マザコン男性との恋愛を成就させるにはどうしたらいいの?

母親に頭が上がらない男性は大勢います。

おつきあいを始めたのはいいけれど、彼が、何事もお母さんにお伺いをたてる、お母さんの意向に従わずにはいられないなど親離れができていないように見え、お母さんの方も、子離れができずに、彼の気持ちを先回りするように世話をしていて、彼がいつまでたっても自立できないと、彼女の方は、彼を頼りにできずに不安でイライラが募ります。

そんな通称「マザコン」男性とはどうつきあったらいいのでしょうか。強い愛着や執着の下には、母親との絆が弱いための不安や怖れがあります。しっかりとした絆をつくれるように応援することで、彼が頼り甲斐のある男性に成長するのみならず、彼と彼の母親の双方から深い信頼を獲得することもできます。

◎リクエストを頂きました◎
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マザコンの、親離れできていない(親は子離れできていない)彼氏とつきあっていく方法が知りたいです。
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リクエストをありがとうございます。

マザーコンプレックス(mother complex)、通称マザコン(mother complex)とは、母親に対して子供が強い愛着や執着をもつことや、そういう愛着や執着を持っている子供その人を指します。

愛着や執着の対象が父親ならばファザコン(father complex)、兄や弟ならばブラコン(brother complex)、姉や妹ならばシスコン(sister complex)と言います。

私は、「マザコン」「ファザコン」という言葉を自分のことを茶化して語るとき以外はあまり使いません。

誰しも、お母さんやお父さんを、心の奥底では好きで、イヤでも嫌いになりきれないから苦しいこともあるわけです。

つまり、みんな、どこかしら「マザコン」だし、「ファザコン」なのですよね。なので、多かれ少なかれ、誰にでも当てはまることとして、この記事を読んでいただけると嬉しいです。

一般的に、男性にとって「お母さん」は人生で最初に出会い、愛する異性の対象ですし、女性にとっては「お父さん」がそんな初恋の相手です。その人に愛着をもち、「愛されたい」と執着するのは、ある意味、当たり前でしょう。

ところが、私たちは、成長とともに、心理的に、そして経済的に、親から「自立」することを求められます。特に、心理的な自立は、言うほど簡単ではなくて、愛着しているもの、執着しているものをひっぺがされるような痛みが、子供の側にも親の側にもあるものです。

あまり意識はしていなくても、お母さんからの分離は、「生まれる」こと、文字通り身体が二つに分離することに始まり、断乳、2歳頃のイヤイヤ期、入園・入学、思春期の反抗期、経済的独立、結婚と波のように何度も繰り返し、心理的自立を求められる場面が訪れることで達成されます。それほど、お母さんから「(心理的に)離れる」のは、誰にとっても、寂しいし、不安だし、悲しいのです。

この親離れすることの子供側の不安や悲しみ、寂しさは、親から十分に「自分であること」や主体性を応援してもらえないと、一層強く感じられます。親の意向に沿い、期待に応えないと、愛してもらえないのではないかという不安がつきまとうからです。

いわゆる「マザコン」彼氏は、お母さんの意向や希望を第一優先にすることから、「彼女」にしてみれば、「私とお母さんとどっちが大事なの!」「あなたにはあなたの意志ってものがないの?」と詰め寄りたくなるわけですが、自覚はありませんが、彼の心の奥底には、「自分の意志なんてもったら愛されなくなるのではないか」というとてつもない大きな怖れと寂しさがあるのです。

「マザコン」彼氏のお母さんが、息子の意志や主体性を認めて育むことができなかったのには、それなりの理由があったはずです。お母さんが、ご自分のお母さん、もしくは伴侶であるご主人とつながりをもてず、寂しさを息子の面倒をみることで抱えてきたとしたら、息子が自立してしまうと堪え難いほどの寂しさに襲われてしまいます。それはとても怖いでしょうね。

息子である「マザコン」彼氏にしてみれば、無意識に、母親の寂しさや怖れに共鳴しますから、自分の意志をもち、母親から心理的に離れようとすると罪悪感を感じます。彼女の気持ちを大事にしたくても、いざとなると、お母さんを裏切るようで腰くだけになるのです。

「マザコン」彼氏とおつきあいするということは、彼の母親との癒着を剥がすお手伝いをするということです。

「私とお母さんとどちらを選ぶの?!」と脅して、ベリっと引っ剥がしたくなるものですが、ここで私があえて提案したいのは、「太陽のアプローチ」です。

「お互いの意向に沿わなければ愛されないのではないか」という不安が根底にあって親離れ、子離れができないとすれば、逆に、「絆」がしっかりできれば、離れても愛されていると思えるから、離れられるはずです。

私は、彼氏のお母さんとは仲良くするのに限る、と思っています。

まだ私が若く、新婚当初のことです。お姑さんが、「私のお友達がね、自分の誕生日に、息子が恋人とデートに行ってしまったと毒づいていたわ。そのお嬢さんも、「お母様のお誕生日ならお花でも買って帰ったら?」の一言が言えればいいのにね」と言うのを聞いて、男の子のお母さんってそんな風に思うのか、とびっくりしたのを思い出します。

当時の私には、お姑さんの誕生日に彼に「お母さんがあなたを待っているかもよ」なんて配慮をするセンスなんて全くありませんでしたが、今は、彼のことをそれだけ愛している人が自分以外にもいる、ということを彼に伝えてあげられるって素敵だと思うようになりました。

彼が、お母さんのいいなりになるだけではなく、彼の意志でお母さんを喜ばせてあげられるように応援できたら、それは彼にとって大きな自信になりますし、彼のお母さんに大きな安心をプレゼントすることになります。そんな「自信」や「安心感」は「信頼」という「絆」を作ります。

意見の違いをもつためには、「違い」があっても、愛は変わらないと思える「絆」が必要です。

親に対する愛着や執着があまりにも強くて、自分の意見や気持ちを大事にできずにいるとしたら、それは「愛」を信頼できないから。その信頼の絆を作れるように応援できたら、彼が自信をつけて頼りがいのある男性に成長するのみならず、その彼にとってあなたはかけがえのないパートナーになれるのではないでしょうか。

(完)

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