両親より好きになれる人(素晴らしい人)を作らないという気持ちが恋愛に影響を与えることもある
「なかなかいい人と出会えない」というご相談がら見える両親への気持ち
恋愛に関するご相談の中でも多い「なかなかいい人と出会えない」というお声。
そういったお声を届けてくださるご相談者さんの中に
なかなか自覚できないことではあるのですが
「両親より好きになれる人を作らないという気持ち」
が強く残っている場合があります。
いわば、私にとって両親以上に素晴らしい人、好きになれる人、つまり、「自分が最も好きなパートナー」を作ってはいけないような気がするという意識が強いかたがいらっしゃるということなんですね。
「えーそんなことあるの?」といった疑問もあろうかと思いますが、これ、実際に有り得る話なんですよ。
例えば
- 良家と呼ばれる家柄の影響を受けておられる人
- 両親に対する忠誠心や感謝が強い人
- 両親を喜ばせたい気持ちが強い人
- 過去に両親を助けたかったけれど助けられなかった、という忸怩たる思いを抱えておられる人
などの中に
「両親より好きになれる人を作るのは申し訳ない」
といった思いを抱いておられる方がいるのですね。
オトナになった今も両親より好きになれる人を作ってはいけないとしたら・・・
ただ、自分自身がオトナになった今でも、両親より好きになれる人、大切な人が作れないとしたら、たしかに幸せな恋愛からは遠ざかりそうですよね。
例えば、
- 心理的な意味合いで「両親にとっての子供の役割、位置」に居続けたり
- 両親の子のいう位置で恋愛・結婚を捉える意識が強かったり
- 両親にとっての私(子供)の意味を考えすぎてしまう
といった気持ちが強くあることで
両親を思うという善き気持ちが、「私の恋愛・結婚」をわがままのような、両親に対する裏切りのような者として感じられることもあるんです。
ただし、当のご本人も、そういった両親に対する気持ちを理解されているケースばかりではないのです。
例えば
- 日常の中で、なんとなく好きな人に近づけない
- 理由は明確にわからないけれど、好きな人を作ること・相手に近づくことに抵抗感や申し訳無さを感じる
- 素敵な恋愛をしたいけれど、同時になんとなく後ろ髪を引かれるような気持ちを感じる
といったことも起こるようなのです。
両親より好きになれる人を作らない、という気持ちがもたらすパートナーシップの問題
もちろん、僕も両親を思う気持ちが悪いものだというつもりはありませんよ。
両親やご家族を思う気持ちは、まさに家族への愛とも言えるかもしれないし、家族を大切に思う優しさだと言えるかもしれません。
ただ、両親にとっての子供の位置、役割から、両親を見ることを続けるならば
自分にとっての「大切なパートナー」は選びづらいことにもなりますよね。
実は、このような問題は「なかなか好きな人ができない・近づけない」という恋愛のお悩みだけではなく、結婚後に表面化する場合も少なくないんです。
例えば
結婚したけれど頻繁に実家に帰り、パートナーを置き去りにしてしまう、とか。
子供ができたことをきっかけに実家ばかりにサポートを求め、パートナーのことは置き去りにしてしまう、とか。
自分の妻よりも、親のことを大切にしすぎるあまり、パートナーとの関係が悪くなる、とか。
また、パートナーに依存的になりすぎたり、逆にパートナーを召使いのように使ってしまう、といった問題も、この中に含まれることがありますね。
ポイントは「オトナの視点に立つこと」
このような問題は
「自分自身が未だ両親に対して子供、つまり依存的のマインドで物事を見ていること」
で生じることだとも言えるんですね。
自分自身が「大人の視点」「与える立場の視点」でみるならば
パートナーのことも、両親のことも、一人の大人としてどう大切にするか、と考えられるようになることが多いのです。
もう少しツッコんで表現するならば
親にとっての私という認識から、一人の大人としての私、という認識を持つことで
実は好きな人に近づけたり、好きな人との関係を結べるようになるケースも実際にあるんですね。
そもそも子供が大人の視点で親と向き合うことは、親が子供に示唆してくれることではなく
子供の意思で親と大人の視点で向き合うことが求められるものです。
もう子供の視点で親と関わることは、自分の行きたい人生にとって難しいこと。
そう思えたときに、両親よりも大切な人を作る意味や意欲を実感できることも多いのですね。
(続)
- 本当に好きな人だからこそ近づけない心理 〜自尊感情を高める視点から〜
- 両親より好きになれる人を作らないという心理 〜オトナになることで幸せが選べる〜
- 自分が与えることの価値が信じられない 〜心の交流が価値を感じるきっかけとなる〜
- 押しまくる恋愛ばかりでうまくいかない ~自分だけでなく相手の気持ちに着目しよう~