うまくいかないことでずっと自分を責める気持ち
あなたはなにか上手くいかないことが起きたとき
「ま、しょうがない、次だ次」と思いやすいでしょうか。
それともうまくいかなかったことを思い出しては
「なんであのとき・・・」「失敗したことがいつまでも辛い」
と感じてしまうでしょうか。
もし、あなたが何かしらの失敗や挫折を経験してつらい気持ちを抱え込みやすいならば、それは無力感の影響かもしれません。
逆に、この無力感に関して理解し、自分自身の気持ちを受容し、許しのプロセスを歩むことができるなら
いつまでもうまくいかないことで自分を責めなくてすむようになるかもしれません。
そこで今回は無力感をテーマに4回シリーズ講座を展開していきます。
○無力感とは
無力感とは罪悪感の一形態です。
自分は無力だ、知恵や力がない、能力がない、経験がない、などと自分を責める気持ちともいえます。
自分に何かがないからダメなのだと感じるという意味では、自分に価値がないと感じる無価値感と同じような性質がありますが
ここでは「自分に何かしら力や能力などがない」という意味合いで捉えていただくといいと思います。
これ、感じていていい気分になる感情ではありませんね。
ついつい自分を責めたり、後悔し嘆くことに繋がりやすい感情です。
だからでしょうか。
無力感が強い人ほど、自分を責めるだけでなく、できることにこだわり、できないことを過剰に恐れ、場合によってはプライドを高くして失敗しないように、傷つかないように備え続けている方もいます。
もちろん、そうしてしまうことがいい悪いという話ではないのですけどね。
○無力感が生じる理由を考える
そもそも無力感は「助けたい」「救いたい」「支えたい」「役に立ちたい」と思ったけれど、自分の力及ばずうまくいかなかった場合に生じる罪悪感のことを指します。
私達が生きていれば、誰かの助けになりたいと思ったけれど、実際には自分に力がなく相手を助けられない、という状況は多々あろうかと思います。
例えば
最愛の人が病を患ったが、自分はドクターではないので助けてあげられず、心苦しく感じる。
自分の子供がいじめを受けていることが判明。どうして早く助けてあげなかったのかと自分を責める親。
会社の同僚が深く悩んでいるから助け舟を出そうとしたが、相手のプライドの問題で拒絶され、嫌な気分になる。
いつも苦労しているお母さんを助けようとて、いい子にしていたり、お母さんの味方になり励ましたりしていたが、母親は一向に元気にならなかった。
同僚の仕事をサポートしたが、むしろ足手まといになってしまい心苦しい。
困っている人を見ると放っておけず、恋愛でも傷ついたパートナーばかり求めてしまう。
このように無力感は「助けたい」などの与える気持ちはあるのだけれど、それが何かしらの事情で実現できないとき
「自分は力のないダメな人」
という認識から生じることが多いです。
○無力感が強くなると生じる葛藤
無力感の強い人には、そもそもの与えたい気持ちがわかりやすく存在していることが多いです。
なので、会社や恋愛、結婚、地域などで必要とされる人も多く
「無力感」と「周囲から必要とされること」の間で葛藤される方も少なくないのではないでしょうか。
だからでしょうか。
無力感が強い人は「人から望まれたい・頼られたい・役に立ちたい」という気持ちと
しかし、望まれることに対する不安の両面を抱えやすく、自分でも何がしたいのかわからなくなる方もいらっしゃるようです。
また、あまりに無力感が強くなると
「これ以上無力感を感じたくない」
と人を遠ざける場合もあれば、無力感が強すぎて愛されるわけがない、相手から愛を奪うしかない、とネガティブな行動を取り始める人も出てきます。
これは多く「自分自身を認める」「自分自身を受け容れる」「自分の価値や自信を受け取る」という部分で大きなブロックになることが多いです。
よって、無力感が強めな人ほど、自分を認めないまま頑張り続け、疲れ果ててしまったり、やる気や生きがいを感じられなくなることもしばしばです。
では、次回は「無力感が引き起こす凹みやすさ」について解説していきます。
(続)
- 無力感について 〜うまくいかないことでずっと自分を責める〜
- 無力感が引き起こす「凹みやすさ」
- 無力感を引きずり続けてしまう理由
- 無力感からの解放を目指して