負けて目覚める

カウンセリングサービス、山田耕治です。
いつもビジネス心理学を読んでいただきありがとうございます。

私は、このお盆休み、高1の次男、中1の三男と呉の実家に戻ったついでに、一緒に、呉冷麺を食べること、大和ミュージアムに行くことを計画しました。

呉冷麺は平打ち面と甘酸っぱいスープが特徴で、私はワンタンのトッピングがおすすめです。

が、しかし、呉冷麺は開店前から長蛇の列。
今回はお腹空きすぎて断念しました。

ということで、もう一つの計画、大和ミュージアムは実行することができ、そこで、心にずっしりと残る重い言葉と出会ったので、今日はそれをテーマとさせていただきました。

『大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)』は、戦艦「大和」を建造、戦後は、世界最大のタンカーを数多く建造してきた「呉の歴史」と造船・製鋼を始めとした「科学技術」を紹介する博物館です。

常設に加えて、特別展(今回は航空母艦がテーマでした。)や子供たち向けの科学のイベントも行われます。

三人それぞれ別々に見学しながら回りました。
感じ方受けとめ方もそれぞれですからね。

私は久しぶりの二回目だったのですが、初回は全く気づくことができなかった、ある展示の前で、足が止まりました。

そこには、戦争より生還した作家の吉田満さんの著書『戦艦大和ノ最期』から、進歩への願いとして、臼淵馨大尉の言葉が取り上げられていました。

その言葉が、『負けて目覚める』です。

出撃前の前夜に、兵士たちの激論や乱闘寸前の状況があったようです。
しかし、臼淵馨大尉の話に兵士一同は納得し、決意と覚悟を固めたとのことです。

大尉の話の詳細は、それぞれに見学やネット検索していただき、その感想も個人に委ねることとさせていただきます。

今の私たちとそのような状況とは比べることもできませんし、軽々しくこのような場で扱うべきではないと意見もあろうかと思いましたが、今日は、この出会った言葉を、あえて、今のビジネスパーソンとしての私たちにも届けられる純粋な学びと心理学的メッセージとしてとらえてみたいと思ったのです。

私たちも負けを受け入れることで目覚めることが求められることがあるように思います。

負けを認めることで初めて自分を修正することができ、新たな自分になれることがあると思います。
新しく前に進むことができると思います。

負けることは辛い。
負けることは悔しい。
負けることは悲しい。

ビジネスというリスクを背負った取り組みですから、成功すれば失敗もあります。

もちろんビジネスだけではありません。
恋愛だってそうです。
そこには自分の人生の時間をかけた思いと取り組みがあります。

勝つまでやり続けるということも言われることもありますが、負けることを許さずでは、ただただ疲弊していく私たちもいます。
ビジネスパーソンとしての限られた大切な時間も流れていきます。

まだ自分の準備が整っていないのかもしれない。
相手あっての取り組みなのかもしれない。

それなのに自分だけの拘りや所為として、どんどん泥沼にはまってしまう。
とてつもない疲労困憊、取り返すことの出ない時間の経過、そのまま取り返しのつかない状況になってしまうこともあります。

一端、そこで負けを受け入れることで、その状況は止まります。
かつ新たな目覚めがそこであれば、結局、それは負けではなくなるのです。

その時点の負けはこれからの人生の成功に向けた一つのプロセスとなる。

そこにはもう一つ大切なことがあるように思います。

臼淵馨大尉の言葉は自分はいなくなるけれども、残る人々も当然に目覚めてくれるという希望、願い、信頼を持った言葉でもあるんだと思いました。

そこには、日本の新生、という言葉がありました。

自身がこれからの日本の新生という全体の一部分なんだという強い思いを感じました。

負けて目覚めることは、ひとりぼっちのわだかまりや疲弊ではなく、自分と関係する人々とのこれからの人生に、希望、願い、信頼を持つことを選択するエネルギーのほとばしりなんだと思いました。

負けるが勝ちという言葉もありますが、負けて目覚めるとは、新たな再生への信頼であり、そこには、もっと強烈な、とても力強い自身の選択の力が溢れていると思います。

今、どんな、みなさんがいるでしょうか。

負けを受け入れ、握りしめている何かを手放し、目覚める、新しい私になることが求められてはいませんか?

出撃前の前夜の兵士たちの激論や乱闘寸前の状況のように、私たちの心の中にも、葛藤やせめぎあいがあるのも当然です。

そのようなどうしようもない心のぶつかり合いがあったからこそ、臼淵馨大尉の言葉が皆の心に響いたのかもしれません。

そのような心の葛藤やせめぎあいを抑え込むのではなく、例えば、カウンセリングを通じて、言葉として、感情として、解放することも大切なプロセスとも思います。

自身の一生を何とか肯定していきたい私たちがいるからこその葛藤であり、せめぎあいなんだと思うのです

それでも、その葛藤やせめぎあいを越えて、私たちのこれからを信じ、目覚めることを選択する。

目覚めは、それまでのすべてが、たとえ、それまでは責めたり、攻撃したりしていたものでさえ、すべてを一体としてとらえることができるのだと思います。

すると決意と覚悟が固まります。

うまくできなかった仕事。
退職した会社。
挨拶もしなかった彼ら。
別れを告げた人々。

すべてを一体にすることができます。
そこには攻撃も責めもなにもありません。
そして、自分も、その一体の一部であることが体感できます。

心がとても透き通り、穏やかになります。

みなさんの負けとはどんな負けでしょうか。

目覚めとはどのような目覚めでしょうか。
どこに向かうあなたがいますか?

『負けて目覚める』

私たちに個々もその力強いその選択をしていきませんか。
そして、新たに修正した自分で、前に進むのです。

穏やかな平和な世界がそこには待っているように思うのです。

今日は終戦記念日でした。

平和への感謝とともに改めて、平和への祈りと選択をしつつ、今日は終わりたいと思います。

山田のカウンセリング、そうそう、呉冷麺、大和ミュージアムも加えて、ご縁があれば幸いです。
選択をお待ちしております。笑笑

今日も最後までビジネス心理学、読んでいただき、ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

1967年広島県呉市生まれ。早稲田大学法学部卒。家族は妻と小学生の息子3人。 恋愛、婚活、夫婦、家族、職場等、対人関係全般が得意。 臨月で子を亡くした喪失体験が人生に大きく影響し、18年勤めた会社を退職、心理学を学び直し2010年プロカウンセラーに。現在はサラリーマンとのWワークを推進中。