パートナーの役割

私たちは、自分にないものを持っている人を求めるようです

こんばんは

神戸メンタルサービスの平です。

パートナーシップには魅力の力学というものがあります。

私たちは、自分にないものを持っている人を求めるようなのです。

私たちは一人で生きているときにはすべてのことを自分でやらなければなりませんが、2人以上のチームを組むと、そこには色々な役割が生まれてきます。

パートナーシップとは、ある意味では、2人でする団体競技のようなものなのです。

野球にピッチャーとキャッチャーがいるように、サッカーはゴールキーパーとフォワードがいるように、カップルにも色んな役割が存在します。

例えば、ポジティブなタイプの人のパートナーは、ネガティブなタイプということもよく起こります。

世の中では、ポジティブであることがよくて、ネガティブであることが悪いように言われたりしますが、すべての人が楽観的にものごとを考えすぎたとしたら、何かが起こったときの準備や備えなどはまったくなされていないことになるはずです。

ネガティブなタイプの人は、2人の間にどんな問題が存在するかを見つける役になっていることも多いようです。

ポジティブなタイプの人からすれば、「そんなことくらいで何をくよくよしているんだ」と感じるのですが、ネガティブなタイプから見ると「この小さなひび割れが、10年後にはどんな大きなひび割れになるか」を考えると、今すぐにでもこの小さなひび割れを修繕しておきたいと思うのです。

一方、ポジティブなタイプの人はネガティブな人が見つけた問題を解決していくという役割があるのかもしれません。

ポジティブな人は、自由な発想や多くの友人たちを上手に利用し、ネガティブの人が一人で抱えきれなくなっている問題をものの見事に解決していく能力があったりします。

しかしながら、ポジティブの人は愛想がよくて社交的ですが、深く物事を考えず、自分の力をはるか超えたようなことを約束してしまったりもします。

その結果、自分の首を締めることになったり、人生を台無しにしたりすることもあります。

しかし、ネガティブな人はこのような冒険は絶対にしません。

それくらいはできるだろうということですら心配性になったりします。

現実的な考えを持ち、堅実に着実に実行するということができる人なのです。

つまり、この2つの立場が一つに合わさることができたとき、2人はすばらしく成功するチームになれるわけです。

ところが、私たちは相手が自分と価値観が一緒ではなかったり、自分を支持してくれないと感じると、対立が生まれてしまうことがよくあります。

それが原因でカップルの関係が破綻してしまうこともとても多いのです。

しかし、まったく同じ価値観のパートナーを求めるのならば、パートナーシップを組まなくても、あなた一人で成功の道が歩めるはずです。

また、どちらかが得意でどちらかが不得意という場合や自立と依存という立場もあります。

例えば、親子関係では、親は一方的に子供に色んなものを与えていきます。

そして、子供たちがそれを受け取り、喜んでくれることこそが親たちの大きな生きる希望となり、日々を生き抜く力になるわけです。

役割、自立と依存、ポジティブとネガティブというのは、パートナーの間では、ジャンルによって立場が変わることもあります。

例えば、ビジネスではすごい自立のタイプでお金はたくさん稼いでくるだんな様が、料理やそうじ、せんたくなど家事に関してはまったく依存的で、奥様が自立の位置にいるというご夫婦や、普段はポジティブな彼が子供を持つことに関してはすごくネガティブなのに対して、いつもはネガティブな彼女が子供のことになると「何とかなるわよ」とすごくポジティブなるということもあります。

このように、2人の関係というのは色んなバランスの上で成り立っていることに気づいてほしいのです。

ところが、私たちは、自分が担当しているジャンルに関しては、なぜか自分ばかりがんばって、パートナーはまったくがんばっていないと不満を感じることが多いようです。

あなたがもし、そんな不満を感じるのなら、チェックしていただきたいのです。

2人の関係であなたのパートナーはどんな役割を果たし、あなたのために何を与えてくれているのかと。

私の友達のスイス人は、非常に有能なビジネスマンで、収入も多いのですが、家でも料理、選択、家事など、自分で全部やりたいのです。

彼に、なぜそういうスタイルなのか質問したとき、彼はこう答えてくれました。

「僕はいつも誰かにとって役に立つ人間である必要があるんだ。だからこそ彼女のように僕がすることをすべてを上手に受け入れてくれて、僕をほめ続けてくれる人が必要なんだ」

どんな形のパートナーシップでも、パートナーはいつもあなたの役に立っているのです。

 

では、来週の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。