休みたいけど休めない〜気持ちの中に隠れているもの

ゴールデンウィークは終わりましたが、みなさん、お休みはとれましたか?
連休の後は、終わってしまった寂しさがあるかもしれませんね。

リフレッシュできたから、さあ働こう!と思えれば素敵です。
でも、意外とそうもいかないことがあります。

5月はゴールデンウィークもあるし、季節的にも爽やかですし、快調な時期だと思いきや、3月の期末、4月の新年度を乗り越えて、5月になってから心身の不調を感じる方も多いようです。

慣れない新しい環境で働いている方もたくさんいらっしゃるこの時期、少し慣れてきたころに疲れがどっと出ることもあるかもしれません。

でも。休みたいけど休めない。

いろいろな理由があるかと思います。

連休をとったばかりだし。
新年度スタートしたばかりだし。
新しい部署に配属されたばかりだし。
まだなじんでいない上司に「休みたい」なんて言えない。

とりあえず仕事にやりがいも感じるので、がんばろうと思えるうちは良いと思います。

身体も心も重く、夜も眠れないし、疲れがとれない。
なんのために働いているのかわからなくなってきたし、楽しいことなんかなんにもない。

そう感じるほどなのに休めないという人の心の中には
「がんばらないと自分には価値がない」という無価値感が潜んでいることがあります。

自分にはとりたてて優れたところなんかないので、人よりたくさん働かないと置いていかれてしまう。とか
やりたくないことをやってこそ、やっと人に認めてもらえる。とか
自分は本当は怠け者だから、それがばれたら嫌われる。とか

「自分はだめだ」が信念としてあると、「当然、他人からもだめだと思われるはずだ」と感じます。
他人からだめだと思われないために、自分の弱さを見せることができなかったり、辛いということすら言えなくなることもあります。

謙虚で真面目な方が持ちやすい思いではあるのですが、無価値感があると幸せを感じづらくなってしまいます。

「だめだ」と人に言われないようにということが行動の基準になっていると、たとえがんばって何かがうまくいっても、あんまり嬉しくありません。
「やれやれ。なんとか切り抜けた」と思う程度かもしれません。

「こんなにがんばったけど、この程度か」と思ったり、ましてや何か失敗があったりすると、「ほらやっぱりだめだ」となって、がっかりすることでしょう。

そしてそれでもまだ頑張り続けると、病気とか燃え尽きとかの強制終了がかかってしまうかもしれません。

昔の私もそうでした。
鬱になりかけていてフラフラで働いているとき、同期の仲間が心配して半ば強制的に遊びに連れ出してくれたのです。
ホテルのレディースプランを申し込んで、泊りがけでおしゃべりしようと予約してくれました。

そのときの私の心の中は、仲間の心配をありがたいと思いながらも「休みなんてとれない」「遊んでいる余裕はない」「愚痴なんかこぼせない」でいっぱいでした。
そしてせっかく遊びに行ったのに何をしたのか全然記憶になく、ずっと「早く職場に行かなくては」と思っていました。

仕事に関わらず、辛く苦しいとき、私たちのこころは「ない」ものしか見ていないことが多いです。

「私には価値がない」
「私にはお金がない」
「私には助けてくれる人がいない」

ない!としか考えられずに眠れぬ夜を過ごしても、それはすごく苦しいわりに良いアイデアは浮かびません。

そして、自分には魅力がないと思うと、自分に「ある」物もたいして魅力的でないように見えてしまうのです。

「健康はあるけど、そんなの普通だ」とか「家族はいるけど、頼りにはならない」とか、レディースプランだって面白くないのです。

でも、本当にそうなのでしょうか?

どうしても何もないと思うときはどうぞカウンセラーに聞いてみてください。
カウンセラーは「今ある」ものを見つけるのが得意です。

まず今の自分の状況をいったん受け入れて、視点を変えることができると、「ない」と思っていたものが現れることがあります。

例えば「私は今、疲れている」と受け入れて、「幸せに生きるために、私にできることはなんだろう?」と考えられるようになると、まず休もうと思えるかもしれません。
家族に相談しようと思えるかもしれないし、友達に助けてが言えるかもしれません。

自分にあるものが見えてくると、安心感が湧いたり、やりたいことがわかったり、自分の魅力や才能に気が付くこともあります。
価値がない人なんていないのです。

働くことはとても大事なことですが、幸せに生きることはもっと大事です。

ご自分のために良いお休みをとってくださいね。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

離婚やハードワークによる鬱、親の介護など、さまざまな経験をしてから心理学を学び、【心が変われば、いつからでも人生は変えられる】ことを体験した。企業の人事や人材サービス会社など、人に関わる仕事歴30年。その人らしさを大切にし、新しい希望を見出すためのサポートをモットーにしている。