自己概念からのマンネリについて

自己概念からのマンネリについてお話します

こんばんは

神戸メンタルサービスの平です。

みなさんからいただいた質問の中に、マンネリとか、夫婦やカップルでの関係が長くなるにつれ、情熱が失われてきたというお話が何件かありましたので、今回はそれに関してお話をさせていただきます。

関係がマンネリになってくるのにはいろんな理由があるのですが、今回はそれぞれの人が持っている自己概念という考え方からマンネリについてお話したいと思います。

人間の心の中には、いろんな自分が存在しています。

ある特定の人との関係や会話では、その人が取り上げる話題や会話のパターンに共鳴するように自分のマインドが発達していきます。

ですから、とても愉快なパートナーを持っていると、それに反応して自分の中のユーモアの部分が強化されていったりするものなのです。

よく夫婦は似ていると言われますが、これは人々がその関係性を深めていく中で、何を使って2人の関係をつなげていったかとというのがパターン化された結果です。

例えば、もともととってもユーモアを愛する女性が、ストイックなご主人と結婚した場合、そのご主人がいつも社会問題や政治問題などのまじめな話題ばかりをしていると、奥様側はついつい無意識的にその人に気に入られようとして感性のセンサーをご主人に合うチャンネルに切り替えてしまったりすることがあります。

そうすると、もともと奥様が持っていたユーモアというチャンネルがだんなさまの前では影をひそめていったりするものなのです。

人間はついつい「相手はきっとこんな人なのだ」とか、「あの人はこういう人よ」というふうに決め付けてしまうことで、その人とはその人が好むような話題やメッセージばかりすることになるのです。

その結果、マンネリと呼ばれるような単調な関係性になることが多いのです。

昔、セックスレスのカウンセリングをしたときに、そのご夫婦が持っていらっしゃるセックスに関する自己概念について調べたことがあります。

ネガティブなセックスに関する思い込み、例えば「どうせセックスなんて・・・」というものをあえてリサーチしたのです。

その結果、2人の間にあるネガティブなセックスに対する自己概念が山のように出てきました。

お付き合いしていたころは、すごく情熱的でセックスも楽しいものだったそうですが、そのうち子供ができ、奥様が家事や育児に忙しそうなのを見て、ご主人側は「きっと疲れているだろうから自分がセックスしようと言うと奥さんをさらに疲れさせるのではないか?」という思い込みを持っていたし、奥様側は「夫から見たら、育児に疲れている自分は女としての魅力はなくなってしまっているんじゃないか」と思っていたそうです。

相手の自己概念に反応するかのように、このような自己概念がまるでキャッチボールのようにとてもたくさん出てきました。

もちろんこれらのことすべては2人がコミュニケーションしたうえでのことではなく、ただの思い込みだったのです。

相手の状況から判断し、「きっとこうなのだろう」と自分で思い込んだ結果なのです。

しかしながら、まるで相手の思い込みに反応するかのように次から次へとネガティブな自己概念が噴出し、その結果、夫婦ともに「自分のセックスは相手を十分満足させることができない」というところで一致してしまっていたのです。

私たちはいつもついつい「どうせ私なんか・・・」というように自分をちっぽけに扱ってしまいがちですが、このご夫婦もそのすべてをセックスに投影し、その結果、お互いに求めていながら、相手のために自分がセックスを遠慮する、という関係を十数年も続けていたのです。

情熱を取り戻すためには、あなたの「きっとこうに違いない」という思い込みについて、本当にそうなのか相手に聞く勇気が必要なのかもしれません。

私たちはついつい言わなくてもわかってもらえるだろう、と相手に期待をしてしまいますが、本当に必要なことはあなたがたずねる勇気を持つことです。

そこから情熱の扉が開かれるのかもしれませんね。

 

来週の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。