子どもとお金

今朝こんなニュースがありました。
小学校6年生が、同級生から記念メダルや海外のお札を93万で購入したというものです。
メダルは純金製だと言われ、お札は海外の10ドル札。珍しいものだと言われたようでした。
93万円という大金。そのお金は親が子どもの今までのいろんなお金を置いていたタンス貯金。それを子どもがたまたま知ったようでした。お金のことで同級生に、お前の家は貧乏などとからかわれ、見返したい気持ちがあったようで、それがきっかけのようでした。
お金というのは何かを得る時に必要不可欠なモノであって、簡単に手に入るものじゃないということは子ども心でもある程度分かっていると思います。それでもまだまだ子ども。我が家も他人事じゃないと思いました。

 

昔の子ども今の子ども

・昔の子どもとお金

私たちの子ども時代と今の子の時代というのは、何事も大きく違っていると思うんですね。勉強にしろ友だち関係にしろ、単純に考えられていたことも今はすごく難しく複雑に思います。
お金のことも、例えばお小遣い。昔も1か月いくらという渡し方もあったと思いますが、毎日いくらということもありました。我が家は毎日30円~50円をもらっていたんですよね(かなり昭和な話ですね)。
買い物も、行って現地で見て回らなければ分からなかったり購入できなかったりと、それが当たり前でした。どうあっても自分が自ら手にすることが出来ないもの。大きくなって、働かなければ手に入らないもの。それがお金だと、私だけじゃなく多くの人が思っていたかもしれません。

・今の子どもとお金

今の子どもたちは、この情報社会が当たり前で、インターネットでいろんな情報を自ら手に入れていきますね。昔大人だけの世界であったことも、子どもも容易に大人が関わるような情報や知識を大人以上に手に入れていると思います。
日本のこと、世界のこと、そしてお金にまつわること。
いろんなことを自分で手に入れて学んで行く姿勢は素晴らしいけれど、知識を得ることと、その情報の正しい見方、使い方というのはどこまで出来ているのでしょうね。
ともすれば、誰だってお金は簡単に得ることが出来てしまう。
簡単にネットの儲け話に乗ってしまう。だってそういう情報も少なくないものだから。
お金に関する情報が手に入るなんて、私たちの時代では考えられなかったこと。だけど今では子どもでもお金を手にする方法をいくらでも知ってしまう。知ろうとしなくとも、ネット内に出てきてしまう。それが今の世の中だからなんでしょうね。

 

お金の教育、こころの教育

・お金の教育

お金の教育ってとても難しいと思っています。
我が家では、特にあらたまって話をしたことはありませんが、子どものおやつを買う時に、「今日はこれが安いしこっち買おうか。」とか、「今月はこの支払があるから、少し控えた方がいいね。」など、生活内でお金に関係することを、子どもがいても自然と話していました。だから自然と、
一生懸命働いてこそ、お金は得られるもの。
そんなふうに17歳の我が子は学んだようですが、実際には一か月のお小遣いが早々に使ってしまうこともあるし、古いゲームや本を売ってお金に変えることもあります。
それでもお金は自分のために、自分にとって本当に欲しいもの、したいことのために、考えて使って欲しいものだと我が家では伝えています。

・子どものお金にまつわる、こころの教育

ただ、友だち同士のお金の貸し借りやおごってあげたり、おごってもらったりは簡単にすることじゃないと、そこはよく話していたように思います。
困ってるから貸してあげたい。
喜ぶからおごってあげたい。
それは、誰しも思う、自分が友だちのために役に立ちたいと思う優しい気持ちでもあると思いますが、同時にそれをすることで、
友だち同士の信頼感がなくなってしまうこともあるかもしれません。
自分は親切心でもどこかでモヤモヤしちゃう。相手は悪気はないけれどしてもらったことを忘れることだってありますよね。
「このあいだのお金いつ返してもらえる?」ってしれっと言えるといいけれど、言うのも勇気がいることです。自分からおごってあげたのにおごられないことを不満に思ってしまうこともあるかもしれません。
そうなると対等さがゆがんじゃう。貸してる側借りてる側、おごった側おごられた側と自然と上下関係が出来てしまうなど、そういった大切な絆が失われちゃうことだったありますね。
まだまだ10代の子どもだから、いろんな情報や知識を得ていても、不必要に見栄をはったり、いいかっこしたりと、こころはまだまだ育っていないんだと思います。

