我慢の恋の手放し方~ロマンス期が落ち着いて不安になった時の我慢

ロマンス期が落ち着いて不安になった時は、言動=愛の大きさとは限らないことを学ぶ時

ロマンス期が終わって恋愛が落ち着いてきた時に相手の愛が冷めたように感じる時があります。そこで相手に合わせることを優先する等の我慢をすると、自分らしさや気持ちを抑え込むことになり、いつか爆発してしまいます。我慢の恋は自分も相手も苦しめることになります。我慢の恋を手放すための連載記事です。

我慢の恋は辛いです。

恋愛や夫婦関係のご相談の中で「我慢」がテーマになってくることはよくあります。

誰だって我慢したくてしているわけではありませんが、これを止めるのもなかなか難しいものです。

しかし、我慢の恋は自分が辛いだけではなく、相手に取っても辛いもの。

今回の連載記事では、いろいろなケースの我慢について例を取りながら、我慢の恋を卒業して、自分らしく、お互いが幸せな恋愛をしていくために大切な視点についてお伝えしていきます。

◇ロマンス期が終わった後にやってくる不安

恋愛において、付き合ってある程度の期間が経つと、当初のロマンス期が終わって次の段階に入っていきます。

この時期は、相手の恋愛熱も落ち着いてきて、ロマンス期ほどの情熱とか積極性が見られなくなることも多いです。

だからといって、愛情が変わっているわけではないことも多いのですが、この時に、相手の愛情を疑ってしまうことがあります。

例えば、こんなご相談でカウンセリングに来られた場合。

「最近、彼が好きって言ってくれなくなったんです。
付き合いだした時は、いつも言ってくれたし、デートの時は常に前のめりでわたしのことを見てくれてました。
もう冷めちゃったのかなと心配になって、それからは彼の顔色ばかりうかがって、食べたい物とかデートの行き先とか、彼のことを優先していたら、こないだ私が爆発してしまって・・・」

どうしてこんなことになってしまったのかと言うと、それは「我慢」してしまったからなんですね。

我慢は積み重なると爆発することがあります。

問題は、この我慢の中身、なんです。

◇最初のように愛してくれないのは私のせい?

恋愛当初は情熱的だった相手が落ち着いてくると、自分への愛情が冷めたのではないか、と不安になることは誰にでもあります。

しかし、その時に「その原因が自分にあるのではないか」という不安に捕われすぎてしまうと、相手の顔色をうかがってしまい、自分の気持ちを抑えても相手に合わせてしまう、なんてことが起こり得ます。

デートの時に、自分が食べたいものより彼の食べたいものを選んだり、行きたい場所や、観たい映画、ライブなどを彼のご機嫌を取るように、合わせてしまうこともあるんですね。

しかし、これは自分の気持ちを押し殺して一緒にいることになりますから、最初のうちは我慢できても、どんどん不満が溜まってきて、最後には大爆発を起こす、なんてことになってしまうのです。

◇愛される価値がないという思いが我慢を生む

こうした時は、不安になるのは当然な状況だし、すると相手に合わせたくもなります。

でも、どうしてそこまでして我慢してしまうのでしょう。

それは「自分には愛される価値がない」と感じているからなんですね。

この思いが強ければ強いほど、自分を抑えて相手に合わせてしまいます。

なぜなら、価値ない自分が思いをまっすぐ出したら嫌われる、と思ってしまうからなんです。

さらに、過去の恋愛で自分の思いを出していたら、わがままだと嫌われた、なんて経験があったりしたら、もっとこの思いは強化されてしまいます。

自分を出せない、我慢してしまうのにはきちんとした理由があるからなんですね。

では、どうしたらここから抜けていけるのでしょうか。

まずは、自分がこんな理由で我慢していることに気づくこと。
そして、こうした自分のことを否定せずに、そのまま受け入れてあげることです。

次に、ロマンス期が終わると情熱は落ち着いてくるということに意識を向けること。

ここで大切なのは「態度が変わっても気持ちが変わったとは限らない」ということを覚えておくことです。

自分のせいじゃなくて、二人のロマンスが落ち着いてきたからかもしれないと捉え直してみましょう。

さらにその次には、彼の気持ちを確かめてみる、という段階に入っていきます。

彼の好きが減ったからといって愛情が減ったとは限りません。
また、あなたが自分の気持ちや要望を出して嫌われるとは限りません。

それどころか、思っていることを教えて欲しい、我慢されたらその方が辛い、とパートナーが感じていることも多くあるのです。

このことを踏まえて、相手としっかりコミュニケーションをしていこう、と思ってみてください。

それが怖くて我慢してしまうのですが、我慢は結局、自分も相手も苦しめることになります。後から大爆発してしまったら、もっと苦しいですよね。

「愛情が冷めたの?」とは聞きにくいものですから、まずは「私の食べたいものとか、行きたい場所とか、リクエストしてもいいのかな?」というところから始めてみてください。

そして、二人で楽しめることを話し合って見つけていくことを見つけていきましょう。

パートナーシップは一人で進めていくものではなく、二人で成長しながら進んでいくものです。

自分の思い込みのワナに気をつけて、相手の気持ちを確かめながら、共に歩いていくことに意識を向けてみてください。

(続)

心理学講座4回シリーズ/同シリーズ記事はこちら
  1. 我慢の恋の手放し方~ロマンス期が落ち着いて不安になった時の我慢
  2. 笑顔がやめられない我慢の恋
  3. パートナーとの関係以外の我慢の影響〜我慢に気づけてないという視点を持つ〜
  4. 我慢の恋のルーツ〜自分の本当の優しさと愛情を知る〜
この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。