「疑いも自己価値の低さも自分の思い込みかもしれない」という視点を持ってみましょう
この連載の一回目にお伝えした、愛を疑う気持ちは過去の痛みと重なるから、という話に戻りましょう。
例えば、過去に辛い失恋をしたことがあるとしたら。
失恋は本当に苦しいです。
この苦しみは付き合っていた時の後悔(ああしておけばよかった、あんなことしなければよかった)からくることが多いのですが、他にも、自分の女性/男性としての価値が傷つく、というものがあります。
失恋すると、自分の価値を全否定された気持ちになるから、とても辛いのですね。
しかも、例えば女性だったら、女らしさ、美しさ、優しさ、包容力といった、女性としての魅力が自分にはない、と感じてしまうので辛いのです。
そんな過去があると、これから恋愛をする時に、心の中にあること自分の価値の無さが引っかかってきます。
目の前に自分に好意を持ってくれる人が現れても「私ってたいした女じゃないのかなあ」と感じてしまう、なんてことがおこるんですね。
また、もともとは自分に自信を持っていて、私って良い女だな、と思っていたとしても、失恋をきっかけに自分に魅力を信じられなくなる場合もあります。
こんな風に自信がなくなると、自分の嫌なところやダメなところばかりが目について、ますます自分の魅力から意識が離れてしまうので、自分の価値がないように感じてしまいます。
このように自分の価値が感じられないと、恋愛そのものに自信がなくなってしまいますし、恋人ができたとしても、そこで相手の愛を疑ってしまっても無理はないことなのです。
◇「疑いも自己価値の低さも自分の思い込みかもしれない」という視点を持ってみよう
疑いって一言でいってしまえば「思い込み」なんですね。
例外はあれど、パートナーへの疑いというのは、実は自分の思い込みであることがとても多いのです。
例えば、自分のことを怒りっぽい人間だと思っている女性がいたとします。
付き合った彼がとても優しい人で、彼女が時々怒ってもニコニコしていたとします。
そんな彼に対して、いじわるな言葉を投げたり、ふてくされた態度を取ったりしてしまう。
なにに全然かれは気にしてない様子に、
「どうしてこんな嫌なことばかりするのに怒らないのよ!」
と怒りを爆発させたら、彼がポカンとした顔で
「嫌なことされたなんて思ったことないよ」
と言ったとします。
この例え話を聞いてどう思われるでしょうか。
「彼が鈍感すぎる」「そんな男性いるはずない」と思われる方もいるでしょう。
しかし、カップルカウンセリングなどでご相談者がカップルで来られる時などに、こうした話は実際にあるのです。
こうした時に、彼が彼女が怒っていることがあまり気にならない理由はいくつかあって、
・彼女が自分で思っているほど怒りを表現できてない
・彼女の怒り方を彼は可愛いところと思ってる
例えば、こんな感じです。
いずれにせよ、彼女は自分のことを怒りっぽい=価値がないと感じているので、
「彼は怒りっぽい自分のことが嫌なはずだ」
と思い込んでしまったのですね。
この話は、彼の気持ちとは関係なく、というところがポイントです。
思い込みって自分一人の世界にいる時に起こるので、彼の気持ちを確かめることもなく判断してしまうのですね。
大切なのは、自己価値が低いとその度合いだけ疑いが大きくなってしまうことをいつも覚えておくこと、なんです。
パートナーの愛を疑ってしまう時は、意識は相手に向いていますが、一旦、相手のことは置いておいて、こんなに疑ってしまうのは、自分の価値を疑っているからなのかな?と自分に意識を向けるようにしてみてください。
それだけでも、疑いの大きさは減ります。
正確に言えば、正しい大きさで疑える、ということになります。
それくらい、私たちの心は、パートナーに感じる気持ちが自分の価値に左右されているんですね。
疑いを消すことは難しいですが、減らすことはできます。
その第一歩は
「疑いは自分の思い込みかもしれない」
「自分の価値の大きさに疑いが左右される」
このことに気づき続けておくことです。
不思議なことに、気づくだけでもかなり疑いは減らすことができるのです。
◇自分の価値は自分ではわからない
私たちは誰もが価値を持っています。
でも、この言葉だけ聞いたら綺麗ごとに感じる方も多いもの。
それだけ自分の価値は気づきにくいものなんです。
ですから、自分の価値は誰かに教えてもらうのが最も早く気づけます。
自分のことを応援してくれる友達や職場・コミニティーの仲間、先輩後輩などに自分のいいところを聞いてみましょう。
パートナーを疑ってしまうことを相談できそうなら、この相談の流れの中で聞いてもいいですし、相談したことがない方は、自分の応援者に相談してみてください。
誰かの力を借りた時。
その時は、一人で思い込んでいるところから、誰かと一緒に考える方向に進みます。
そのことで、思い込みの可能性の検討もできるし、自分の価値に気づくことにもつながります。
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