子育てにイライラするのはなぜ?~お母さんの自己肯定感と多幸感~

■子供を愛したいけど怒ってしまう

『子どもって可愛い。
何をしても許せる。
こんなにも我が子って愛おしいなんて』

自分の中にある ”愛” の部分を感じさせてくれる我が子は、宝物のように感じるかと思います。

『大事に大事に育てよう』

そう決めていたはずなのに・・・

最近子育てがツラい。イライラしてつい大声で怒ってしまう。
そして、そんな自分のことは好きになれないし母親失格なんじゃないかとも思う。

そう感じること、ないですか?

 

■イライラの原因は余裕が無いから

カウンセリングで子育てに関するお話しを伺っていると、「母親失格」そんな風に感じているお母さんってとても多いんですね。
私も子供が小さい頃は、つい子供を怒り飛ばしたあとに自分にウンザリしたり自分を責めたりしていました。
「私は母親に向いていない」と何度思ったかわかりません。

けれど私たちは、子供を産んだからといってすぐに母親になるわけではないんですね。
スッタモンダしながら少しづつ、子供と一緒に成長して母親になってゆくようです。

一日のほとんどを寝て過ごしていた赤ちゃんが、寝返りを打ち出しハイハイをし、やがて歩き出す。
その成長ぶりに喜びを感じる反面、近くに危ないものはないか、怪我をしないか、と親は常に気が張ります。
これは一種の緊張状態なんですね。
すると親の心に余裕がなくなってきます。
子育てに限らずですが、私たちがイライラするときって ”余裕” がないんです。

 

■罠にハマっていませんか

余裕がないと、客観的に落ち着いて物事をとらえることが出来なくなります。
ちゃんとやらなきゃ、早くしなきゃ、と自分を追い詰めてしまい、何かに追われるような気持ちになるので焦りも感じます。

余裕がなくイライラしているとき、私たちは自分のことを肯定的に見ることが出来ません。
というか、否定的に見ていることにすら気づけていないことが多いんですね。

子供にイライラしたり怒りを爆発させているときに
「あ、私は今イライラしているな」
「私は、今、猛烈に怒っている」
と客観的に自分を捉え、自分の感情に気づけないことの方が多いかと思います。

また、たとえ客観的に自分を見ていたとしても、イライラしていることや怒りを感じている自分を
「こんな私じゃダメだ」
と自分を否定していたり、これ以上その怒りの感情が噴出しないように抑え込もうとします。

けれど、これが罠なんですね。
感情は抑え込むのではなく、気づいて認めてあげると小さくなってゆきます。

怒りを感じているときに
「あぁ、私は怒っている」
と怒りに気づき
「そりゃぁ、あれもこれもでいっぱいいっぱいなんだから、怒りが湧いてくるのも仕方ないよね」
と認めてあげる。

これだけで、随分怒りは落ち着いてきます。

 

■自己肯定感を上げて多幸感に包まれよう

『イライラせず余裕をもって子育てをしたい。
どんなときも子供を優しく受け止めてあげたい』

そう願うとき、まずはお母さん自身の
・自己肯定感を上げる
・多幸感をたっぷり味わう
にチャレンジしてみましょう。

お母さん自身が自分を肯定していると、心にゆとりが出来ます。
子供が少々失敗したり粗相をしたり、悪態をついたりなんかしても、余裕があるので受け止めたり受け流したりしやすくなるんですね。

・自己肯定感を上げるには?

ではどうやって自己肯定感を上げればよいのでしょうか。
自己肯定感の上げ方は、人に親切にする・人と比べない・ちいさな成功体験を積み重ねる、などいろいろありますが、今回私がご紹介したいのが ”誰も見ていなくてもいいことをする” ということです。

「ん?」と思われた方もいらしたかもしれませんね。
そうなんです、”誰にも知られなくても” というところがミソなんです。

たとえば
・職場の廊下に落ちているゴミを捨てる
・スーパーの通路に転がっていたキュウリを元の売り場に戻す
・家のドアの回しにくくなっていた鍵穴に油を差す
など、誰にも知られなかったとしても実行してみてほしいのです。
そして、「いいことしたなぁ」としみじみ自分を褒めてみてほしいんですね。

なぜ人に知られないのが良いかというと、誰かの評価や誰かの承認に頼らなくてもよいからです。
人からの評価を得ようとしても得られないこともあるし、認めてもらえないこともあるかもしれません。

なので、人に頼らずに自分で自分を
「私ってけっこういい人じゃん」
「誰に知られることなくこういうこと出来るって、私ってヤルな~」
と自分のしたことを大いに評価して認める、というのがコツなんです。
人に認めてもらうのではなく、自分で自分を肯定し、認める。

とはいえ実は、すでに人知れず善い行いを、私たちはたくさんしています。
特に感謝されることもないような名前の無い家事や、人を思いやっていることって、見過ごしてしまいがちですが数え切れないほどあるはず。

・日常に埋もれた褒めポイント

掃除洗濯、ごはんの用意や日々の生活のための買い物や、笑顔での挨拶。
お風呂上がりの着替えの用意や、植物への水やり。
大きな段ボールをゴミの日に出しやすいようにコンパクトにまとめたり、みんなが帰ってきたときにホッと一息つけるように玄関の靴箱の上にアロマポットを置いてみたり。
意識していなくても、家族や誰かの健康や幸せを願って行動していることって限りなくあります。

それらは特別感謝されるわけではなかったとしても、たくさんの愛情を差し出していますよね。
それって凄いことだと思いませんか?
自分のしていることをちゃんと認めると、自分への肯定感が高まります。
自分を認めることが出来ているとき、とても心地よさを感じます。
それが多幸感です。
肯定感や多幸感を感じると心にゆとりが出来るので、なにかあっても落ち着いて対応できるようになりますよ。

これを実践してくれたお母さんが
「私ってすごく愛情深い良いお母さんだったんですね。子供を怒っちゃうこともあるけど切り替えも早くなったし、最近子育てが楽しいんです」
とキラキラの笑顔で報告くださったことがあります。

是非、チャレンジしてみてくださいね。
応援しています。

来週は、那賀まきカウンセラーがお送りいたします。
どうぞ、お楽しみに♪

 

[子育て応援]赤ちゃんの頃から、思春期の子、そしてそんな子どもたちに関わる親とのお話を6名の個性豊かな女性カウンセラーが、毎週金曜日にお届けしています。
この記事を書いたカウンセラー

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恋愛や夫婦、浮気、離婚などのパートナーシップから対人関係、子育て、また、死や自己受容のテーマなど幅広いジャンルを得意とする。 女性的で包容力があり、安心して頼れる姉貴的な存在。クライアントからは「話しをすると元気になる」「いつも安心させてくれる」などの絶大なる支持を得ている。