コンプレックスが刺激されると攻撃的になってしまう
それはもしかしたら、その人にコンプレックスがあるからかもしれません!コンプレックスが刺激されると攻撃的になるケースがあることを知ることで攻撃されることを減らしたり、または、あなたが攻撃することを減らしていきましょう。
●コンプレックス
コンプレックスという言葉は感情や記憶や観念などの様々な要素の複合体という意味として使われています。その為コンプレックスにはカインコンプレックスや、エレクトラコンプレックスなど様々な意味あいの言葉があります。
しかし、日本では日常的に劣等感がある状態のことや、劣等コンプレックスがある状態のことをコンプレックスという表現で使うことが多いかと思います。
その為、劣等感、劣等コンプレックスのことを、この講座では多くの方が日常的に使っていてなじみのあるコンプレックスという表記にして話を進めさせていこうと思います。
●コンプレックスが原因で攻撃的になる人
なぜ、あの人は急に攻撃的になったの?
わけがわからない???
そんな経験はございませんか?
それはもしかしたら、その人にコンプレックスがあるからかもしれません!
コンプレックスがあることが要因でしばしば攻撃的になるケースがあります。
例え話を使って、コンプレックスが要因で攻撃的になるケースの説明をしていきたいと思います。
先々のことを読んでの行動することが下手だということに関してコンプレックスを持っている人がいたとします。
彼にその人をAさんとします。
ある日Aさんは同僚のBさんからあるお願いをされました。
それは、ある商品に関しての仕事を進める時は、Bさんにも内容を教えて欲しいというお願いでした。
ある商品の販売促進の企画をする際は、通常は担当のBさんを通して進めることになっていました。
Bさんが予算の管理をしているので、Bさんに話を通さないと予算オーバーになったりすることが起こったりするからです。
しかし、Aさんは販売促進の為の新企画をBさんを飛び越えて、Bさんの上司のCさんに持ちかけ、新企画の仕事を進めていました。
そのことを知ったBさんは、Aさんに、その商品に関しての仕事を進める時は今後は自分にも教えて欲しいとのお願いをしたのです。
その理由も、説明しました。
するとAさんはBさんに怒りだしたのです。
「私は上司のCさんの許可をとって仕事を進めているんだからあなたに文句を言われる筋合いはない。それが困るとういうんだったら私ではなく許可を出した上司のCさんに言うべきだ!」
Bさん
「いやいや文句を言っているのではなく、この商品に関しての仕事をするさいの今後はこうして欲しいというお願いなんです」
と腰を低くしてお願いをするBさん。
しかし、AさんはBさんに怒り続けます。
「だいたい、そんなに困ると言うんだったら、もっとルールを周知するようにしてなかったBさんに問題があるんじゃないか!それなのに文句を言われても、こっちも困るんだよ」
その言葉にBさんは
『お願いしただけなの癇癪を起こすなんて・・・、話が通じないし、今後はあまりAさんと関わりたくないなぁ』と思ったのでした。
●防衛する為に攻撃的になる
上記のようなシーンがあったとします。
これ、Aさんが
「ごめん、次からはそうするよ」
とか
「そういう手順を踏むって知らなかったよ。次からはそうするよ」
と言えば済む話でもあります。
人によってはそうする人もいると思います。
なのにBさんは過剰反応をしています。
Aさんには“先々のことを読んでの行動が下手”ということに関してコンプレックスがあったので、Bさんからの言葉を“お願い事項”とは解釈せずに、“Bさんに声をかけないとBさんが困るという先々のことを読んで行動ができていないと批判や攻撃をされている”というふうに解釈してしまい、そして批判や攻撃に対して防衛をする心理が働き、攻撃心に火がついたのです。
また、Bさんを攻撃し、Bさんの言い分が間違っているということにできれば、Aさんが先々のことを読んで行動することが下手だったということにはならずに済みます。
これもコンプレックスから自分を防衛する心の動きと言えます。
●あなたの周りにはコンプレックスを刺激すると攻撃的になる人はいませんか?
これはAさんを使った例え話でしたが、このようにコンプレックスを刺激されると攻撃的な反応としてでるケースがあります。
Aさんのようなコンプレックスを刺激されると攻撃的になるタイプの方が、あなたの周囲にいた場合は、その人にはなるべく関わらないという方法で身を守ることもできますが、関わらないわけにはいかないという状況があった場合はつらいですね。
その場合は攻撃されないようにする為にはコンプレックスを刺激しないように言い方に気を付けるのが身を守る為の基本路線になってくるでしょう。
*どういう言い方にしたらいいのかは、相手がどういうところにコンプレックスを持っているかによって違ってきます。
あなたが言っていることは他の人には普通に通じる、且つ、そんなに間違っているようなことを言っているわけでもないのに、ある特定の人との関係ではAさんのように攻撃的になられてしまう展開が多々ある場合は、あなたの言い分が筋が通ってないことを言っているから攻撃されているのではなく、相手のコンプレックスの問題かもしれません。
その場合は、その人に話しかける時は、筋が通っているか通っていないかを考えることに重点を置くより、この言い方は相手のコンプレックスを刺激しないかを考えることに重点を置いてみると攻撃される展開を少なくできかもしれません。
(正しいことを言っていてもBさんにのように攻撃されたりすることが発生するので)
●自分がAさんタイプだった場合
コンプレックスを刺激されると攻撃的になる場合、当人はコンプレックスが刺激されているから攻撃的になっていることに、気づかずにやっていることがあります。
もし、あなたが攻撃的になってしまう展開が度々あり、その結果、人が離れていったり、人望を失ったり、関係性がギグシャクしたり、ストレスが多くなるなど、あなたが損をしてしまうことがあるようならば(且つ、今後、そんな損をするようなことを減らしたい場合は)、今までのことはコンプレックスを刺激されたことにより攻撃になってしまっていなかったかを振り返って考えてみてもいいかもしれません。
コンプレックスを刺激されると攻撃的になる傾向があることに気づけると、今後同じ展開を作らないように気をつけようと意識することもできます。
Aさんのケースで例えると、
「私は先々のことを読んで行動ができてないように相手から批判されていると捉えがちな傾向がある。そして、そんな時はカッとなって相手が悪いと相手を責めてしまう傾向がある。
でも、コンプレックスがあるから批判されていると思いがちになるだけで相手はそんなつもりで言っていないかもしれないと気をつけながら相手の話を聞くように心がけよう。そうすることでカッとなってしまうシーンを減らせるようにしていこう」
などのように気を付けることもできます。
また、コンプレックスから攻撃的になってしまう傾向があることに気づき、認めることができれば、コンプレックスを克服することに取り組んで、そもそも攻撃的な反応が起きないようになろうということも目指すこともできます。
もしコンプレックスから攻撃的になってしまっていることがあれば、そのことに気づけるといいですね。
コンプレックスから攻撃的になっていたことを認めることは成熟さや、心の強さがいりますが、気づいて、認めるられると、気を付けることができます。
そうすることで、あなたが損をすることを減らせるといいですね。
(続)
- 自分を大きく見せる優越コンプレックスタイプへの処方箋
- コンプレックスが刺激されると攻撃的になるタイプ
- コンプレックスを無くす〜成長する方法と受け入れる方法〜
- 心が傷つくことでコンプレックスができることがある