活発的な意見交換ができる会議をするために 〜話してもらえる環境を築くヒント〜

会議で意見を求めても、誰一人として意見を述べる人がいない。
結局、数字や報告のみに終わってしまい、建設的な議論にならない。
上司の一方通行に終わってしまう。
こういうことってありませんか?

こんな状況に陥っていると、上司側は部下に対して「自分の考えのない部下だ」「きちんと仕事をやってもらわなければ困る!」など腹が立ってしまうかもしれませんね。
部下側も「こんな会議は時間の無駄」だと感じて、どんどん意欲をなくしてしまうかもしれません。

とはいえ、個性や価値観が違う複数人での意見交換には、大きなメリットがあります。
思いもよらない素晴らしいアイディアが飛び出したり、力を合わせて大きな成果を得ることもできたりします。

今日は「会議にて部下のやる気を引き出し、活発な意見交換ができる環境作り」について書いてみたいと思います。

たとえば、あなたが部下の立場だとしましょう。
そして、会議の場で上司から「この目標を達成するためのアイディアがある人は発言してください」と言われたと想像してみてください。
そのときに、こんな環境だったらどうでしょうか?

上司が部下に高圧的な態度、かつ、不機嫌そうな顔をしながら、自分を品定めしているような状態。
せっかくアイディアを出しても「それは無理がある」「そんな甘い考えじゃダメだ」「前例がない」と一蹴されるだけ。

これでは、あまり発言する気になれないと思うのですね。
もしくは、上司の気にいるような反応か、無難で誰でも考えそうなことでお茶を濁して、怒られずに済むように身を守る。
こういうことが起きやすくなると思うのです。

ですから、意見を求める場合には「どんな意見でも、攻撃されない」「自分の意見は、周りの人の役にたつのだ」と、部下側が感じられるような場作りが求められるのですね。

心理学ではこういった環境を「心理的安全」といいます。

とはいえ、上司が部下に対して「どんな意見でも構わないから、どんどん発言をしてほしい」と伝えたところで、部下側は「そんなこと言っても、言ったら言ったで怒るくせに」としか感じないことがほとんどだと思います。

なぜなら、上の立場からのメッセージはどうしても「命令」として伝わってしまうからなんですね。

ですから上司側も心を開き、どんな気持ちで意見を求めているのか、どれだけ部下を信頼し頼りにしているのかを話したり、部下側の素直な気持ちも傾聴しながら、場を作っていくことが大切になってきます。
部下に心を開いてもらい「話してもらう」には、コツコツ信頼を積み重ねていくことが大切なのですね。

今日は「会議の場を安全な場所」にするための「ブレインストーミング」をご紹介したいと思います。
ぜひ、結束を固めたいみなさんで、お遊び感覚でやってみていただけたらなと思います。

(1) グループ&テーマ決め
4人1組ほどのグループにわけ、それぞれにテーマを決めます。
テーマはくだらないほどいいです。
たとえば「1日で100万円を使い切る方法」「異性からモテモテになる方法」など・・

(2) 楽しく自由にアイディアを出す
5分ほど時間を決め、一斉にアイディアを出し合います。
この際、大切にするポイントは「実現できるかどうかは関係ない」「質より量」「人のアイディアを非難せず”いいね!”だけ言う」「全員が発言する」「突拍子もないもの大歓迎!」

(3) どれだけの数、アイディアを出せたかを発表して承認し合う

以上です。

実はブレインストーミングは有益なアイディアを出すためにも役立つのですが、それ以上に「全員が楽しんで取り組む」ことで、心理的安全を感じたり、一体感を感じることで、参加者全員が意欲的になれるという心理的効果があるといわれています。

ちなみにテーマを、企業が抱えているテーマ「この商品を店舗で1000個売るための方法」などと指定して、自由にブレインストーミングをするのも効果的です。
ただし、そこで有益なアイディアがでなくても構いません。結論がでなくて大丈夫です。
チームみんなで取り組むことの楽しさや、どんな発言をしても受け入れられるのだという体験をすることで、会議の場でも発言がしやすくなったり、部下が現場で意欲的に取り組みやすくなる効果が期待されますからね。

最後に・・・。

上司側も、責任や業務量など抱えているものが大きく、会議を楽しむ余裕がない場合も多いかと思います。
でも、責任感の強い方ほど、周りにそれを見せず、頑張っていらっしゃると思うのです。

そんなあなたの背中を見て、助けたい、力になりたいと思っている部下もきっといると思うのですね。

発言しやすい場作りは、あなた自身を助けることにもなります。
あなたも仕事を楽しむことができるよう、ぜひ発言しやすい場を築いて、気楽に協力し合える関係を築いていただけたらと思います。

参考になれば幸いです。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛、対人関係の改善、自分が本当に望んでいる人生へのシフトチェンジへのサポートを得意とする。 特に「さびしさを笑顔に変えるカウンセリング」をテーマに掲げ、30代女性の生き方、恋愛・婚活サポートを精力的に行っている。 高い共感力を活かした「共に考え、併走する」カウンセリングスタイルが好評。