スモールスタートで苦手意識を乗り越える

着手しなければならないけれど、中々思うように手がつけられないでいる仕事ってありませんか?
もちろん、仕事には期限というものが必ずありますから、気分でやるものではなく計画的に進めるべきものではあります。

しかし、中にはどうしても苦手意識があったり、心のどこかで面倒に感じていたりするものもあるのではないかと思います。
だから「後から手を付けよう」と思っていても、不意に入ってきた急な用件に結構な時間をとられたり、やりたいと思うものに手を割いてしまうことなどもあるのではないでしょうか(かく申し上げる私もやってしまうことがあるんですよね)。
苦手なものにはなるべく近づきたくない。だから目を背ける。
でも、どうでしょうか?
嫌な事から一瞬逃げられたとしても、それがなくなる訳ではないのでストレスは再び襲ってきます。
嫌な事、苦手な事から目を背けることで安心感を得ようとしたのに、逆に不安を感じている状態になってしまいますよね。
私自身がよくはまる落とし穴なのですが、皆さんはいかがでしょうか。

■苦手意識によって想像してしまう不幸な未来

苦手意識をもっているものに取り組む時、真っ先に頭に浮かぶとすれば、散々苦労したにも関わらず、何も成果が得られなかったり、満足ゆくアウトプットが出せなかったり、或いはそのアウトプットを認めて貰えないなど、ポジティブな事を考えることができない場合が多いかもしれませんね。
その苦手な仕事にとりかかろうとすると、先にあるのは不幸な未来だけ。
だから、どうにかしてその不幸な未来を避けたいと思う気持ちがでるのはごく自然なことではないでしょうか。
それを想像することでわき上がるネガティブな感情から逃げ出すために他の事に目を向けたくなってしまっているのかもしれません。

■苦手意識から逃げ出した結果がもたらすもの

1、焦燥感
向き合うのが辛いと感じた結果、どうしても手を付けることが出来ないように感じます(大抵はcan notではなく、don`t want to)。
しかし先送りした結果は後から焦りという形で帰ってくることが結構ありますよね。

2、罪悪感
逃げてしまったという感覚、その仕事に対する責任を放棄したような感覚で、何もできていない感じ、自分を責める材料を作り出す事になってしまいます。

3、無力感
出来なかったことで自分の能力不足を感じる原因を自ら作り出しているようなものです。
いわば自分で自分の首を絞めているようなものですね。

4、防衛
でも、それでは余りに苦しすぎます。
だから、自尊心をどうしても保つ必要に迫られることになります。
そこで、自分に対する言い訳として何か障害物が必要になってきます。
「他にもやらなければならない仕事もあったしなぁ。」「急に依頼された仕事もあったから」「わからないことがありどうしても調べものをしなければならなかった」、果ては「この頃、体調が優れない」「昨夜はあまりよく眠れなかったから」
これは、「他にうまくいかなくなるに足る要因があって、この仕事はうまくできなかった。つまり、自分の能力が不足していたせいではない。」と感じ無意識に自分を守るという心の働きを表します(セルフハンディキャッピングと呼びます)。

ただ、「苦手なもの=余り慣れていないもの」であったり「知らないが故に漠然とした不安を抱えているもの」ということかもしれません。
だから、「未経験なことや知らない事は出来れば避けたい」「例え経験すれば非常に有益である事はわかっていても、今の安定した状態からの変化が怖い」といった具合に、安定をあまりにも求めすぎるため、新しい行動は非常に億劫に感じてしまうんですね。
この安定を求める心理状態を現状維持バイアスと呼びます。
では、どうすればこれを乗り越えてゆけるのでしょうか。

■苦手意識を持つ仕事に取りかかるには

苦手意識は簡単に消えるものではないと思うのです。
それを無理に打ち消す労力をかけるのも大変ではないでしょうか。
だから、アプローチの仕方を少し変えてみましょう。
具体的には、次の4つのステップを踏んでみるとよいかもしれません。

1、できるだけ計画を細分化する。
例えば、いきなり42kmのフルマラソンを走るような目標を立てたとしても、それを実現するのは非常に難しいことですよね。
大きすぎる目標にコミットすること自体にかなりのエネルギーを消費すると思います。
まずは今の時点で少し頑張ればできそうなところまでを目標に。
できるだけ毎日続けられることを意識してみると良いかもしれません。
その次は、できるだけ心理的負担を感じない範囲で、もう少し距離を伸ばしてみるなど、少し背伸びする位に目標設定を変えて
みるのもよいかもしれません。

2、細分化した計画の中でやるべき具体的な作業をリストアップ
細分化した計画の中で具体的にどのような作業があるのかを書き出してみましょう。
タスクはより具体的に。
文字に明確に書き出してみることでやることがはっきりします。
頭の中にあるぼんやりした状態をクリヤーにすることで何をやればよいのか、はっきりと意識できるようになり、意識できればより行動に移しやすくなります。

3、着手するのはできるだけ小さいところから
その上で小さなことから始めてみましょう。
ここが一番重要かもしれません。
タスクの中でも比較的やりやすいものからやってみると、実際に自分がコミットしている感覚がつかめるのではないでしょうか。
(達成したタスクは塗りつぶしていくと良いと思います。)

4、振り返る
定期的に、出来た事を中心にこれまでトライしたことを振り返ってみましょう。
このとき、塗りつぶされたタスクを眺めると達成感も得やすいのではないかと思います。

■まとめ

苦手な物に着手するには、具体的になるべく小さいタスクに分けて着手しやすい状態を作ることで、苦手という感覚を感じにくいようにしてしまう、いわば手を付けやすい状態にすることが大切かもしれませんね。

最後までお読み頂きまして有難うございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦関係などの男女関係から、親子や対人関係、ビジネスまで幅広いジャンルを扱う。 問題の中からお客様の輝きを見つけ出すことをモットーに、「どんなことも許容される”安心感”」を与えるカウンセラーである。 粘り強く問題と向き合う姿勢から「非常に丁寧に話を聞いてもらえる」と評価が高い。