コンプレックスを無くす2つの視点
●コンプレックスを無くすチャレンジ
劣等感や、劣等コンプレックスがある状態の時に、日本ではコンプレックスという言葉を日常で使っていることが多いです。
コンプレックスは心理学の意味を厳密に言うと、劣等感や、劣等コンプレックスのこととイコールではないのですが、この記事では、みなさんがおそらく普段日常で使っているなじみやすい表現として、劣等感、劣等コンプレックスある状態の意味でコンプレックスという言葉を使いたいと思います。
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コンプレックスを感じる時は、人と比べて自分が劣っている感じがして萎縮してしまったり、必要以上に自分を卑下してしまったり等良い気分ではありません。
また、前回、前々回の「すぐに役立つ心理学講座」ではコンプレックスから自分を大きく見せるパターンや、攻撃的になるパターンをご紹介させていただきましたが、これをすることで損をしてしまうこともあります。
*ご興味がわいた方は、前々回の「自分を大きく見せる優越コンプレックスタイプへの処方箋」と前回の「コンプレックスが刺激されると攻撃的になるタイプ」もお読みくださいね。
その為、コンプレックスは無くしていけたほうが心にとっては負荷が少なく、損をすることも減らすことができ、セーフティーでしょう。
コンプレックスをそのままにしておくこともできますが、心に負荷がかかる状態をそのままにしておきたくはないとか、損をしてしまう可能性があるのをそのままにしておきたくないと思われる方は、コンプレックスを無くしていくことに意欲を持ってみてもいいかもしれませんね。
●チャレンジし、成長、変化し克服する
コンプレックスを無くしていく為の方法として、何かにチャレンジして成長する、変化することで克服していく方法がとれます。
例えば、
料理が苦手というコンプレックスがある場合だったら、料理教室に通って料理の腕を磨くことにチャレンジし成長していくことで克服していくという方法がとれるでしょう。
仕事がスムーズに行っておらず、他の同期よりも営業成績が良くないことがコンプレックスになっている場合だと、休みの日などにも仕事に役立つ本を読んだり、セミナーに通って営業トークを勉強するなどをして成長するこことで、営業成績が良くしていくことでコンプレックスを克服する方法などもとれるでしょう。
太っていることがコンプレックスの場合は、ダイエットにチャレンジすることで、体型を変化させてコンプレックスを克服することができたりします。
そうすることで心に負荷がかかった状態を無くしたり、損をしてしまうことを減らしたりしていくことができたりします。
●受け入れるという形でコンプレックスを無くしていく
しかし、料理が苦手、仕事が上手くいっていない、太っているなどがコンプレックスの場合は何かチャレンジして成長や変化することで克服していけますが、身長が低いということがコンプレックスなどの場合は何かチャレンジすることで骨を伸ばせるわけではありませんよね?
10代なら毎日ちりめんじゃこを10キロぐらい食べて、牛乳も10リットルぐらい飲んでカルシウムをたくさん取って、22時間くらい睡眠もたっぷりとることで、もしかしたら身長は伸びるかもしれませんが30代になると、それも難しそうです。
それをすると縦には伸びず、横に伸びていきそうです。
その為、このようなコンプレックスの場合は、何かにチャレンジして成長する、変化することでコンプレックスを無くしていく方法はとれなさそうです。
このようなコンプレックスの場合は、“受け入れる”という方法にチャレンジすることでコンプレックスを無くす試みをすると良いでしょう。
身長が低いことがコンプレックスになっている時は、身長が低いことを「私はこれで良いんだ」と受け入れきれていない状態と言えます。
そして身長が低いことが劣っているとか、良くないことという否定的な思いがあります。
そんな時は、受け入れることにチャレンジしてみましょう。
そして否定的な思いを弱める為に、色んな言葉を使って自分を肯定してみましょう。
例えば、
「身長が低いからといって私の人間性が劣っているわけではない。そこに引け目なんか感じ無くていい。
私は他に良いところいっぱい持っている。
たしかに身長が低いことで高いところの物を取りにくい不便さなんかはあるけど、人間は誰しも完璧ではないから得手、不得手や、長所も短所もあって良いんだ。
私は完璧でなくていいんだ。
私はこのままで良いんだ」
などと自分を受け入れることにチャレンジしてみるんですね。
受け入れることにチャレンジしても一発で受け入れられという物ではないかもしれません。
(そんなに簡単に受け入れられるなら、コンプレックスにもなっていないでしょう)
何度も何度も自分に受け入れることにチャレンジしていくことで、徐々に受け入れられるようになっていくことがあります。
例えとして身長が低いコンプレックスのことを書きましたが、容姿に関してのコンプレックス、能力に関してのコンプレックス、など他のコンプレックスも受け入れることにチャレンジすることで無くしていけることがあります。
●人に受け入れられることでコンプレックスが無くなるケースもある
カウンセリングをしているとコンプレックスになっている部分が人に受け入れらることで、コンプレックスでは無くなったというお話をお聞きすることがあります。
例えば、
「私は太っていることがコンプレックスだったんですけど、それがコンプレックスだということを彼氏に話したんです。
そうしたら彼氏は、僕はその体型の君を好きになったし、僕はそのままでいいと思うんだけどなぁと言ってくれたんです。
それを聞いたら太っていることを気にしてたことがどうでもよくなってしまったんです」
などのように、コンプレックスに思ってたことを人に受け入れられることで、コンプレックスが無くなったというお話をお聞きすることがあります。
コンプレックスを人に話すのは勇気がいることかもしれませんが、自分では、なかなか受け入れられないコンプレックスを信頼できる友達、パートナー、カウンセラーなどに話して、受け入れてくれる言葉をかけてもらうのもコンプレックスを緩めていく為の手段として取り入れてみるのもいいかもしれません。
(ただし、受け入れてくれそうな人を選んで言うこと。手厳しい言葉を言いそうな人は避けましょう)
身近な人でコンプレックスのことを話せるような人がいない場合は、他者を批判するのではなくお互いに受け入れあおうとか、他人を大事にしようなどの価値感を基本としたグループセラピーをしているところに参加して、他人に受け入れてもらう言葉をかけてもらう機会を持つという方法もあるでしょう。
●人は完璧ではない
人は完璧ではありません。
不得手のところがあってもいいし、苦手なことがあってもいいです。
どうか完璧ではない不完全な自分であって良いことを許し、受け入れてあげてください。
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一つ心のエクササイズをご紹介します。
不完全な自分であって良いことを許し、受け入れる気持ちを育てるエクササイズとして、
「私は完璧でなくて良い、このままで良いんだ」
と、受け入れようになっていこうという気持ちを込めて、声にだして言います。
それを一回切りで終わらさずに、毎日続けて言ってみます。そうすることで、不完全な自分であって良いことを許し、受け入れる気持ちを育ていきます。
よろしければお試しくださいね。
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ご自身を受け入れることができ、コンプレックスが緩まり、やがて無くなっていけるといいですね。
応援しています。
(続)
- 自分を大きく見せる優越コンプレックスタイプへの処方箋
- コンプレックスが刺激されると攻撃的になるタイプ
- コンプレックスを無くす〜成長する方法と受け入れる方法〜
- 心が傷つくことでコンプレックスができることがある