受験生の親御さんへ、お子さんの力を引き出すために

みなさま、はじめまして。
今回から、子育て応援に参加させていただきます朝陽みき(あさひみき)と申します。

私には現在、25歳と23歳の息子がいます。私が経験してきた子育てのうまくいった話や、逆に「やってしまった!」というしくじり話が、少しでもお役に立てれば嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。

この二人の息子ですが、大学受験を長男は三浪、次男は一浪して今現在、大学4年生の同級生なんです。

長男は毎年、希望した大学に合格するものの、もうひとつ上の大学に行きたいということから、大学受験を4年経験しました。おかげさまで、私自身も【受験生の母親】として、息子たちへの関わり方、塾選び、メンタル面の研究に磨きをかけてきました笑

今現在、ふたりとも就職も決まり、最後の大学生活を楽しんでいるところですが、この受験シーズンが来ると色々な思い出が蘇ってきます。

中学受験での失敗

私は長男が小学3年生の頃に離婚を経験しています。シングルマザーになった負い目と、私自身の育った家庭の経済状況で「大学には行かないで」と育てられたことに、その当時は恨みみたいな感情を持っていたので、大学には絶対に行かせてあげよう!本人が望むことはできる限りやってあげよう!と必死になりました。

離婚後、早速、長男を電車で30分ほどのところにある中学受験用の塾に通わせ始めました。(リュックが特徴のあの塾です)

そこは、クラスも座る座席も成績順で、毎週席替えがありました。息子は本当によく頑張っていました。ただ、みんなも同じ、またはそれ以上に頑張っているので思うように成績は上がっていきませんでした。
毎週、貼りだされる席順に一喜一憂していましたが、そうしていくうちに、息子の成績順が、【お母さんの実力順】のような気がして焦ってしまった私は、「勉強しなさい!」「自習室に行きなさい!」と怒鳴ることが増えていきました。

そして、どうにかして息子の成績が上がるよう、やる気が出るように工夫もしました。

ご褒美を目の前に吊るして頑張らせる【にんじん方式】も散々やりつくしました。

【にんじん方式】って言ったって、お馬さんじゃないんですよね。人間なんですよね。
いつまでも同じ人参(同じレベルのご褒美)では走らなくなりました。ご褒美をグレードアップしていきましたが、息子は何を吊るしても関心が薄れていきました。

そんなとき、一本の電話が入ります。
「息子さん、塾に来ていません。」と。

走り続けていた息子の足がピタリと止まった瞬間でした。

息子に聞くと「本屋さんで眠ってしまった。」というのですが、息子の目には力がなく、曇っているように見えました。また、塾に詳しくお話を聞くと、2回目の無断欠席だったそうです。
体はもちろん疲れていたとは思うのですが、心がヘトヘトになり、もう一歩も前に進めなくなったのだと感じ取りました。

これは、一旦、休ませなくてはと思い、「もういいよ。塾はやめよう。」と声をかけると、息子の目からポロポロと涙がこぼれ落ちました。

 

勉強しなさい!より、好きなことを応援する

れから、すっかり元気を取り戻した息子は、地元の中学に入りました。
小学生までは、「将来、漫画家になる!」と、のんびり系の息子でしたが、中学でソフトテニス部に入部すると、本当に楽しそうで、メキメキと力をつけ、県大会に出場できるほどになっていました。

私はというと、中学受験のときの失敗を活かして「勉強しなさい!」という言葉を封印していました。

そして、その言葉のその代わりに、「テニス楽しんでおいでね!」と学校へ送り出し、「夏バテしないメニューにしたよ!」と、ご飯も工夫していきました。セラピストでもあったので、筋肉の疲れのケアもしながら【息子の好きなこと】を応援していきました。

すると、「お母さんは、自分の好きなことを認めてくれている。そして、それを応援してくれている。」と、感じられたようで、「ソフトテニスの強豪校に行きたい!」と、勝手に勉強し始めたのです。

塾でも、お友達と成績をゲーム感覚で競い合っていて、中学受験の頃のような曇った目の息子の姿はありませんでした。

そして、希望の学校へ進み、大学受験も気が済むまでチャレンジするのでした。
(しかも、就職先は・・・なんと予備校の先生なんです。もう、ピッタリすぎますよね笑)

 

受験生の親として大切なこと

長男が、勝手に勉強をし始めてびっくりしたのですが、なんと、次男もそれに続いていきました。
ずっと言ってみたかった「勉強しなさいと言わなくてもやるんだよね。」という状況になったのです。そのときの私が息子たちへの関わり方で大切にしていたことを紹介させていただきます。

①よその家の子と我が子を比べない

もし比べるとしたら、生まれた頃と比べていました。できることが増えたよな、体も大きくなったよな〜。(態度も!笑)
生まれる前は、「とにかく元気でさえいてくれたらいい。」と、願っていたことを振り返り、今とても幸せなんだと感じることができました。

②結果より、やろうとしている気持ちを認めてあげる

まず成績の変化は2ヶ月後からと認識しておくことが大事です。(色々な塾をめぐりましたが、どこの塾でもこう言われます。)
ですので、勉強時間を増やしたり、勉強方法を工夫し始めても、すぐに成績が上がらないこともありますし、逆に下がることもあります。そのときに、気長に見てあげることを大切にしました。
一番がっかりしていて、不安になっているのは息子なので、「気にしなくていいと思うよ。必ず力になっていくよ。大丈夫!」と声をかけていました。

③学校で受験について散々言われているので、お家はリラックスできるようにする

お母さんにできるのは、ご飯とお風呂の準備だけと割り切って、特別なことはせず、なるべく平常運転で過ごすようにしました。

 

子どもを承認するためには、親の成長にも目を向ける

先ほど紹介した、息子たちとの関わり方ですが、私も簡単ではありませんでした。認めて、褒めてあげたい!と思いながらも、つい出来ていないところに目が行きイラっとすることが多かったです。
もし、これを読んでくださっている方の中にも同じような方がいらっしゃいましたら、

まずは、親としての自分のことを承認してあげてほしいと思います。

親も、よその家の親御さんと比べないことが大切です。
もし、比べるとしたら、お子さんが生まれた頃の新米パパママだった頃と比べてみてほしいと思います。ミルクを作るのも時間かかっていたのに、ご飯だって手際良く作れるようになりましたよね。
忙しい時間のやりくり、お金のやりくり、上手になりましたよね。親としてのちょっとした成長を探し、認めてあげることが大切です。

ぜひ、チャレンジしてみてくださいね!

これを読んでくださっている方のお子さんが、受験の当日、自分の力を出しきれますように。
また、お子さんのために日々頑張っていらっしゃるお父さん、お母さんへ、心からエールを送ります!!!!

次週は、池尾千里カウンセラーが担当します。
どうぞお楽しみにしてくださいね!

 

[子育て応援]赤ちゃんの頃から、思春期の子、そしてそんな子どもたちに関わる親とのお話を6名の個性豊かな女性カウンセラーが、毎週金曜日にお届けしています。
この記事を書いたカウンセラー

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孤独感の中で生き続け、離婚や再婚、うつを乗り越えた経験から、パートナーシップや自分自身の問題を多く扱う。圧倒的な受容力と繊細な感性を活かし、言葉に出来ない感覚や感情にフォーカスすることが得意。問題に隠れた愛や魅力を見つけ、クライアントが安心して自己実現できるようサポートをしている。