不登校の何がわるい

おととしの今頃は、本当に大変でしたっけ。

6月から、高校生だった娘が、ある日突然、不登校に。
10月から、中学生だった息子が、不登校に。

コロナ禍でもあった学校生活は、窮屈だったかもしれません。でも、どうしてうちの子だけが、こんなことになったのだろう??どうして??どうして??

平日なのに、家族全員揃ったお昼ご飯。
なんとも複雑な日々を送っていたのでした。

■不登校が始まった頃

先ほども申し上げたように、同じ頃に、きょうだいふたりともが不登校になったんです。
娘の不登校は、突然だったけど、ずっと我慢して、頑張ってたんだなって思いました。その日から、声をかけるのも躊躇するくらい、心底しんどそうで、ぐったりというか、よろよろというか、弱くなっていたんです。

とても「学校へ行け」なんて言えない状態になりました。
夫とも、自分から行くというまで、何も言わないでおこうと話しました。

娘のことでワタワタしている間に、もともと学校も幼稚園もキライだった息子が、ますます登校を渋るようになってきました。
毎朝、行くの行かないの、押し問答をすることに、私たち親が疲れてしまいました。
ある日、夫が言いました。

「もう、無理強いはやめよう。オレ、疲れた」

私も同じ気持ちでした。
嫌がる息子を叱ったり、なだめたり、もう、うんざりしてしまったのです。

叱るのも嫌だったけど、息子がしんどそうなのを見るのが、耐えられなかったのでした。
翌日から、私たちは何も言わないので、不登校になりました。ま、想定内でしたけれど。

でも、他の子はみんな、普通に学校に行っている。勉強している。部活もしている。
なのに、うちの子は、どれも出来てない。

この子の人生、大丈夫なんだろうか。
取り返しのつかないことになっているんじゃないだろうか。

そんな思いが、毎日ぐるぐるして、何かできることはないか、ネット検索したり、本を買ってみたり、スクールカウンセリングにも、私たちが行ったりしました。

まさに、私たち親が迷走していたんです。

 

■子どもたちが元気になった!

子どもたちが家にいるのも、慣れてきた頃、ふと気がついたんです。
あれ?子どもたち、元気になってきたんじゃない??

ベッドに昼過ぎまでもぐっていた娘も、リビングでくつろいでいることが多くなりました。
あんなに好きだったゲームを一切しなくなっていた息子が、ゲームをし始めました。

「ゲームしてる!よかった!」

と思ったのは、自分でも笑ってしまいましたが、子どもが好きなことができなくなるなんて、一大事です。だから、よかった!って、心から思ったんです。

子どもたちが、なんだか少しずつ元気になってきたことは、私たち親にとっては、本当に嬉しいことでした。心配で硬くなっていた心が、ほわっと温かくなるようでした。

学校に行くよりも、子どもたちが、子どもらしく元気でいることは、何百倍も何万倍も大事なことだと、思い知ったのでした。

もちろん、私たち親が元気でいることは、一番大事ですけれどね。

カウンセリングでも、母親だけで子どもの問題を背負ってしまうと、元気でいることも、機嫌良くしていることも難しくなりますから、ご主人も一緒にってお話しするんです。

夫に話して、何か解決するわけではないかもしれないけど、一緒に同じ問題を共有してもらうことは、とても助けになります。

私も夫も、一緒に右往左往する仲間でした。
ひとりで右往左往するより、ずっと楽でした。立っていられましたよ。

子どもが元気ない時、私たち親は、なんとかふんばらないとですもんね。そのためには、ひとりでやらないことです。

 

■親より、子どもたちが困ってた!

