■秩父神社の立札「親の心得」と「子育て四訓」
埼玉県の秩父神社に「親の心得」という立札があるそうです。
赤子には肌を離すな
幼児には手を離すな
子どもには眼を離すな
若者には心を離すな
と書かれているんだそうです。
同じような内容で「子育ての四訓」というのもあります。
乳児はしっかり肌を離すな
幼児は肌を離せ手を離すな
少年は手を離せ目を離すな
青年は目を離せ心を離すな
子どもの成長に合わせた親の関わり方を上手に表した言葉だなぁと思います。
今日は、これらの言葉から感じた子育てのヒントについて書いてみたいと思います。
■親離れより子離れのほうが難しい!?
親離れより子離れのほうが難しいと言われます。
わたしたち親にとって、子どもはいくつになっても子ども。
ついつい余計な口出しをしたり、おせっかいを焼いたりしてしまいます。
もっとも、これは、自分たちの親も同じようで、
50を過ぎた娘や息子を子ども扱いする80代の親・・という話もよく聞きます。
生まれ育った時代に関係なく、親にとってはいくつになっても子どもは子ども、ということなのかもしれません。
いつまでたっても、たくさん関わっていたいとも思いますし、つながっていたいとも思います。人生の先輩である「親」から見れば、子どもの言動は未熟で危なっかしいものにも見えますから、心配も尽きません。
でも、子どもは子どものペースで成長し、自分の足で歩いていこうとしています。
私たち「親」はつい、このことを忘れがちになるようです。
■思春期の子どもたちは矛盾だらけだから、親も振り回される
思春期の子どもは、あれこれ手を焼かなくても、自分で様々なことをこなすことができます。けれども、まだまだ人生経験は未熟だし、何もかも全部に責任を持つことはできません。
親から干渉はされたくない。
自分で何とかしたい。
そう思う反面、
親なんだからこれくらいわかってくれたっていいでしょ。
親なんだからこれくらいするのは当たり前だよね。
という甘えもある。
こんな思春期の子どもと付き合っていると親の方も振り回されてしまいます。
言っていることのつじつまが合ってない!とイラっとする。
危なっかしくて放っておけない。
この子、将来のこと、ちゃんと考えてるのかしら?
何も言ってくれなくて考えていることが分からない、と不安になる。
こんなときに、心は離さず、手も口も出さないのはとても難しいものです。
手を出す。
口を出す。
そして、思い通りの反応を返さない子どもたちを見ては、「わたしはこんなにあなたのことを思っているのに・・」と腹もたつ。
しかし、これでは子どもといっしょに迷路を歩いているようなものです。
■子どもは親の生きざまを見ているから
親とは、迷路を歩いているわが子を迷路の見える高台から見ていて、
「おぉ、うちの子がんばってるなぁ~。結構やるなぁ~。」とわが子のすばらしさを堪能し、子どもから「助けて!」のサインが出たら、「はいはいはーい!」と助けに行く。
そんな存在なのではないでしょうか?
とはいえ、思春期の子どもたちは「助けて」のサインを上手にだせないお年頃ですから、子どもから心を離してしまうとサインを見逃してしまいます。
手も出さず、口も出さず、心は離さない。
そんな子育てに必要なのは、親自身が自分の人生をしっかり生きているという自信です。
困った状況になっても何とか乗り越えられる。
乗り越えられそうもない時には助けを求める。
大切な人と共に生きることはとても幸せなことだと言える。
あなたのお母さんであることは私の誇りで喜びだと思える。
そんなことを感じられる人生を歩もうともがくこと。
そんな姿を子どもに見せること。
親は子どもが一番身近に見る「大人」です。
だからこそ、子どもをいつくしむように、自分自身のこともいつくしむ。その姿を子どもたちにみせてあげることが大切なのだと思います。
あなたの子育て、応援しています!
次週は池尾千里カウンセラーが担当します。
どうぞお楽しみに!