分かってもらえないと感じるとき

分かってもらえないと感じるとき、持っている感情を見直すと解決糸口が見つかります。

私たちは、自分の持っている想いをベースにコミュニケーションしたり、現実を作ったりしています。もし、あなたの身の回りにわかってもらえないと感じることが続いているとしたら、あなたのコミュニケーションのベースとなっている想いを見直すことが大切です。

分かってもらえないと感じるとき、とても悲しい気持ちになったり、やっぱり分かってもらえないんだと落胆したり、時には怒りを感じたりしますよね。

今回の心理学講座では、そんな分かってもらえないと感じるときの心理学をお届けします。

〇 分かってもらえないと感じるとき

分かってもらえないと感じるとき、当然あなたには分かって欲しい気持ちがあるときですよね。

実際に理解が得られなくて苦慮することもありますが、あなたの心の中に潜んでいる分かってもらいたい気持ちが“分かってもらえなかった”という過去の痛み(悲しみや寂しさ、怒りの感情など)が疼いていることがあります。

分かってもらえない瞬間に心のどこかで“やっぱり分かってもらえない”と感じることはありませんか?この“やっぱり”が心の中で思わず出てくるとき、過去の分かってもらえなかった経験を繰り返していると考えられます。

〇 分かってもらえない経験を繰り返すとき

分かってもらえない経験を繰り返すとき、あなたの中でこんな想いが鎮座していませんか?

“どうせ分かってもらえない”
“きっと分かってもらえない”

“どうせ”とか“きっと”というフレーズが出てくる場合、その多くは初めての経験ではなく、何度も何度も繰り返し経験したことから使われるようになる言葉です。

そうして何度も分かってもらえない経験したことにより、どうせ分かってもらえない、きっと分かってもらえないという想いが作られ、その想いが“私の気持ちは人に分かってもらえない”という心の枠組みを作ってしまいます。

この私の気持ちは分かってもらえないという心の枠組みは、人とコミュニケーションすることを端から諦めさせることもあれば、私の気持ちはに人に分かってもらえないという想いを土台にコミュニケーションをする状態を作ります。

この私の気持ちは分かってもらえないという想いを土台にコミュニケーションをするということがどういうコミュニケーションになるかというと、心理的には通常のコミュニケーションに“きっと分かってもらえない”といった想いを添えてコミュニケーションをするイメージになります。

例えば、

A:ここから見える景色はすごく綺麗だね。

と表現するのと、

B:ここから見える景色はすごく綺麗だね(きっと、分かってもらえないだろうけど)。

と表現するのとどちらが相手からの共感を得られやすいかというと、口にしている言葉は同じだとしても口にしていない想いが雰囲気や態度で表現されてしまうため、Aの方が心地の良い共感を得られやすいという状態が出来る訳です。

このように、通常のコミュニケーションのみだと伝わるものも、“私の気持ちは分かってもらえない”という想いを添えているので、無意識に“あなたは私の気持ちを分かってくれない”というメッセージを送りながらコミュニケーションするということを私たちは日常的にやっているのです。

そうすることで、分かってもらい経験を繰り返すことが作られやすくなるのです。

〇 分かってもらえない想いを軽減するには

“分かってもらえない”という想いをベースにコミュニケーションをすると想いは伝わりづらくなるというお話をさせていただきました。

逆説的に言えば、分かってもらえないという想いをベースにコミュケーションをしなければ、伝わりやすくなるというお話になるのですが、どうしたらそれが出来るようになるのか。
まずは、“分かってもらえない”という想いをベースにコミュニケーションをしているところはないかを見直すことです。

“分かってもらえない”という想いをベースにコミュニケーションしていることに気づくことが出来れば、それをやめるという選択肢が出来ます。

そして、“分かってもらえない”という想いをベースにコミュニケーションをやめるためにも“分かってもらえない”という気持ちをケアすることが大切です。

分かってもらえないをたくさん感じてきたということは、分かって欲しい気持ちをたくさん持っていたということですよね。

言い換えれば、どんな気持ちを分かって欲しかったのかを話しやすい人(自分やカウンセラーを含む)とコミュニケーションする機会を持つことが“分かってもらえない”想いをケアすることに繋がります。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

人間関係の築き方・コミュニケーションのスキルアップ・個性を生かすことを得意とする。 お客さまのテーマを多角的な視点でとらえて分析することにより、新たな視点や心の気楽さを持つことが出来ると定評がある。ゆるぎない安心感の基盤を基に行うカウンセリングは、心のうちを語りやすいと評価が高い。