 

人生経験で育つこころ、そしてお金の価値

・大きな後悔と共に育つこころ

こころって人生の経験値で育つものじゃないでしょうか。
私はそう考えます。
ニュースでお金を支払ってしまった6年生の子は、「家の貧乏をバカにされてくやしかった。」と話しました。「見返してやりたい気持ちがあった。」と。でも同時にそういうことをした自分にすごく後悔しているようです。
そしてその子の父親も言います。
「自分がもっと子どもとしっかりお金のことについて話し合えばよかった。」
「早いうちからお金の教育をお前にしなかった。それを怠っていた私がむしろお前に謝らなければいけない。」
と。
彼らは一般的には被害者と呼ばれる立場であるにも関わらず、自分たちの行動や行いを顧みていました。自分たちの学ぶべき未来に目を向けていました。
すごく立派な子どもであり親だなと思ったんですよね。
きっとこの後悔によって、たくさん子どもと話をして、間違いなく今後に大切な何かを学んで、一緒に成長していくんだろうと思います。

・いつだって大事なのは話す場を持つこと

親になると、誰だって暇じゃないんですよね。
やるべきことはどんどん増える。毎日しなければならないがある。
その中でもやりたいことやその時間を作ることは大事だけれど、それでもやらなきゃいけないことなんて膨大にあるものです。
だから、子どもの話を聴くという機会も作らないとなかなか取れなかったりするんだと思います。

我が家では、子どもと一緒に食事をする。
これだけは私が自分自身に守らせている約束です。

今の子どもだって暇じゃない。学生は勉強が中心ですが、その勉強も学ぶことはどんどんレベルが高くなり私の時代とは雲泥の差です。親同様やることはたくさんあると思います。そんな中から友だちとの交流や遊ぶ時間も何とか作ったりして、そんな時に親がわざわざ話をしましょうなんて時間を、子どもが取りたいわけがない。
だからご飯の時間にそれをします。
別に話す時間のためなんて言わないけれど、一緒に食べている時に、今日は友だちとこんなことをした、でもこんな嫌なこともあった、学校で今こんなことが流行っているなど、自然と話してくれるんですよね。
そうやって親も工夫しないとなかなか子どもの話を聴く機会、話してくれるタイミングというのはないのかもしれません。

だけど今回のこのニュースを聞いて、日々の “子どもを見る” 時間というのはとても大切な時間なんだとあらためて思いました。
悩んでいたらなんとなく分かるかもしれません。その話し方、表情、ちょっとした言葉。親に遠慮しているような様子や何か言いたげな雰囲気。
きっとしっかり見ていると、気づくんじゃないでしょうか。
もしそんな変化に気づけたら、そんな時は、日々の自分の忙しさに負けず、子どもに言ってあげたいと思います。
「どうしたの?」
って。
でも同時に、私もちゃんと気づいてあげられるかなとも思っています。
まだまだ10代。知識は大人以上に持っていても、こころはまだまだいろんなことに迷う時代だから、それはしっかり覚えておきたいことだなと、今回のニュースでとても考えさせられました。

今日のこのお話が、子育てで頑張る親御さんにとって、少しでも何かのヒントになれば嬉しく思います。

 

次週は、高塚早苗カウンセラーです。
どうぞお楽しみに。

[子育て応援]赤ちゃんの頃から、思春期の子、そしてそんな子どもたちに関わる親とのお話を6名の個性豊かな女性カウンセラーが、毎週金曜日にお届けしています。
この記事を書いたカウンセラー

About Author

アルコール依存症の父からの虐待経験、学生時代のいじめから、恋愛依存、不倫や風俗を経て、自分を抑え付けるような結婚生活後、8年で離婚。その後自分に向き合い、今は穏やかに生きる。 過去のあらゆる経験をもとにして、恋愛関係、家族関係を得意とし、お客様と共に成長するスタイルを取る。