パートナーの愛を疑ってしまう理由が過去の痛みを重ねているとしたら

今のパートナーに過去を重ねてしまうと、相手は自分は見られていないと感じて苦しくなる

パートナーシップにおいて、相手の愛を疑ってしまう時、今の相手への疑いだけでなく、過去が重なっている場合があります。過去の恋愛の痛みやその恋愛がまだ整理できていない大きさの分だけ、この今と過去を重ねることが起こりやすくなります。まずはこの視点で自分の気持ちを見直してみましょう。

恋愛、結婚等、パートナーシップの問題でよくご相談を伺う話として

「相手の愛を疑ってしまう」

というテーマがあります。

今回の記事では、パートナーから愛されているのか等の疑いがどうして起こるのかについて、また、この疑いから抜け出すための視点について、4回にわたってお伝えしていきます。

◇過去に辛い経験があると今に影響してくる

私たちの心には、リスク管理のような能力があります。

例えば、過去に転んで怪我をした場所は、よく覚えていて転ばないように気をつけて歩く、こんな感じ。

同じ場所を歩く時に気を付けるだけでなく、似た地形のところは気をつけようと思いますし、転んだ時の天候(雨だったとか)や、自分の状況(疲れていたとか)も覚えていて、この状況になったら気をつけよう、と感じることもあります。

これはパートナーシップにおいても同じことが起こりえます。
過去の恋愛でとても苦しい思いをしたら、二度とそんな思いはしたくないと感じますよね。

例えば、浮気をされてとても傷ついた過去がある場合。
次に恋愛する時には、この時のパートナーと同じタイプの人がいたら、つい警戒してしまったり。
付き合う時は、注意深くなったり、この人は大丈夫かな?と思ったり。
つまり、相手の自分への愛情を疑ってしまうわけですね。

これはある意味、とても自然な感情です。
浮気などで傷ついた辛い過去があれば、疑ってしまうのは無理もないことですよね。
この思いを否定する必要はなく、むしろ大切に感じてあげるほうがいいのです。

しかしながら、今、恋愛をしている相手に対して、この疑いが大きすぎる場合は、今の恋愛ではなく、過去の恋愛の痛みに引っ張られていることがあります。

この引っ張られる思いが大きい時、心は

「今の恋愛・パートナーではなく、過去の恋愛・パートナーの方を見ている」

場合があるのですね。

例えば、今のパートナーとの関係において、

・夜遅く帰ってくる日が続いている
・最近、連絡の頻度が落ちた
・前ほど会話していて熱量がない

こんな二人の関係性が付き合い始めた時とはちょっと変化しているような時。

自覚している場合も、無自覚な場合もあるのですが、またこいつも過去のあんな辛い事をしでかす男/女じゃないのか?という疑いが出てしまう。

この時、何が起こってるのかというと、過去の彼/彼女を今のパートナーに被せてしまっていたりするのです。

これは、過去の痛みが大きい度合いだけ、あるいは、過去の恋愛がまだ整理できていない大きさの分だけ、起こりやすくなります。

自覚/無自覚関係なく、こんなことをやりたくてやっている人はいないはずなんです。

ですから、まずは自分の心が過去に影響を受けているかもしれない、過去のパートナーを今の人に重ねているのかもしれない、と気づくことが大切になってきます。

◇過去を重ねて見ると相手は見られていないと感じて苦しくなる

今のパートナーに過去を重ねて見てしまうと、そう見られているパートナーは苦しみを感じます。

たとえ自覚がなかったとしても、今のパートナーに過去を重ねてしまうと、相手は

「自分のことを全然見てくれていない」

と感じるんですね。

すると、疑われるだけでも愛されていないと感じている上に、なにか自分のことを本当に見てくれていない感覚が加わるので、ますます「こんなふうに疑われているし、何か愛されていないし」と感じて気持ちが離れてしまうこともあるのです。

あなたがパートナーを疑ってしまう時、まずは「過去の恋愛の痛みを重ねていないか」という視点を持ってみましょう。

そして、過去を重ねてしまうことは、相手にとって「自分を見てくれていない」と感じさせているかもしれないという視点を持ってあげましょう。

この視点を持って、自分の気持ちに気づいてあげるだけでも、疑いの気持ちは減ります。
なぜなら、この気づきを持っている時は、気づかない時より過去にしばられていないからなんです。

気づいていない時の方が、より過去にしばられます。

まずは自分のこうした気持ちに気づいてあげるところからやってみてください。

(続)

心理学講座4回シリーズ/同シリーズ記事はこちら
  1. パートナーの愛を疑ってしまう理由が過去の痛みを重ねているとしたら
  2. 愛への疑いを越えるために大切な「理解」と「コミュニケーション」
  3. 愛を疑う気持ちは自己価値の低さが影響しているとしたら
  4. 選択によって愛の疑いを抜けていく
この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。