あなたが選んだ人でないと、関係を維持することは難しい?!
こんばんは
神戸メンタルサービスの平です。
先日「恋愛心理学ですから、お見合いの相談には乗ってはいただけないのでしょうか?」というご相談をいただきました。
ご相談の内容が、お見合いについてよくあるケースだったので、今回はこれを取り上げることにします。
相談者の方は、30代前半の独身女性の方で、大学卒業後、実家を離れて一人暮らしをされているのですが、実家のご両親からお見合いの話を持ち込まれて困っているということなのです。
20代後半から、実家のお母さまが彼女にお見合いの話を持ち込んでこられていたそうなのですが、「結婚相手くらい自分で見つけるから」と断っていたそうです。
実際、何人かのボーイフレンドとおつきあいしたこともあったのですが、なかなか結婚には至らなかったそうです。
最近は年とともに少々弱気になってきたのと、お母さまの攻勢が強くなってきたのもあって、両親を安心させ、喜ばせてあげるためにお見合い結婚してもいいかなぁと思い始めたそうなのです。
そして、先日ついにお見合いをしました。
お見合い相手の方は、条件面では申し分のない人なのですが、実際会ってみてもいまいち魅力を感じないということなのです。
これといって悪いところはないけれど、決め手もないこの男性のことを彼女は断ろうと考えていたのですが、両親の攻勢が強く、そのうちお母さまから「この見合いの話を断るのなら、もう実家に帰ってこなくていい」とまで言われて困っているということなのです。
最近は毎晩のようにお母さまから電話がかかってくるしで、もうこの人と結婚してもいいかな、と思い始めたようなのですが、長い自分の人生を考えていまだに決めかねている・・・というのがご相談内容でした。
実は、私も34歳で結婚したので、同じような経験があります。
結婚していないというだけなのですが、ご両親の娘を思う気持ちの強さのために、相談者の方は結婚していない自分というものに強く罪悪感を感じていらっしゃるようです。
もちろん、両親はあなたを嫌な相手と結婚させたいわけではなく、何とかあなたに幸せになってもらいたい、そのために結婚をしてもらいたいと思っていらっしゃるだけでしょう。
ところが、私の場合もそうでしたが、両親に罪悪感をもってしまうと、この罪悪感を補償しようとして両親のために結婚しようかとまで思ってしまう人もいます。
しかし、こうなると結婚が自分の結婚ではなく、両親のためや誰かを喜ばせるための結婚である場合は「自分が選んだ」という選択力がなくなるので、後々夫婦喧嘩なんかが起こったときに、問題が発生してしまうのです。
相談してくれた彼女のようなケースでは、ご両親は必ずといっていいほど、いかにこの男性がすばらしいか、ということであなたを説得しようとします。
また、両親によっては、あなたはもう若くないとか、理想が高すぎるとか、わがままであるというふうにあなたをこきおろすことによって男性を持ち上げるタイプの人もいらっしゃいます。
あなたがこのようなシチュエーションで両親のために結婚したと想像してください。
どんな夫婦でも必ずケンカをしたり、相手が嫌になったりすることはあります。
そんなときにあなたはどう思うでしょうか?
「両親がすばらしい人だと言うから結婚したけど、ぜんぜんよくないじゃないの!」とか、「必ず幸せになれる人だと言ったくせに私に嫌な思いばかりさせるじゃないの!」など、ケンカをするたびに「やはり、両親は間違っていたのだ」と思います。
この男性をすすめた両親に責任をとってほしいという気分になってしまいます。
すると、何とかして相手との関係を修復しようという気持ちにならなかったりもします。
一方、これとはまったく逆に、両親が大反対しているにもかかわらず、あなたがぜひこの男性と結婚したい、と思って両親を説得して結婚したとしたらどうでしょう?
そんな状況での結婚したとしたら、夫婦ゲンカをしたとしても、あなたは自分の力でこの関係を何とかしようと努力されるはずです。
私たちがよく使う格言に「親のために結婚したら、自分のために離婚する」という言葉があります。
ここで私が言いたいのは、見合い結婚が悪いということではなく、結婚は必ずあなたが自分の意思で選ばない限り、長い結婚生活の中でうまくいかなかったときに自分のパワーを使うことができなくなってしまうということを言いたいのです。
もし、この相談者の方がお見合いの男性と結婚するとしても、両親が喜ぶからとか、両親のためだから、という結婚であってはならないのです。
あなたが選んだ人でない限り、結婚生活を維持することはなかなか難しいようです。
では、来週の恋愛心理学もお楽しみに!!