自分を大きく見せる優越コンプレックス
●コンプレックスと劣等感と劣等感コンプレックス
劣等感と、劣等コンプレックスと、コンプレックスという言葉は心理学では正式には意味が違う言葉として使われています。
劣等感は自分が劣っている感じる感情を指す言葉として使われ、劣等コンプレックスは劣等感を抱えその克服・解消から逃げている状態のこととして使われています。
コンプレックスは感情や記憶や観念などの様々な要素の複合体という意味として使われています。
その為コンプレックスにはマザーコンプレックスや、エディプスコンプレックスや、シンデレラコンプレックスなど様々な意味あいの言葉があります。
しかし、日本で多くの人は劣等感がある状態のことや、劣等コンプレックスがある状態のことをコンプレックスという表現で日常会話で使われていることが多いかと思います。
その為、劣等感、劣等コンプレックスのことを、今回は、多くの方が日常的に使っていてなじみのあるコンプレックスという表記にして話を進めさせていただこうかと思います。
(けっして私がキーボードをタイプする文字数が多くのなるのがめんどくさいからという理由ではありません(笑))
●コンプレックスがあると萎縮したり卑下したりすることがある
コンプレックスがあると、自分が他人よりも劣っていると感じがちになります。
そう感じてしまう時はつらいですね。
コンプレックスを感じた時は萎縮してしまったり、自分を卑下してしまったりの反応になることがあいります。
このような反応になってしまうのは、多くの方はイメージできるのではないかと思います。
しかし、これ以外の反応になってしまうことがあるようです。
●自分を大きく見せる優越コンプレックス
コンプレックス(自分が劣っているという思い)は、自分自身の中で良くないものと思っています。
すると良くないものは隠そうという心理から、コンプレックスを隠す為に、自分を大きく見せようとする行動をとってしまうことがあります。
例えば、何かしらの劣等感があるAさんという方がいたとします。
Aさんはママ友の中で自慢話ばかりをする人だとします。
「普通はなかなか予約が取れない〇〇旅館だけど、我が家は夫の仕事の関係でいつも予約を優遇してくれてすんなり入れてくれるの。予約待ちの一般の人に申し訳ないわ」
「私の息子は家で勉強をぜんぜんしなくて、でも塾でいつも一番をとってくるから、勉強しなさいって言いにくくて困っちゃうわ」
などなど、自慢話をするのです。
このようにコンプレックスを隠す為に自分を大きく見せよう、すごい人に見せよう、優れた人に見せようという行動を取ることがあります。
劣等感がベースにあり、それを隠す為に自分を大きく見せた入り、すごい人に見せよう、優れた人に見せようとすることを、心理学者のアルフレッド・アドラーさんは優越コンプレックスと言っています。
Aさん本人はコンプレックスを隠す為にしているのですが、行きすぎると周囲にいる人はマウンティングされていると感じることもあるでしょう。
あなたの周りにもAさんのような人はいらっしゃいますか?
●あなたの周りの優越コンプレックスタイプの処方箋
行きすぎた自分を大きく見せる行為になると、周りの人はうんざりすることがあります。
カウンセリングでもマウント行為にうんざりするというお話、マウンティングではないけどすごいと思ってもらいたいが為の自慢話にうんざりするというお話は、よくよくお聞きします。
あなたの周りに優越コンプレックスタイプの方がいて、いきすぎた自分を大きく見せる行為にあなたが困ってた際の処方箋をご紹介しますね。
・我慢せずに距離を取る
原因は相手のコンプレックスからくるものなので、相手本人がそのコンプレックスを克服しようとしないがぎり、基本的には相手の自分を大きく見せようとする行動は今後とも変わらないでしょう。
もし、あなたにとってふさわしくないもの得る関係になっていた場合は、我慢して今の関係を維持するのではなく、その人と距離を取るというもの一つの対象方かと思います。
・愛の目で自分を大きく見せる原因の部分を見てあげる
距離を取るという対象方を書きましたが、距離を取りたくても距離をとれないケースもあるでしょう。
例えば、あるプロジェクトの間はしばらくの期間は上司と二人きりで行動しなければいけないなど、距離をとりたくてもとれないこともあるかと思います。
また自分を大きく見せること以外は良い人なので距離を取るほどでもない関係もあるでしょう。
そんな時は、相手の自分のことを大きく見せる原因の心理に意識を向けて、愛を持って理解することでストレスの緩和に役立つことがあります。
相手の言動に対して、マウントを取られているという解釈をするとストレスが大きくなりますが、相手の行ききすぎた自分を大きく見せる言動を産んでいる根っこにはコンプレックスがあり、そこに意識を向けて
「この人はコンプレックスがあるから自分を大きく見せてないと心のバランスを保てないんだろうな、しかたがない、今回も自慢話につきあってやるか」
などと愛を持って理解してあげれたら、少しやさしい気持ちで聞いてあげれることができるかもしれません。
・痛み止めの言葉をかける
コンプレックスを隠す為に自分を大きく見せる行為をするわけですので、このコンプレックスを埋めてあげるような言葉(相手を満たすような言葉、承認する言葉等)を、たくさんかけてあげてコンプレックスを緩めてあげることができると、一時的に相手のコンプレックスの痛みがやわらぐことがあります。
たくさん満たされる言葉、承認の言葉を貰うことで、相手は自分は価値がない、自分はダメな人間などのコンプレックスの痛みが緩まることで、このコンプレックスを隠そうとする心の動きも弱まることがあります。
そうすると自分を大きく見せる言動も前ほどしなくなったりに変わります。
しかし、根本的に相手のコンプレックスが消えているわけでない場合は、時間が経過するとまた元の自分を大きく見せる言動の度合いに戻ります。
コンプレックスを埋めてあげるような言葉をかけてあげるということを、痛み止めのお注射を打ってあげるとイメージすると分かりやすいかもしれません。
傷口が痛いときは「痛いーーー」と騒ぎ立てるのですが、痛み止めをお注射すると痛くなくなるので落ちつきます。
しかし痛み止めが切れた時に傷口が治ってないと「痛いーーー」と再び騒ぎ立てます。その時は、再度お注射を打ってあげる必要がでてくるわけですね。
これは相手を確実にコントロールする方法ではないので、確実に効果がでる方法とは言えませんが、この方法が役立つことがあればいいですね。
あなたのストレスが和らぐヒントになれば幸いです。
(続)
- 自分を大きく見せる優越コンプレックスタイプへの処方箋
- コンプレックスが刺激されると攻撃的になるタイプ
- コンプレックスを無くす〜成長する方法と受け入れる方法〜
- 心が傷つくことでコンプレックスができることがある