子どもが元気になってくると、私たち親よりも、自分のことを心配しているのは、子どもたちのほうでした。そりゃそうですよね。私たちは、子どもたちよりも何十年も長く生きているんですから、視野も、知識も経験もあるわけです。

子どもたちは、自分のことをとても心配していたし、これからどうしたらいいかは、助けが必要でした。

元気になってくると、自分の気持ちが話せたり、どうしたいかの方向性みたいなものが、自分の中に出てきたようでした。

医学的なサポートや、カウンセリングなどのサポートを受けたのも、本人の希望があってのことでした。
家族以外の人たちとの会話は、子どもたちにも、新しい視野や考えを生む、良いきっかけになったようでした。

子どもたちは学校に行こうとしていたし、私たち親も、それが目標みたいに思っていたけど、お医者さまの一言には、驚いたり、ホッとしたりしました。

「学校なんてねー、行かなくていいからねー」

行かなきゃ行かせなきゃと焦っていた私たち親子にとっては、肩の力がうまく抜けた瞬間でした。

それを聞いた子どもたち。
じゃあ、学校行かないのかなーと思ったけど、やがて行き始め、現在は、毎日行くようになりました。

先生は行かなくていいって言ったけど、行く、という選択をしたのは本人でした。

 

■親ができること

子どもの不登校を経験してみて(あ、また行かなくなるかもですが)親ができることなんて、そんなにないなーって思います。

いつもどおり、ご飯作るとか、一緒にテレビ観るとか、おやつ一緒に食べるとか、子どもが話す時は聞くとか、カウンセリングの送迎とか、そんなかんじで、びっくりするようなことないんですよね。

変わらずいつもどおりが、一番大切なのかもしれません。

学校行っても行かなくても、同じかわいい我が子ってのは、変わりませんものね。

ふつうって何かなって思うようになりました。

多勢派がふつうで、少数派がふつうじゃないことになっているかもしれないけど、そんなのいつひっくり変えるかわからない。

だったら、自分はどうあって、何が好きで、何したいかが一番大切にしないといけないことかなと思います。それが、人生を切り拓いていく時に、携えるべきもので、考えたり悩んだりするなら、ここ大事!って思います。

まだ、子どもですから、自分のこと、うまく探せないようです。
しなきゃとか、できないのがよろしくない、きっとできない、とかが先に来るから(真面目だ)、自分のことを良いものとして、未来を見ることがむずかしい時もあるんですよね。

でも、親なら、子どもの良いところ、かわいいところ、知ってるものです。
親が子どもを愛するということは、それだけで、子どもたちに良い影響があるものです。何か気の利いたことを言うよりも、簡単です。

不登校の何がわるいんでしょう。

多様化が進みまくっている現代に、学校が合わない子がいたり、同い年の子ばかりのクラスが馴染めない子がいても、不思議なことでもなんでもないです。

子どもは「学校に行けない自分がわるい」って思っています。わるくないです。

理由があるはずです。
それを、一緒にみつけてあげるのは、私たち親としてできることの1つかなと思います。
わかると対処できることがあるからです。

子どもはひとりで抱えています。
それをサポートする私たち親は、いろんな人とつながりながら、サポートを受けながら、行きましょう。子どもたちに合う方法、場所、きっとあります。

もう一度言いますよ。

不登校の何がわるい!
うちの子は、わるくない。

そして、親であるあなたも、わるくないですからね。
一生懸命がんばっている、良いおかあさんですよ。

でも、子育てで、八方塞がりな感じがしたり、息が詰まったりすること、あるものです。
そんな時こそ、ひとりで抱えず、だれか信頼できる人にお話ししてみてくださいね。

カウンセリングも、そんな時にこそ使っていただくと良いと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
お役に立つことがあれば、嬉しいです。

来週金曜日は、いしだちさカウンセラーがお送りします。
どうぞお楽しみに。

 

[子育て応援]赤ちゃんの頃から、思春期の子、そしてそんな子どもたちに関わる親とのお話を6名の個性豊かな女性カウンセラーが、毎週金曜日にお届けしています。
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「自分らしく自分の人生を生きることに、もっとこだわってもいい。好きなことをもっとたくさんして、もっと幸せになっていい。」 そんな想いから恋愛・夫婦関係などのパートナーシッップを始め、職場、ママ友などの人間関係、子育てに関する問題など、経験に基づいたカウンセリングを提供している。