私たちの心の力というものが引き起こすもの
こんばんは
神戸メンタルサービスの平です。
今日は、恋愛のテクニックというよりも、私たちの心の力というものが引き起こすちょっとおもしろいお話をさせていただきたいと思います。
前の話なのですが、あるお母さんが私どものセミナーにお越しになりました。
このお母さんには中学校3年生の息子さんがいらっしゃるのですが、筋肉がどんどん弱ってしまうような病気にかかっておられて、今はほぼ寝たきりのような状態でした。
お母さんは、すっかり看病に疲れ果てていらっしゃいましたし、「私はこの子が死ぬまで死ぬことができません。もし私がこの子より先に死んでしまったら、この子の面倒は誰が見るのか・・・・」と先行きのことを考えると不安がいっぱいの様子でした。
私も当時、自分の父親が要介護状態になって3~4年目くらいだったので、看病疲れのことは身につまされる思いでした。
そこで、このお母さんにちょっとおもしろいことをしてあげました。
お母さんに「想像力を使って、息子さんが20才になった未来にタイムマシンに乗って行ってみましょう」という提案をしたのです。
「そして、そのときに息子さんに奇跡が起こり、すっかり病気が治っていると想像してみてください」とお願いしました。
私が「息子さんはどんな青年になっていますか?」とたずねると、お母さんは「七三分けの青年が・・・」と言ったまま泣き出されてしまいました。
そして、涙を流しながら「とてもがっちりした体型の息子が、ネクタイを締め、スーツを着て、私に『母さんあまり無理するなよ』とやさしく言ってくれています」と言った途端に泣き崩れてしまいました。
お医者様からはこの病気は決して治ることはないと言われているそうです。
しかし、私はお母さんにこう提案しました。
「世の中に一人くらい、母親であるあなたくらい、もし万一ひょっとして・・・と考える人がいてもバチは当たらないんじゃないですか?」すると、そのお母さんは大きなため息をついて、「そんなことになったらどれだけうれしいことか・・・」とまた泣き始めました。
「もし、そうだったら、どんな感情を感じますか?」と言うと、お母さんは「うれしくて、うれしくて、死んでしまうくらいうれしいと思います」と言って、さらに泣いていました。
じゃあ、その感情をちょっと感じてみてくださいとお願いすると、飛び上がりながら、「うれしい!うれしい!」とうれし泣きを始めました。
その会場にいた受講生も「よかったね。おめでとう!!」とみんなもらい泣きをしてしまうといったとても変なセッションになってしまったわけです。
セミナーの翌日、そのお母さんのもとに、最近ふさぎぎみの彼女を心配して友達が訪ねてきました。
彼女がやけに元気がいいので、驚いた友達が「いったいどうしたの?」と質問したところ、「いやぁ、ちょっと変わったカウンセラーの先生に変なカウンセリングをしてもらったんだけど・・・」とセミナーでの出来事を話したそうです。
すると、その近所のお友達も「そうよね。絶対治らないと決まったわけじゃないんだし、私も何とか治るように祈ることにするわ」と言ってくれたそうです。
そして、そのときのお友達の顔がやけに明るく笑顔だったのだそうです。
いつもお友達がそのお母さんのところに来るときは、すごく心配してつらそうな顔だったらしいのですが、この日明るい顔というのを見た瞬間に、お母さんは色んなことを思い出したのだそうだです。
(つづく)
来週の恋愛心理学もお楽しみに!!