怒りの爆発は心のSOS 〜心が限界を迎える前に周りに理解してもらうために大切なこと

限界を迎えて怒りを爆発させる前に援助を求めて良いんです

怒りの爆発とは心の限界を表しています。でも心の限界とは「ダラダラ」や「ぐーたら」から生まれるのではなく「我慢」や「頑張り」の日々から作られるもの。だとしたら心が限界を迎えてまで手にしたかったものは何でしょうか。「怒り」の対になる「余裕」はそんな自分への理解から生まれるものです。

爆発させてしまう程の怒りの奥には大きな我慢があります。

我慢とは「嫌な状況に毎日耐え続けてきた」とか「心が傷ついても歯を食いしばって耐え抜いた」とか。
心が苦しさや傷つきを感じても、必死に耐え抜いてきたことを指します。

でも心というのはやがて限界を迎えてしまうことがあります。
そして心が我慢し続けられる許容量を超えてしまったときに、私たちは怒りを爆発させてしまうことがあるんですよね。

例えば「会社で毎日のように執拗に嫌みを言ってくる上司が居て精神的な苦痛を感じている。」
そして上司の言動に我慢する毎日を過ごしていた。でもそんな毎日に限界が来てしまい、上司に激しく怒りを爆発させてしまったとします。

激しい怒りの裏側には精神的苦痛に耐えてきた我慢の日々があります。
そして我慢できる心の許容量を超えた時、抑えられない程の怒りが爆発してしまうものです。

怒りの爆発は心のSOS

つまり怒りが爆発する時というのは「もうこの状況には我慢できない」という心のSOSを発している状態でもあるんですよね。

ただ爆発する怒りとは突発的なものです。
だから怒りを爆発させた瞬間だけを周りの人から切り取られてしまいやすくもなります。
その結果、怒りの奥の我慢を理解されることはなく、怒りを突然爆発させる「おかしな人」と判断されてしまうこともあるかもしれません。

それはめちゃめちゃ辛い判断で、あなたの我慢した日々が報われない孤独感に繋がってしまうこともあります。

また怒りを爆発させてしまうケースとして他にはこんなケースもあるかもしれません。

問題を良く起こす弟が居る。でも周りの人は何と非難してきても私だけは弟の味方で居続けた。
でも何度問題を起こす弟を許しても弟の言動に改善が見られなかった。
そしてある時耐えきれずに「もうあんたなんかと関わりたくない」と怒りを爆発させてしまった。

怒りの爆発の裏では自分の言いたいことを呑み込んだ日々があるのではないでしょうか。
それは自分の感情論よりも弟の味方で居ることを優先した忍耐の日々でもあるはずです。

また浮気をされたパートナーとの関係を修復を試みていた。関係性を修復していく中で悲しみも傷つきもパートナーには伝えずに頑張ってきた。
でもある時疲れ果ててしまい、つい怒りを爆発させてしまった。

怒りの爆発の裏には傷ついた心への理解を求めなかった日々があるのではないでしょうか。
それは関係性修復のために傷つきを隠して、頑張ってきた日々でもあるはずです。

怒りの爆発の裏には我慢があるとお伝えしました。
でも同時に我慢の日々とは、自分の感情や言いたいことを呑み込んできた日々でもあります。
そして何より自分の感情よりも何かの目的のために頑張り抜いてきた日々でもあるんですよね。

だから怒りの爆発を通して、あなたの我慢と頑張りが理解されることが本来の現実として起きて良いことなんですよね。
でも現実として怒りの爆発を通して、あなたの心に寄り添いや理解が届くことは少ないかもしれません。

自分の中の我慢も呑み込んできた気持ちもまずは自分が気づいてあげることが大切

だとしたら怒りの爆発に繋がる我慢に理解の目が向くためにはどうしたら良いのでしょうか。

まずは自分の我慢癖に気付くことが大切です。
でも心の我慢とは気づきにくいという特徴があります。

だから最近疲れが溜まっていないか。鬱屈とする感情を感じやすくなっていないか。
心がネガティブな方向に囚われやすくなっていないかという視点から、無意識の我慢に気付いていくことが大切です。

次に自分の我慢に気付けたら、自分が我慢している理由を探ることが大切です。
例えば先ほどの例ならば、「弟の味方で居続けるため」「パートナーとの関係性修復のため」など、あなたなりの我慢の目的が隠れているはずです。

そしたらその目的を信頼できる人に話し、協力者になってもらうことが大切です。
先程怒りの爆発は心のSOSと書いたように、怒りが爆発する前に誰かに「助けを求める」ことが大切です。それはあなたの人生の伴奏者を増やすことでもありますね。

でも我慢の目的を話すことに抵抗がある方も居るかもしれません。
その場合は、目的の達成のためにどんな感情や気持ちを隠しているのかを探る時間を取ってみてください。

例えば先ほどの例ならば「弟の問題を許容できない気持ち」「浮気されたときの悲しみや傷つき」など、伝えてしまうと目的が達成しえないと感じる気持ちが隠れているはずです。

そしたらその気持ちや感情を話すことにチャレンジしてみてください。
それは隠し続けてきた気持ちでもありますから、一番繊細でもろくて崩れやすいような気持ちでもあります。でも一番あなたが理解して欲しいと感じる気持ちなはずです。

もちろん話すことには勇気がいります。
でもその気持ちをあなたが理解しておくだけであなたの心の余裕も作られるはずです。

皆様の参考になりますと幸いです。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

「自分は性格も悪く酷い人間だ」と自分責めが止まらない方が、"自身の本質的な魅力"に気づくためのサポートを得意とする。 【誰もが報われる人生を】を信念に「報われない人生」「報われない恋」で本来背負う必要のない痛みや怒りを背負った方が、その人らしい生き方に戻れるカウンセリングに定評がある。