どうして私はパートナーを強い言葉で詰めてしまうのでしょうか?
悲しいすれ違いが起きないためにも「素直な自分を認めて表現する」ことにチャレンジしていきませんか?
「いったい、どういうつもり?」
「なんとか言ったらどうなの?!」
パートナーとの間で不満や嫌なことがあったとき、強い言葉で詰めてしまい大ケンカになってしまいます。といったご相談をお伺いすることがあります。
そんなふうに言われたら傷ついたり腹がたつだろうなとも思うし、自分もやられたら辛いからやらないほうがいいよね、と頭ではわかっているのだけれど思わず詰めてしまう。
とくに、職場や友人などには絶対しないのに、なぜか、パートナーにだけは抑えきれずにやってしまうというお悩みを抱えていらっしゃる方は少なくないようです。
今日は、どうしてパートナーを詰めてしまうのかの心理と、改善へのヒントをご紹介します。
*自立しすぎると、自分の依存心を素直に表現できなくなる
相手を詰めてしまう背景には「不安や苦しみを相手に解消してもらいたい」という、隠れた依存心があることが多いです。
寂しいから、そばにいてほしい。
ひとりでは抱えきれないから助けてほしい。
大好きだから、ずっとそばにいて欲しい。
そういった依存心は、誰でも持っているものですから、それ自体は悪いものではありません。
ですが、「誰にも頼らず、頑張って生きる」という自立的に生きることが板につき過ぎていると、こういった依存心を持っている自分を嫌ってしまうため、本心では助けを求めているにも関わらず、素直にその気持ちを伝えることができなくなってしまうのですね。
その結果、
「寂しい」と素直に言えないかわりに「いったい、どういうつもり?」
「助けてほしい」が素直にお願いできないかわりに「私のこと、バカにしてるんでしょ?」
「ずっとそばにいて欲しい」と素直に言えないかわりに「将来のこと、考えているなら言ってみてよ!」
こんなふうに相手を詰めるような言葉で伝えてしまい、パートナーとの間が気まずくなってしまう・・みたいな状況が出来上がりやすくなってしまうのですね。
また、日頃、自立して周りの人のために頑張っている方ほど「パートナーぐらいは私を甘えさせてよ!」という欲求も出やすくなりますから、パートナーにだけ強く当たってしまう、ということが起きてしまうようです。
*素直な気持ちを伝えることは、相手の愛を受け取るということでもある
ですから、この課題を乗り越えていこうとするときには「自分の素直な気持ちってなんだろう」「パートナーに本当に伝えたいことってなんだろう」と自分の心を見つめ直して「素直な気持ちをパートナーに伝える」というチャレンジを積み重ねていくのが大切になってきます。
できそうなところから、素直な気持ちを言葉にして伝えてみる。
そのときはうまくできなくても、すこし冷静になってから「本当はこう思っていたんだ」と伝えてみる。
そんな、小さな成功体験を積み重ねていくことが有効です。
伝え方を変える、という面も大切ですが、素直な気持ちを伝えることで「誰にも頼らず、頑張って生きる」自立的な生き方から、パートナーに素直に助けを求めることができると、お互いに等身大で過ごせる関係を築いていくことができるようになるのですね。
*どうしても、素直になれない時には・・
ただ、長年ものすごく自立して生きてこられた方の中には「自分の気持ちを素直に表現する」ことに大きな抵抗がでてくることも少なくないようです。
頭ではわかっていても、屈辱感や負けた感を感じてしまい、つい、本心と違うことを言ってしまったり
いまさらそんなことを言うだなんて恥ずかしい、柄じゃないと感じてしまい、どうしても素直になれません!といった抵抗を感じる方もいらっしゃるでしょうし
「そんなことを言ったらパートナーの迷惑になるのではないか」と怖くなってしまう人もいらっしゃるかもしれません。
そんなときには、「あなたにとって大切な人」を思い出してみましょう。
たとえば、あなたの大切な人が、辛さや寂しさを一人で抱えて耐えているとしたら、あなたはどう感じるでしょうか。
大切な人が勇気を出して、自分に素直な気持ちを伝えてくれて、頼ってくれたとしたら、あなたは何を感じるのでしょうか。
信じてもらえて嬉しかったり、何をしてあげたらいいか分かりやすかったり、ときには「なんだか可愛いなぁ」なんて愛しさを感じる方も多いと思うのです。
あなたと同じように、あなたのことを大切に思う人は、あなたの素直な気持ちを知りたい、力になりたいと思っています。
そして、あなたが素直に助けを求めるということは、あなたの大切な人の愛を受け取るということでもあり、あなたと大切な人との間に安らぎを与える行為でもありますよ。
パートナーと助け合えるいい関係を築くために「素直な気持ちを伝えて、自分を助けさせてあげる」というチャレンジを、どうぞ、重ねてみてくださいね。
参考になれば幸いです。
(完)