子育てが苦しかった頃、わたしは自分のことが大嫌いだった
子育てがうまくいかなかった頃、わたしは、わたしのことが大嫌いでした。「こんなわたしがお母さんじゃなかったら、この子ももうちょっといい子になってたんじゃないの?」「こんなわたしがお母さんじゃなかったら、この子もこんなにしんどい思いしなくてよかったんじゃなかったの?」そんなことばかり思っていたこともありました。
自分のことが大嫌いだったから、「こんなわたしのことをきっと周りの人も嫌うはず・・。」とも思っていました。
嫌われる怖れを感じていると世界が全部敵になる
嫌われている、嫌われるはずと感じていた時、赤ん坊だった息子の泣き声さえ、わたしを責めている声のように聞こえていました。だから、息子に泣かれるのがとてもつらくて嫌でした。
嫌われていると思っていたから、「大変そうだね」という友達の言葉は「あんたなんかに子育てなんかムリなのよ!」というように聞こえたり、「上手に子育てできなくて大変よね~」と言われているように聞こえたりしていました。
そんな気分のときには、子どもをかわいいとは思えないし、友だちに助けて欲しいとも言えません。やりきれなさを抱えながらも、誰にも頼れなくてひとりぼっちでいるしかなかったのです。
自分を嫌うのではなく自分を愛せる人になるために
心理学を学び、自分を嫌うのではなく自分を愛することが大切だと知りました。でも、自分を愛することなど意識したこともなかった当時の私はどこから手を付けていいかさえわかりませんでした。
そんなわたしが最初にトライしたのは、愛し方がわからないわたしを責めるのではなく、許してあげることでした。
「愛し方がわからないー!!」となったとき、「しゃあないやん、やったことなかったんだから。わからなくても仕方ないよ。」と自分の味方になるということです。
上手くできない自分をありのまま認める勇気
でも、「わからない」と認めるのには勇気が必要でした。
なぜなら、わからない自分を感じると、自分ってダメだと感じて悲しかったりみじめだったり悔しかったりするからです。そして、「わからない自分」を認めたくないとも思っていたからです。
「わからない」と認めるくらいなら、「自分の愛し方がわからない自分はだめだ」と自分を責めるほうがいい!!と思うわたしもさえいました。
そんな気持ちでしたから、最初の頃は、自分を責めたいわたしの圧勝でした。
でも、そんなわたしを見て、「いやいや、よくやってるよ」
「許してみようって思えただけでもすごいじゃない!」
と褒めたり、認めてくれる仲間がいたのです。
「自分では許せない自分」を愛して認めてくれる人たちに助けられて、わたしは少しずつ自分を許せるようになっていきました。
「・・かも?」から始まる自己肯定
わたしのことを助けてくれる人がいるかも?
わたしのことを愛そうとしてくれている人がいるかも?
こんなふうに「・・・かも?」という言葉を加えることで、ほんの少しだけだけれども、誰かのことを信頼してみようという意欲がうまれました。
ほんの少しだけれども、自分のがんばりを認めてもいいのではと思えるようにもなりました。
このように、「ダメな自分かもしれないけれど、それでもいいんだ。」と許していくことが自分を愛することにつながるのです。
自分を嫌えば周りからも嫌われると思い、嫌わなければ周りからも嫌われないと思う(投影という心のしくみ)
わたしたちは、自分が見ているように他の人も見るだろうと考えます。これを心理学では投影と呼びます。
たとえば、自分を嫌っていると自分は嫌われると感じやすくなり、自分のことを嫌わなければ、自分は嫌われないと感じやすくなるということです。
自分は嫌われると感じていると自分を助けてくれる人なんかいないと思うので、自分から助けを求めません。
嫌われないと感じていると、助けてくれるかもしれないと思うので、助けてもらおうと思えます。
助けを求める人のほうが「助けが必要」だと思われやすい
助けを求めない人と助けを求める人。
どちらに手を貸すでしょう?たぶん、助けを求める人の方に手を貸す人が多いのではないでしょうか?
なぜなら、助けを求めていることが周りの人にわかりやすいから。わかりやすい分、助けてもらえることも増えます。
自分を嫌うか、嫌わないかは、こんなふうに身の回りに起こる出来事を変えていきます。
H2昨日よりちょっとだけ自分を好きになってみよう
自分のことを上手に愛せないと悩み、落ち込み、そんな「わたし」がいることを認めたり、許したり、「わたしのいいところ」を見つけたり・・。
どんなことであっても、いきなり完璧にできることなんてないんですから、昨日よりもちょっとだけ、「わたし」のことを好きになれたら、それは、もう、本当に素晴らしいことだとわたしは思います。
次週は池尾千里カウンセラーが担当します。
どうぞお楽しみに!