【子連れ再婚】再婚夫と息子が本当の家族になるまで

【子連れ再婚】には様々な課題が潜んでいます。
それは、結婚する相手との関係だけではなく、子どもとの関係が加わることで、より複雑になるからです。
そのため、再婚までの道が遠く険しく感じる方もいるかもしれません。

今回こちらのコラムに初投稿させていただきます朝陽みきと申します。
私自身、離婚、そして14年前に、11歳と9歳の息子を連れて再婚を経験し、この難しさに直面してきました。
それらの経験が、みなさまの参考になれば幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

私は2010年に子連れ再婚をしています。
籍を入れる前に【お試し期間】として2年ほど同棲をしまして、再婚に至りました。

私も夫も離婚経験があるので、「今度こそ、幸せな家族を作りたい!」「同じ失敗はしないぞ!」と意気込んでスタートした同棲ですが、なんと開始早々、2ヶ月で家族全員が息切れしてヘトヘトになりました。
あっという間に破綻寸前といった状態に陥ったのです。

その原因を見ていくと・・・
家の中で、みんなで必死に【家族ごっこ】をしていたこと、それぞれが与えられた配役を演じよう、演じようとしていたことだと思いました。

※心理学では、疲れきっているとき、燃え尽きているとき、「こうするべきだ」という観念によって行動していると言われています。
「役割」「規則」「義務」から行動するので、無理をしすぎたり、自分の感情を無視したり、楽しみを受け取らないようになると言われています。

私たちも「家族ならこうするべきだ!」という型に、一生懸命ハマろうとしていました。

夫は夫で、「再婚するなら、ちゃんとこの子たちのお父さんになろう!」と頑張ったし、息子たちは「ちゃんとお父さんと思おう!」と頑張ってくれていたんですよね。
息切れしちゃうくらいに。

私自身も、その当時はここまでしか気づきませんでしたが、これを書きながら気がついたことは、夫も息子たちも私のためにチャレンジしてくれていたんだなということです。涙(こんな大切な想いに今頃気がつくなんて。随分遅くなりましたが、ここであらためて受け取ろうと思います。)

このときのみんなの「ちゃんと家族になろう」という強すぎる想いが、逆にそれを壊すことに繋がってしまったこと、とても悲しいことだと思いました。
(再婚夫婦の離婚率の高さは、もしかしたら、こういう想いの強さも原因なのかもしれないなと感じました)

とにかく、このままでは、みんなが潰れるのは時間の問題だなと感じた私は、夫に「あなたは、お父さんにならなくていいよ。私のことだけ支えてほしい」と伝え、息子たちには「彼をお父さんと思わなくていいよ。ゲームが好きなお友達だと思って」と伝えました。

みんなが役割を降りたところから、本当の家族への道が始まったように感じます。
そこから、あっという間の14年。
初婚のときの失敗を取り戻そうと張り切りすぎて空回りをしたこともありました。
生活習慣やルールの変化に戸惑うこともたくさんありました。
でも、なんとか家族で仲良く暮らすことができています。

今も「いつから本当の家族、親子になったのか?」と聞かれたら、「わかりません」としか答えられません。
本当の家族になれているのかなんて、正直言ってわかりません。
でも、そんなことはどうでも良くなっています。
ただ、「これが私たちの家族の形です!」と思えることで十分だなと思います。

~おわりに~

ここまで、再婚家族は「型にはめなくていい」「こうであるべき!と思わなくていい」というお話を書いてきましたが、夫にあえてこんな質問を投げかけてみました。
「再婚家族がこだわってもいいことがひとつあるとしたら何?」と。

すると、「頑張りすぎずに適当やで。みんなでおいしくご飯が食べられたらそれでええやん」と即答。

その言葉通りに、今夜は家族全員が久しぶりに揃うので、たこ焼きパーティーをします。
この何気ない幸せを感じるとき、「あのとき、家族になることを急がなくてよかったな」と思います。

もし、これを読んでくださっている方の中に、子連れ再婚について迷い悩んでいらっしゃる方がいるとしたら、あらたに【自分たちの家族の形】を見つけるチャンスかもしれません。
ご縁があって巡り会えた、あらたなご家族の一歩を心より応援しております。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

孤独感の中で生き続け、離婚や再婚、うつを乗り越えた経験から、パートナーシップや自分自身の問題を多く扱う。圧倒的な受容力と繊細な感性を活かし、言葉に出来ない感覚や感情にフォーカスすることが得意。問題に隠れた愛や魅力を見つけ、クライアントが安心して自己実現できるようサポートをしている。