我慢の恋のルーツは自己価値の誤解から。自分の中に大きな優しさと愛情があることに気づく時
我慢の恋を手放していくための連載、最終回です。
3回に渡って、我慢の恋についての3つのケースをお伝えしてきました。
そもそも、こうした我慢の恋をしてしまうのはどうしてなのでしょう。
今回は、我慢の恋のルーツについてお伝えしていきます。
◇我慢のルーツは幼少期にあるという視点
我慢強さのルーツは、幼少期にあるという考え方がありあります。
例えば、小さい頃から良い子をやり続けてきたような場合。
家族の期待に応えるために優等生をやり続けてきたとか、家族を元気にするために良い子で居続けた。
これって、幼い時であればあるほど、ものすごく我慢しないとできないことです。
中には勉強が大好き、スポーツが大好き、とやりたいことだから努力も苦にならないようなケースもあると思います。
しかし、カウンセリングでいろいろな方のお話を伺っていると、我慢してがんばってきた方がとても多いと感じないではいられません。
このやり方を続けていくと、成人して社会に出ていくと、仕事の面でも、パートナーシップの面でも、同じやり方で我慢してしまうといったことがよく起こります。
自覚している場合もあるのですが、無意識にやっていて、何か問題が起こった時に自分の内面を整理して気づかれる方も多いのです。
◇自分の価値を誤解するから我慢してしまうという視点
先の幼い時からずっと良い子だったという場合。
例えば、親がケンカばかりしていた等で家族の雰囲気が暗くなるような時、この家族に希望を与えたいとがんばって学業やスポーツに打ち込んで成果を出す、みたいな場合があります。
こうした場合、子供心に「大好きなお父さんとお母さんはどうしてケンカしてるんだろう。この暗い雰囲気はどうして起こってるだろう。」と激しく悩みます。
ところが子供の小さな心ではその理由がわからないために「自分が悪い存在だから、こんなことが起こっているのではないか」と誤解をしてしまう場合があるんですね。
大人になった今から振り返れば、それは親の事情であって、子供は関係ないことがわかりますが、当時の幼い心では自分のせいにしてしまうこともあるのです。
すると、それを挽回すべく辛くても悲しくてもがんばって良い子をやり続けます。
その結果、少しでも親が喜んだり、家族の雰囲気が良くなると、
「この方法なら大切な人の役に立てる」
と感じるようになります。
これを大人になっても、大切な人の前で再現してしまうのですね。
◇自分は存在しているだけで家族の救いだったことに気づく
我慢したら役に立てる。
この我慢は、親や家族への愛からきています。
だから、止めるのが難しいのです。
ではどうしたらいいのでしょう。
それは、大元になっている
「自分が悪い存在だから、悪い出来事が起こる」
という誤解を解けば良いということになります。
そもそも、こんな風に悩み、我慢して、がんばれること自体が大きな愛がある証拠。
この話は、今回の連載で何度もお伝えさせていただきました。
「自分は悪い存在だから我慢してがんばらないと役に立たない」
では決してないのです。
「こんな思いが持てるほど、自分は優しさと愛情が大きい子供だったんだ」
これが答えです。
そして、そんなあなたは大人になっても大切な人のために、自分が一番役に立てるやり方を使っています。
大人になってもあなたは優しさと愛情が大きい心を持ち続けているのです。
このことに気づいてあげてください。
◇「我慢しなくていい」練習をしていきましょう。
この自分の本当の優しさと愛情をいつも思い出しながら、
我慢しなくていい
弱音を吐いていい
一人でやらなくていい
を練習していきましょう。
まずは小さいことからチャレンジしていきます。
今回の連載でもいくつかやり方を紹介させていただきました。
パートナーに、小さいことでいいから手伝ってもらう、頼んでみる。
言える範囲でいいから、今まで伝えたことのない気持ちを伝えてみる。
聞ける範囲でいいから、相手の気持ちを聞いてみる。
パートナーにやりにくいことは、職場の人とか、友達など、やりやすい人から始めてみてください。
そうやって、この我慢を手放していきながら、二人で一緒に楽しめることを探していきましょう。
二人の将来の目標(ビジョン)を段々と描いていき、具体的にしていきましょう。
我慢の恋を手放す時は、自分の優しさと愛の大きさを知る時。
それをパートナーに使っていけるチャンスになるのです。
(完)
- 我慢の恋の手放し方~ロマンス期が落ち着いて不安になった時の我慢
- 笑顔がやめられない我慢の恋
- パートナーとの関係以外の我慢の影響〜我慢に気づけてないという視点を持つ〜
- 我慢の恋のルーツ〜自分の本当の優しさと愛情を知る〜