「なんであの時、もっとちゃんと確認しなかったんだろう・・・」
「もっとしっかり準備していたら・・・」
私たちは、何か失敗したり、うまくいかなかったことがあると、こんな風に後悔して落ち込むものです。
しばらく落ち込んでいても「次はちゃんと確認しよう」「今度はもっと準備しよう」と気持ちを切り替えることができればいいのですが、自分に厳しい方ほど、自分がしたことが許せず、ずっと自分のどこがダメだったのかを考え続けたり、自分を責め続けてしまいがちです。
ただ、なかなか気持ちが切りきりかえられないとプレッシャーを感じすぎて本来の能力を発揮できず、さらに自信をなくてしまう、と悪循環に陥ってしまいます。
仕事の上でダメな点があったということから派生して、そんなことをしてしまった自分自身がダメ、価値がないとまで考えてしまうケースも少なくありません。
ですので、今回は、気持ちの切り替えをしやすくするための考え方についてのお話です。
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まずは、あなたは間違いや失敗について、どんな風に考えていますか?
「間違いや失敗は許されない」考えていませんか?
確かに、仕事内容によっては、絶対に失敗が許されないものもあります。
ただ、周りの人から特に注意されるわけでもないのに「失敗してしまった」と落ち込んでしまうようなケースの場合、「間違いや失敗は許されない」という考え方が、かえって自分の成長の足をとめてしまうことが多いのです。
というのも、罪悪感を感じている時というのは、意識の大半が自分に向かっています。
自分を責めていると、本来ならば間違いや失敗をフォローすることや、次に活かすために使った方が良い意識やエネルギー・時間を、「私はなんてことをしたんだ」とか、「私はなんでダメなんだろう」自分を責めることに費やしがちになるからです。
また、周りの人が特に気に留めていなくても、「あんなことするなんて信じられない」と人が自分を責めているように感じたり、「あの人は仕事ができない」と自分の噂をしているように感じるために、人間関係もぎくしゃくしてしまい、孤立しがちです。
間違いや失敗はダメなことかもしれませんが、一番大切なことはそこからどのように軌道修正するかです。
そのためにも、「間違いや失敗は許されないこと」から「間違いやミスがあれば、修正すべきもの」と考え方を変えてみませんか?
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さらに、自分を厳しく責め続けてしまう方からよくお伺いするのが、「自分を許してしまったら、自分が成長しなくなってしまう」という言葉です。
確かに、私たちは自分たちができないこと、ダメなところを見つけて、それを改善することで成長してきました。
ただ、先ほども書いたように、自分を責める罪悪感が強いと、間違いを修正するよりも、自分はダメだから罰せられるべきだという意識が強くなってきてしまいます。
そうすると、罰に意識が向いてしまうので、失敗を次に活かしたり、新しい一歩を踏み出すことが難しくなってしまいます。
その意味で、自分を責める罪悪感というのは、次の成長や成功を妨げる罠だともいえるのです。
また、ミスや失敗が許されないというケースで、周りの人からそのことについて注意されたとしても、それ以上は特に何も言われていないのに、自分だけが許せないでいるということもあります。
もちろん、ミスや失敗をした自分を許すということは、これからはそんなミスや失敗を気にしなくなるということではありません。
むしろ、ミスや失敗したことを受け入れて、きちんと振り返って原因を見つけて改善したり、次に活かしたりするために、自分の時間やエネルギーを使うということです。
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ミスや失敗はないに越したことはありませんが、大切なのは、間違いや失敗に対してどう軌道修正するのか、どう次に活かすかで、たとえその時は自分や周りの人にとって痛手であっても、次の成長や成功に活かすこともできます。
「やってしまった」と思うことがあっても、自分をできるだけ責めずに、「どこがダメだったのか」「次はどうしたらいいのか」を考えて、気持ちを切り替えてみませんか?