3月に私の方から連絡をし、ご飯に誘ったところ、彼女さんがいることが分かりました。

同棲中は、価値観や性格の不一致を感じ一緒にいるのは難しいだと思いながらも、一緒にいることが楽しく5年間蓄積された思い出もあり、私自身の頭での理解と気持ちがつながらず、悶々としていました。
それが執着なのか愛なのか、分かりません。
そんな中で彼からあなたとの将来が見えないと別れを切り出されました。
とても苦しかったし、今も苦しいです。

復縁をあきらめるのは、今はできないと思っております。
ただ、いずれにせよ前を向きたいので、アドバイスいただきたく存じます。
何卒宜しくお願い致します。

カウンセラー
いしだちさ
KAさん、苦しいなか、相談コーナーに連絡してくださり、ありがとうございます。
いしだちさと申します。
どうぞよろしくお願いいたします。

5年間一緒にいた人との別れ。KAさんの苦しい思いが伝わってきます。

私はKAさんがとても一途で愛情深い女性だなと、感じました。
KAさんが彼を本気で愛していたからこそ。苦しいのかもしれません。
KAさんも彼のことを幸せにしたくて、当時できうる全力を尽くしたことと思います。
同時に彼も彼なりに、KAさんを幸せにしようと、全力を尽くしてくれたのではないでしょうか。

そこには、愛がたしかにあった。
それだけ愛する人に出会えたこと。
私は、KAさんはそんな彼と出会えたこと、それはとてもすばらしいことだと、思うのです。

■KAさんの才能

> 5年間お付き合いしていた彼(ゼミの先輩で、告白は私からです)

お付き合いも今回の連絡も、KAさんからとのことからということからも、KAさんが情熱的で、何度も勇気を出して愛のリーダーシップをとる「愛する才能を持つ」方なのだろうなと、思います。
だからこそ、KAさんの本当の辛さは、「彼を愛せないのが辛い」ということなのだと思います。

失恋が辛いのは、愛されないからではなく、「愛を受け取ってもらえないこと」だと、言われています。
彼に彼女ができたということは、彼から
「もう僕のことを愛さないで」
と、言われてしまったことが、一番辛いのではないかなと、思います。

私たち人間にとって「誰かを愛してる!」と、「幸せ」を感じることはあっても、「誰のことも愛していない!」と、幸せを感じる人がいないというのはイメージしやすいでしょうか。

そのぐらい、私たちは愛したい生き物であり、愛が人間の本質なのだと思います。

■KAさんの心にあるもの

>今年の3月に私の方から連絡をし、ご飯に誘ったところ、彼女さんがいることが分かりました。

KAさんは、彼とお別れした半年後に、どのような思いから、彼に連絡をとられましたか?
だいぶKAさんが勇気を出されたのかなと、私は思いますが
「私のことをこれだけ愛してくれるのは彼ぐらい」
であったり、
「実は彼との間でやりのことしたことがある。後悔がある」
といった思いが、あるのかもしません。

■私のことをこれだけ愛してくれるのは彼ぐらい

執着と聞くと、一般的に人やものにしがみつくイメージかと思いますが、心理学の一つの考え方ですが
「この人を失うと、もう自分は誰からも本当は愛されないのではないか」
という自分自身を小さく見積もっていることそのものにしがみついていることがあるようです。

どういうこと?と、思われるかもしれません。

「自分はどんな人とも愛し愛される存在」
だと、赤ちゃんの頃は思っているといわれています。だから、赤ちゃんはあれだけ無防備で無邪気だともいわれています。

でも、育ちのなかで
「親にすら(自分が思ったようには)愛されなかった」
という思いを経験したりすると
「親にすら(自分が思ったようには)愛されなかった。だから、ましてや他の人に愛されるはずない」
といった観念、つまり思い込みを持つことがあります。

でも、私たちは親を愛しているので
「自分が悪かったんだ。自分は誰からも愛されないような存在なんだ」
と、誤解し、自分を小さく見積もることにしがみついてしまうことがあります。

自分に期待させないようするためです。
期待して裏切られたらもっと傷つくので、次のステップに自分を進ませないために、この思い込みにしがみつくことがあります。

KAさんにとっては、その思い込みを超えることができたのが、彼だったのかもしれません。

■やり残しの後悔

やった後悔、やりのことした後悔では、実はやりのこした後悔のほうがずっと大きいと言われています。
やり残しの後悔があると、どうしてもその後悔を埋めたくなるものです。
この後悔が、「彼でなければ」と、思う理由の一つになります。

後悔というものは、「後ろ(過去)」を見て、過去に囚われて、自分を責めている状態です。
前を向いていると、なかなか感じられないものです。

■KAさんが、前に向くために

1、自分を責めるのをやめて、自分を承認してあげてみませんか?

自分を責めていることに気付いたら、
「あ、また、私、後ろを見ていたのかも。自分を責めるのを、やめてあげよう。今に戻ってこよう」
ということを、繰り返し反復練習してあげてもいいかもしれません。

そして
「ご自身ができたこと。ご自身が与えてきたもの」
たくさんあると思います。承認してあげてみませんか?

2、誰かに頼ったり、つながったりしてみませんか?

お友達やご家族といった方などに、KAさんは相談していらっしゃいますか?

失恋すると私たちは、愛する人とのつながりが切れてしまったと感じるものです。
今こそ、人の愛を受け取ることが大事なのかもしれません。
そしてその方たちに
「ありがとう」
と、伝えてみませんか?
それも、人に愛を与える(愛する)ということなのだと思います。

3、彼に「出さない手紙」を書いてみませんか。

KAさんには、彼に言えなかったこと、伝えきれない思いもあるかもしれません。
KAさんのやり残しの後悔があるならそのことも、彼への本音も我慢したことも、彼への愛も感謝の気持ちも、全部書き出して、「出さない手紙」を書かれてもいいかもしれません。

■KAさんは最高に幸せになっていい!

> 同棲中は、価値観や性格の不一致を感じ一緒にいるのは難しいだと思いながらも

もしかしたら
「KAさんが、最高に幸せになりたい」
と、願いながら心のどこかで
「自分自身が最高に幸せになることへの違和感や恐れ」
を、持っているのかもしれません。

でも、KAさん。彼のことが大好きで、一生懸命頑張ったこともあったと思います。
たくさんの愛を与えてこられたことと思います。
彼のことだけではなく、今までもたくさんのことに勇気を出してチャレンジしたり、乗り越えてこられて生きてこられたのだと思います。
これだけ情熱的な愛を持つKAさん。
「最高に自分が幸せになっていいよ」
と、自分に許可してあげたり、自分が最高に幸せになるコミットメントして(決めて)あげてみませんか?

そうなったときに、KAさんは「前に向くことができた」と感じられるのではないでしょうか。

KAさん、改めて苦しさのなかご相談くださり、ありがとうございました。
KAさんの苦しみが終わり、前に向けますように。
心より応援しております。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛・夫婦・子育て・人間関係など、生きづらさや悩みを抱えたかたに、穏やかに、寄り添うことを大切にしている。「話すことのすべてを大切に聴いてもらえる安心感」がある。あらゆる人のなかにある豊かな才能・魅力に光をあて、生きる力を一緒に育む。共感力の高いカウンセラーである。